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追及偏
拘束されました
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「つっ、ツキさん……これは、いったい……?」
状況が飲み込めない。
ツキはフラれたのだから、いつまでもフった男が目の前に居るのは精神衛生上良くない。
そしてベッドインもしないのであれば、ふたりでベッドに居る理由もない。
だからツキに退いて欲しいと懇願されて、その言葉に甘えるままに体を退けた。
フるつもりはなかったけれども。
だからといって同性を抱くこともできなくて。
どことなく気まずい思いで、体を退けた勢いでそのままツキに背を向けた。
多分、それが一番の問題だった。
目を逸らすのは臭い物に蓋をするのと同じ心理であって、
それはツキに対して失礼にあたる行為であって――
なにより、背後を見せなければきっとこうはならなかった。
ツキが同性であろうとも体格は勝っているのだから、もっと抵抗ができたはずだった。
背中を見せた途端に、背後から羽交い絞めにされて体重をかけられた。
それは抵抗も許されないくらいの早業で。
受け身を取ることもできずに顔からベッドに倒れ込むことになって。
そして、痛みに顔をしかめてる間に両手はベルトで拘束されてしまい、あっという間にまな板の上の鯉だ。
首を頑張って捻っても、背中に馬乗りになっているツキの顔を見ることもできない。
できることと言えば、ご機嫌を窺うように弱々しい声でツキの名前を呼ぶことだけで――
「~~♪ ~~♪ ~~♪♡」
ツキは死にかけの鯉からの呼びかけなんて無視して、
流行りの歌をご機嫌に口ずさみながら、
ネクタイで足を拘束するのに夢中だった。
確かこの歌は、セックスに落ちていく女性を暗示しているくせに、やけにポップなことで有名な曲じゃなかっただろうか。
「よしっと……どうですか、アキラさん。逃げられそうですか?」
「……いえ、まったく」
両手両足がそれぞれ縛られて、ちょっとやそっとでは解けそうもない。
このままではツキが眠ったとしても移動するには転がるしかなくて、部屋の扉を開けることもできそうにない。
「あははっ♡ イモ虫さんみたいですよ、アキラさん♡」
「…………」
人を拘束しておいて、ツキはなんとも上機嫌で楽し気だった。
それとも、拘束できたからこそ満足気なのだろうか。
結局、昨日から見てきたツキは全て嘘だったのだろう。
可愛いと褒めたら照れていたのも――
カルーアミルクを美味しいと言ったら嬉しそうだったのも――
この様子だと自分と出会うまで処女だったというのも――
もしかしたら着替えを見てしまったときの動揺さえも――
全て、ツキの演技だった。
「っ……」
自分が情けない。
ヨシミの助言すらも無駄にしてしまった。
「えへへっ……アキラさーん♡」
「うぐっ!」
背中にツキがのしかかってきた。
「えへへー、今どんなお気持ちですか?」
「……お金ならありませんよ」
「お金?」
「うちの会社は給料安いですし、貯蓄もそんなありませんから。脅迫されても、払えるのは精々2,30万です。それ以上を望むのであれば、どんな弱味を握られても警察に駆け込みます」
「……♡ それは怖いですねー。それじゃあ、別の物をいただくことにしちゃおうかなー?」
「無駄ですよ。現金だけじゃなくて、そもそも資産が無いんですから」
「えへへっ……あるじゃないですか。ここに、アキラさんのとっておきが……♡」
「?」
ツキの硬くなったモノが、体に押し当てられた。
それはバスローブの上を這って――
隙間から中に入り込んで――
「っ!?」
そして、お尻に硬いモノが当たったところで動きを止めた。
「アキラさんの処女……いただいちゃいますね♡」
状況が飲み込めない。
ツキはフラれたのだから、いつまでもフった男が目の前に居るのは精神衛生上良くない。
そしてベッドインもしないのであれば、ふたりでベッドに居る理由もない。
だからツキに退いて欲しいと懇願されて、その言葉に甘えるままに体を退けた。
フるつもりはなかったけれども。
だからといって同性を抱くこともできなくて。
どことなく気まずい思いで、体を退けた勢いでそのままツキに背を向けた。
多分、それが一番の問題だった。
目を逸らすのは臭い物に蓋をするのと同じ心理であって、
それはツキに対して失礼にあたる行為であって――
なにより、背後を見せなければきっとこうはならなかった。
ツキが同性であろうとも体格は勝っているのだから、もっと抵抗ができたはずだった。
背中を見せた途端に、背後から羽交い絞めにされて体重をかけられた。
それは抵抗も許されないくらいの早業で。
受け身を取ることもできずに顔からベッドに倒れ込むことになって。
そして、痛みに顔をしかめてる間に両手はベルトで拘束されてしまい、あっという間にまな板の上の鯉だ。
首を頑張って捻っても、背中に馬乗りになっているツキの顔を見ることもできない。
できることと言えば、ご機嫌を窺うように弱々しい声でツキの名前を呼ぶことだけで――
「~~♪ ~~♪ ~~♪♡」
ツキは死にかけの鯉からの呼びかけなんて無視して、
流行りの歌をご機嫌に口ずさみながら、
ネクタイで足を拘束するのに夢中だった。
確かこの歌は、セックスに落ちていく女性を暗示しているくせに、やけにポップなことで有名な曲じゃなかっただろうか。
「よしっと……どうですか、アキラさん。逃げられそうですか?」
「……いえ、まったく」
両手両足がそれぞれ縛られて、ちょっとやそっとでは解けそうもない。
このままではツキが眠ったとしても移動するには転がるしかなくて、部屋の扉を開けることもできそうにない。
「あははっ♡ イモ虫さんみたいですよ、アキラさん♡」
「…………」
人を拘束しておいて、ツキはなんとも上機嫌で楽し気だった。
それとも、拘束できたからこそ満足気なのだろうか。
結局、昨日から見てきたツキは全て嘘だったのだろう。
可愛いと褒めたら照れていたのも――
カルーアミルクを美味しいと言ったら嬉しそうだったのも――
この様子だと自分と出会うまで処女だったというのも――
もしかしたら着替えを見てしまったときの動揺さえも――
全て、ツキの演技だった。
「っ……」
自分が情けない。
ヨシミの助言すらも無駄にしてしまった。
「えへへっ……アキラさーん♡」
「うぐっ!」
背中にツキがのしかかってきた。
「えへへー、今どんなお気持ちですか?」
「……お金ならありませんよ」
「お金?」
「うちの会社は給料安いですし、貯蓄もそんなありませんから。脅迫されても、払えるのは精々2,30万です。それ以上を望むのであれば、どんな弱味を握られても警察に駆け込みます」
「……♡ それは怖いですねー。それじゃあ、別の物をいただくことにしちゃおうかなー?」
「無駄ですよ。現金だけじゃなくて、そもそも資産が無いんですから」
「えへへっ……あるじゃないですか。ここに、アキラさんのとっておきが……♡」
「?」
ツキの硬くなったモノが、体に押し当てられた。
それはバスローブの上を這って――
隙間から中に入り込んで――
「っ!?」
そして、お尻に硬いモノが当たったところで動きを止めた。
「アキラさんの処女……いただいちゃいますね♡」
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