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ゴブリン殲滅編
興奮した聖女様が一人きりになってすること
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「はぁ~っ……終わった~……」
黒幕の中で一人きりになって、大きく伸びをしながら息を吐く。
治癒の祈祷そのものによる疲労と、兵士たちからの信仰を受け続けたことによる疲労。
兵士につられて興奮した身体は体力を余計に消費してしまって、ゴブリン討伐よりも疲れたような気さえする。
それでも、討伐に参加した延べ30名の兵士たちへの祈祷をなんとか終えることができた。
一時は理性を手放してしまいそうになったけれども、何とか一線を越えることなく、秘密もバレることなく終えることができた。
「ふぅ…………」
祝福の最中に何度興奮を漏らしてしまいそうになったかわからない。
今だって、身体の中に溜まった興奮が外に飛び出したがっている。
本当だったらすぐにでも自室に戻りたい。
一人きりの誰にも見られない部屋に籠りたい。
でもまだお勤めは終わっていない。
兵士たちへの祝福は終わったけれども、兵士長が聖女からのとびきりの祝福を待っている。
ゴブリン討伐において活躍し、ボクの命まで救ってくれた彼を放っておくなんて許されない。
彼自身は気を遣ってくれるだろうけれど、ボク自身が許せない。
「でも……休憩くらいだったら……」
こんな疲れている状態では万全の祝福なんて行えっこない。
こんな興奮していては秘密を隠しておくのも難しい。
休憩くらいの時間だったら。
すぐに終わらせてしまえば、何も問題は……きっと、ないはず。
「…………っ」
手近にあったタオルを手に取る。
未使用ではあるものの、この兵舎で管理されているせいで匂いが染みついてしまっているタオルを両手で持つ。
このタオルを顔に持っていくことは何もおかしいことじゃない。
だって額の汗を拭って休憩するだけなんだから。
鼻先に当てて深呼吸していたって、何もおかしくなんてない。
「――~~っ♡」
兵舎に漂う空気よりは濃い。
兵士たちから直接嗅ぐよりはずっと薄い。
でも人目を気にせずに、遠慮なく嗅ぐことができる。
それが、すごく良い。
「ふっ♡ ふっ♡ ――っ♡ ――っ♡ ふーっ♡」
みっともなく鼻を鳴らしても、誰も聞いていない。
タオルに染みついた匂いなんかに屈服してしまっていても、誰も見ていない。
匂いを嗅いでいるだけで、先ほどまでの屈強な雄に抱擁されていた時の感覚が戻ってくる。
こんな薄いタオルを鼻に押し当てているだけで、全身を包まれているように錯覚してしまう。
「はーっ♡ はーっ♡ は、早くしないと……っ♡」
このままずっと嗅いでいたい。
そんな本能を理性で押さえつけて、タオルをもう一つ手に取る。
このタオルにも、きっと取れなくなってしまった雄の匂いがこびりついている。
こっちは嗅ぐわけではないけれども、その事実がとても捗る。
だって、彼らの匂いがするもので握るということは、彼らに握られているということで――
「はっ……ふっ……ご、ごめんなさい……ずっと隠しててごめんなさい……ボク、本当は……みなさんが思ってくれているような聖女じゃなくて……んぅっ……あっ、あっ、ゆ、赦してくれるんですか? こ、こんなボクのこと、信仰して、くれるんですか……うっ、嬉しいです……うっ、嬉しくてっ、も、もう……いっ、いいですか? うっ、受け止めてくれますかっ……?」
彼らとのやり取りは妄想だけど、修道服の下に潜り込ませたタオルは本物だ。
このまま興奮が迸ってしまっても、兵舎を汚すことは無い。
こんなにも雄臭いのだから、少しくらいボクの匂いが混ざっても気づかれるはずもない。
「はーっ、はーっ、で、出ます……出ちゃいます……。み、みんなに向かって、ボ、ボクのがっ……で、出るっ……でるでるでるでるでるぅっ――」
「聖女様」
「ひゃわあぁぁっ!!??」
黒幕の中で一人きりになって、大きく伸びをしながら息を吐く。
治癒の祈祷そのものによる疲労と、兵士たちからの信仰を受け続けたことによる疲労。
兵士につられて興奮した身体は体力を余計に消費してしまって、ゴブリン討伐よりも疲れたような気さえする。
それでも、討伐に参加した延べ30名の兵士たちへの祈祷をなんとか終えることができた。
一時は理性を手放してしまいそうになったけれども、何とか一線を越えることなく、秘密もバレることなく終えることができた。
「ふぅ…………」
祝福の最中に何度興奮を漏らしてしまいそうになったかわからない。
今だって、身体の中に溜まった興奮が外に飛び出したがっている。
本当だったらすぐにでも自室に戻りたい。
一人きりの誰にも見られない部屋に籠りたい。
でもまだお勤めは終わっていない。
兵士たちへの祝福は終わったけれども、兵士長が聖女からのとびきりの祝福を待っている。
ゴブリン討伐において活躍し、ボクの命まで救ってくれた彼を放っておくなんて許されない。
彼自身は気を遣ってくれるだろうけれど、ボク自身が許せない。
「でも……休憩くらいだったら……」
こんな疲れている状態では万全の祝福なんて行えっこない。
こんな興奮していては秘密を隠しておくのも難しい。
休憩くらいの時間だったら。
すぐに終わらせてしまえば、何も問題は……きっと、ないはず。
「…………っ」
手近にあったタオルを手に取る。
未使用ではあるものの、この兵舎で管理されているせいで匂いが染みついてしまっているタオルを両手で持つ。
このタオルを顔に持っていくことは何もおかしいことじゃない。
だって額の汗を拭って休憩するだけなんだから。
鼻先に当てて深呼吸していたって、何もおかしくなんてない。
「――~~っ♡」
兵舎に漂う空気よりは濃い。
兵士たちから直接嗅ぐよりはずっと薄い。
でも人目を気にせずに、遠慮なく嗅ぐことができる。
それが、すごく良い。
「ふっ♡ ふっ♡ ――っ♡ ――っ♡ ふーっ♡」
みっともなく鼻を鳴らしても、誰も聞いていない。
タオルに染みついた匂いなんかに屈服してしまっていても、誰も見ていない。
匂いを嗅いでいるだけで、先ほどまでの屈強な雄に抱擁されていた時の感覚が戻ってくる。
こんな薄いタオルを鼻に押し当てているだけで、全身を包まれているように錯覚してしまう。
「はーっ♡ はーっ♡ は、早くしないと……っ♡」
このままずっと嗅いでいたい。
そんな本能を理性で押さえつけて、タオルをもう一つ手に取る。
このタオルにも、きっと取れなくなってしまった雄の匂いがこびりついている。
こっちは嗅ぐわけではないけれども、その事実がとても捗る。
だって、彼らの匂いがするもので握るということは、彼らに握られているということで――
「はっ……ふっ……ご、ごめんなさい……ずっと隠しててごめんなさい……ボク、本当は……みなさんが思ってくれているような聖女じゃなくて……んぅっ……あっ、あっ、ゆ、赦してくれるんですか? こ、こんなボクのこと、信仰して、くれるんですか……うっ、嬉しいです……うっ、嬉しくてっ、も、もう……いっ、いいですか? うっ、受け止めてくれますかっ……?」
彼らとのやり取りは妄想だけど、修道服の下に潜り込ませたタオルは本物だ。
このまま興奮が迸ってしまっても、兵舎を汚すことは無い。
こんなにも雄臭いのだから、少しくらいボクの匂いが混ざっても気づかれるはずもない。
「はーっ、はーっ、で、出ます……出ちゃいます……。み、みんなに向かって、ボ、ボクのがっ……で、出るっ……でるでるでるでるでるぅっ――」
「聖女様」
「ひゃわあぁぁっ!!??」
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