上 下
26 / 26
ゴブリン殲滅編

裸の足

しおりを挟む
「ふっ、ふ~ん? じゃあ、こういうのも好きなの?」
「っ!?」
「びっ、びくってした~♡ ちょっと足触っただけだよ? ボクの靴のつま先で、ヨリッグの靴のつま先を小突いただけ……何をそんなに驚くことがあるの?」
「ふっ、不意を突かれたものですから……」
「ほんとに? ……じゃあ、脱いで?」
「ぬっ、ぬぬ脱ぐっ!? ここでですか!?」
「ちょっ、ちょっと! 違いますから!! っ……ち、違うから! 靴! 裸足になってって言ったの!」
「あっ、ああっ……! な、なるほど……なるほど……?」
「い、嫌?」
「そっ、そんなことはっ……裸足なんて、いくらでも……」
「じゃあ……ボクも脱ぐね?」
「えっ、そちらも?」
「……見ないでね?」
「もっ、もちろんっ!」

 ブーツを脱いで、ストッキングも脱ぐ。
 それだけなのに、何とも言えない気恥ずかしさがある。

 見られるわけでもないのに。
 仮にテーブルの下を覗かれても、大事な場所は修道服が隠してくれているのに。
 どうしてか、恥ずかしくて堪らない。

 裸足になるだけでこれなら、もしも全裸になったりしたら、ボクは石のように固まってしまうに違いない。

「……も、もう脱いだ?」
「はい、こちらは裸足になりました」
「じゃ、じゃあ、確かめるね?」
「っ……ど、どうぞ……」

 少し動かすだけでも、足の裏を滑る空気を感じてしまう。
 それがとてもくすぐったくて、同時に心許ない。

 本当にそんなことをしてしまっていいのかと、空気にすら諭されているような気持ちになってしまう。

『っ……』

 息を呑んだのははたしてどちらだったのか、それともふたりともだったのか。
 足を伸ばすのに夢中で、ボクにはわからなかった。

『っ……っ……』

 テーブルの下を覗くなんてはしたない真似もできず。
 彼の顔を見ることもできず。
 ただただテーブルの木目を見つめながら、足の先を彼の方へと伸ばしていく。

 きっともう少し……。
 まだ……?
 どこ……?

 もしかして、彼は足を引いてしまっているのではないか……そんなことを考え始めた時だった。

『あっ……』

 声が同時に漏れた。
 むき出しのボクの足の親指が、むき出しの彼の足の小指に触れたから。

「……は、裸足、だね」
「はい……そちらも……」
「うん……もっと、触るね?」
「っ……!」

 彼の身体がびくっと震え、またボクの中のいじわるな部分が頭をもたげ始めた。

「ふふっ……おっきぃ……♡ ヨリッグの足、ボクのよりずっと大きいね? 弟なのにね?」
「そ、そうですね……っ」
「こことか……ボクの指がすっぽり収まっちゃう……♡ ごつごつしてて、硬くて……ヨリッグって、足もカッコよくて強いんだね?」
「そっ、っ……そうでしょうか……?」
「ねえ、ボクの指を握ってみてよ。ヨリッグのおっきい指で、ボクのちっちゃい指を負けさせてみて?」
「そんなっ、お姉ちゃんと勝負なんてっ……っ」
「遠慮しなくていいんだよ? というか、ヨリッグが攻めてこないなら、ボクがいっぱい攻めちゃうから……ほら♡」

 丸くてカチカチな親指の腹。
 裸足で外を歩いても汚れなさそうなくらいに深い土踏まず。
 岩のように硬くて大きい踵。

 彼を隅々まで堪能するように、ボクの足先で突いていく。
 その度に彼が身体をビクつかせるものだから、どんどんいじわるをしたくなってしまう。

 早くその先が欲しくて、欲しくて堪らない……♡
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

【R18】通学路ですれ違うお姉さんに僕は食べられてしまった

ねんごろ
恋愛
小学4年生の頃。 僕は通学路で毎朝すれ違うお姉さんに… 食べられてしまったんだ……

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

真夏の温泉物語

矢木羽研
青春
山奥の温泉にのんびり浸かっていた俺の前に現れた謎の少女は何者……?ちょっとエッチ(R15)で切ない、真夏の白昼夢。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

おもらしの想い出

吉野のりこ
大衆娯楽
高校生にもなって、おもらし、そんな想い出の連続です。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

処理中です...