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ゴブリン殲滅編
この町で最も愛される者
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「今ここは、ボクと貴方だけの場所です。この時間はボクと貴方だけの空間です。それなのに……貴方は、ボクのことなんて無視して、フェル様のことばかりで……」
「いっ、いえ、聖女様を無視だなんて、私にはそのような意図は全くなくてですね……」
「それなら、今はボクだけを見て欲しいです……ボクだけを見て、ボクだけのことを考えて欲しいです……」
我ながら、なんて強欲なんだろう。
彼の瞳に宿る信仰心が大きくなるほどに、もっと、もっと、と心が喚きたててくる。
父親の子を思う気持ちが強いほどに。
それよりももっと強い信仰が欲しくなってしまう。
皆を騙しているのに。
引け目を感じて、いつバレるかと恐れているのに。
同じくらいに、ボクは愛してもらいたくて堪らない。
皆に信仰を注いでもらうほど、心と体が渇いて疼いて仕方がない。
「それに……そんな遠慮していたら、後で後悔してしまうかもしれないんですよ?」
「後悔ですか……?」
「そうですよ……だって――」
「っ!?」
首に両腕を回して、その耳に唇を寄せる。
目の前の耳が赤く色づく様が、とてつもなく愛おしい。
「ボクがフェル様を祝福する日が来たら、今度は貴方が嫉妬する番になっちゃうんですよ?」
「えっ……?」
「兵士の皆様にさせていただいている、この治癒の祝福……貴方も知っての通り羨む方も多い儀式です。でも……町に大きく貢献した方に送る祝福はもっと凄いって……ご存知ですよね?」
「うっ……」
「抱擁に嫉妬していたことなんて、すぐに忘れてしまうくらい……聖女であるボクとしても、一生忘れられないくらいに、凄いんです……思い出しただけでも、こんなに……んっ」
「っ!?」
思わず吐息が漏れてしまった。
彼の真っ赤な耳に熱の籠った息を吹きかけ、艶のある声を聞かせてしまった。
でもそのおかげで、彼の全身に力が入ったようだ。
筋肉を膨張させて、隅々まで血を漲らせて、その先端まで硬くなっている。
「す、すみません……貴方とふたりきりの時間なのに、思い出に浸るなんて失礼ですよね……。でも、先にいじわるしてきたのは貴方の方だから、おあいこでしょうか……ふふっ」
「ぐっ、ぐぅっ……」
「それで、どうされますかベルス様。先ほどの宣言通り、このまま祝福を受けずに帰ってしまってもいいんですか? フェル様のことを想いながら、ボクからのとびきりの祝福を受けるフェル様のために、引かなくてもいい身を引いてしまうのですか?」
「っ……し、しかしっ、ふぇっ、フェルっ……っ」
「フェル様を信じてあげてください。そして、娘に嫉妬なんてしなくても済むように、今ここでたくさんボクからの祝福を受け取ってください……ね?」
「~~っ、す、すまない、フェルっ……!」
「あっ――はぁっ……っ」
ずっと待ち侘びていた刺激をようやく貰えて、全身が喜びで打ち震える。
その力強さは、まるで娘への思いの強さを示すかのようで。
娘への思いが聖女への信仰に屈したことを表すかのようで。
今この瞬間だけは、フェル様よりもボクの方が大切だと宣言されているかのようで。
「はっ……はっ……ふっ、っ~~」
こんなことで満たされてはいけないのだと、理性ではわかっているのだけれども。
兵士たちからの信仰を注がれ続けた体が――
娘への愛情を見せつけられて焦らされた心が――
――勝手に悦んでしまって、もうどうしようもなかった。
「いっ、いえ、聖女様を無視だなんて、私にはそのような意図は全くなくてですね……」
「それなら、今はボクだけを見て欲しいです……ボクだけを見て、ボクだけのことを考えて欲しいです……」
我ながら、なんて強欲なんだろう。
彼の瞳に宿る信仰心が大きくなるほどに、もっと、もっと、と心が喚きたててくる。
父親の子を思う気持ちが強いほどに。
それよりももっと強い信仰が欲しくなってしまう。
皆を騙しているのに。
引け目を感じて、いつバレるかと恐れているのに。
同じくらいに、ボクは愛してもらいたくて堪らない。
皆に信仰を注いでもらうほど、心と体が渇いて疼いて仕方がない。
「それに……そんな遠慮していたら、後で後悔してしまうかもしれないんですよ?」
「後悔ですか……?」
「そうですよ……だって――」
「っ!?」
首に両腕を回して、その耳に唇を寄せる。
目の前の耳が赤く色づく様が、とてつもなく愛おしい。
「ボクがフェル様を祝福する日が来たら、今度は貴方が嫉妬する番になっちゃうんですよ?」
「えっ……?」
「兵士の皆様にさせていただいている、この治癒の祝福……貴方も知っての通り羨む方も多い儀式です。でも……町に大きく貢献した方に送る祝福はもっと凄いって……ご存知ですよね?」
「うっ……」
「抱擁に嫉妬していたことなんて、すぐに忘れてしまうくらい……聖女であるボクとしても、一生忘れられないくらいに、凄いんです……思い出しただけでも、こんなに……んっ」
「っ!?」
思わず吐息が漏れてしまった。
彼の真っ赤な耳に熱の籠った息を吹きかけ、艶のある声を聞かせてしまった。
でもそのおかげで、彼の全身に力が入ったようだ。
筋肉を膨張させて、隅々まで血を漲らせて、その先端まで硬くなっている。
「す、すみません……貴方とふたりきりの時間なのに、思い出に浸るなんて失礼ですよね……。でも、先にいじわるしてきたのは貴方の方だから、おあいこでしょうか……ふふっ」
「ぐっ、ぐぅっ……」
「それで、どうされますかベルス様。先ほどの宣言通り、このまま祝福を受けずに帰ってしまってもいいんですか? フェル様のことを想いながら、ボクからのとびきりの祝福を受けるフェル様のために、引かなくてもいい身を引いてしまうのですか?」
「っ……し、しかしっ、ふぇっ、フェルっ……っ」
「フェル様を信じてあげてください。そして、娘に嫉妬なんてしなくても済むように、今ここでたくさんボクからの祝福を受け取ってください……ね?」
「~~っ、す、すまない、フェルっ……!」
「あっ――はぁっ……っ」
ずっと待ち侘びていた刺激をようやく貰えて、全身が喜びで打ち震える。
その力強さは、まるで娘への思いの強さを示すかのようで。
娘への思いが聖女への信仰に屈したことを表すかのようで。
今この瞬間だけは、フェル様よりもボクの方が大切だと宣言されているかのようで。
「はっ……はっ……ふっ、っ~~」
こんなことで満たされてはいけないのだと、理性ではわかっているのだけれども。
兵士たちからの信仰を注がれ続けた体が――
娘への愛情を見せつけられて焦らされた心が――
――勝手に悦んでしまって、もうどうしようもなかった。
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