女として兄に尽くすよう育てられた弟は、当たり前のように兄に恋をする

papporopueeee

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兄と弟

吐精

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「ぐっ……玲……!」
「んむっ?」

 咄嗟に、俺は玲の頭を右手で掴んでいた。
 尤も、快楽で痺れる体ではまともに力は入らなくて、なんとか手を乗せたと言った方が正確な有様ではあったが。

 それでも、玲の動きを止める事はできた。

「一宏様……」
「はぁっ……はぁっ…………ふぅっ……続けてくれ」
「かしこまりました」

 玲は何かを問うこともなく。
 俺の手を頭に乗せたまま、再び顔を股間へと埋めた。

 途端に、また甘く鋭い快感が脳へと走り始める。

「ちゅるっ……れろっ……ちゅっ……んっふっ……んむっ……」
「あっ、はぁっ……うっくぅっ……」

 あんな小さな口で。
 それとも小さな口だからなのか。
 玲は性器を口いっぱいに頬張りながら、器用に舌で舐め上げる。

 やがて、また射精感が上ってきて。
 それを感じ取った玲がスパートをかけようとしたところで。
 俺は、玲の頭に置いた右手に少し力を込めた。

「んっ……ぷはっ…………ちゅっ…………んっ…………」

 途端に、玲の動きが変わる。
 舐め上げ、しごき上げ、射精を促す動きから。
 まるで慈しむような口づけへと。

 柔らかな唇が亀頭と何度も触れ合って。
 時折舌をちろりと覗かせては、垂れる雫をぺろぺろと掬い上げる。

 押し退けるほど力を込めたわけではない。
 玲に責められている最中にそんな力は入らない。
 それでも、力を入れたことが伝わりさえすれば、玲は動きを緩めてくれる。

(ちゃんと覚えてたか……。むしろ、忘れてた俺が間抜けなのか……)

 玲が俺の性器を口に含んだら、もう俺には抵抗することはできない。
 そもそも、抵抗することが間違っている。
 夜伽はセックスではないのだから、さっさと射精をするべきだ。

 それでも兄として、男としてのプライドを保つためには玲の好きにやらせておくわけにもいかない。
 だから俺はいつの日からか、責められている最中に玲を制御するために頭に手を置くことにしていた。

 要は馬の手綱と同じだ。
 頭に置いた手に込める力の機微で、玲に意図を伝える。

 力を入れれば、玲は動きを緩めて。
 力を抜けば、玲は激しく責め立てる。

 これなら、俺は玲にされるがままではなくなる。
 玲は指示通りに動いているだけであって、俺が玲を性処理用の道具として扱っているのと同じことだ。

(あくまで玲に意図を汲んでもらってるだけなんだけど……玲は俺に従ってて逆らわないわけだし、いいだろ)

 結局は俺の心の問題だ。
 だから、細かいことはどうでもよくて。
 ギリギリでこのことを思い出せたのは幸運だった。

「んっ…………あむっ」
「うっ!」

 右手の力を抜いた途端、玲は容赦なく責めを再開し始めた。

 カリ首の深さを広げんとばかりに、エグいくらいに舌先でほじくり返してくる。

「んっあむっ……ちゅっ、ちゅるっ、ちゅちゅっ……れろっ……んっ、んぅっ……」

 まるでお預けを食らった後の犬のような勢いに、再び射精感が高まって来る。

(そうはさせねえって……!)

「っ…………ちゅっ……はむっ…………ちゅっ……」

 チラリと、一瞬だけ玲の瞳が俺の顔を見た。

 果たしてそれはどのような意図だったのか。
 もしかしたら、さっさと終わらせたいのに引き延ばしてくる俺を疎ましく思っていたりもするのかもしれない。

(……まあ、そろそろ頃合いか)

 玲にされるがままに射精するのが気に食わないだけで、無駄に時間を使いたいわけじゃない。
 図らずも寸止めを繰り返してしまったせいで、性欲もパンパンに膨らんできている。

「はっ……はっ…………玲、いいぞ」

 手は置いたままに、力を抜いて玲に伝える。
 すると、玲は性器から口を離して――

「かしこまりました」

 舌を口から伸ばして、性器にかぶり付いた。

「じゅるっ……んっふっ……じゅじゅっ……んっ、んむっ……」
「ぐっ……うぅっ」

 静液を吸い上げるように。
 舌で搾り上げるように。

 スパートをかける玲によって射精感が上ってきたところで、俺は玲の頭を股間へと押し付けるように力を入れた。

「んぶっ!?」

 喉の奥。
 唇よりも、舌よりもずっと強い圧迫感。
 喉を貫かんばかりに、俺は強く玲を引き寄せる。

「んっ……んぐっ……」

 玲の苦しそうな声。
 それでも、舌で性器を責めあげる事は止めていなかった。

「ぐっ……いっ……イクっぞ……!」
「んむっ……うぐっ……っっ!!」

 玲の嚥下によってキュッキュッと締まる刺激が止めになって。

 俺は玲を強く引き寄せたまま。
 その体内へと精液を吐き出した。
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