13 / 46
幕間 聖剣
しおりを挟む
魔王で且つ俺の恋人であるアンラが率いるシャイタンが軍をあげてアーリア王国に向かって出発する少し前の話。
俺とアンラはいつも楽しく話をしながら城内を歩いたり、街にでて散歩をしたりする。
「うーん、 今日もいい天気ね!」
「大通りがいつもより盛り上がっているけど、なんかあるのか?」
「今日はノウルーズっていって、シャイタン全体が休日なの」
なるほど、この国独特の暦の休日なのか。
酒を買う者や食材を大量に購入する者まで、そして出店がたくさん並んでいる。
「今日の城内の夕食はとっても豪華よ!」
相当楽しみらしく目を輝かせ、ヨダレを垂らしている。
「最近思ったことだけど、アンラって結構大食いだよね」
「―――! な、なによ……悪い?」
「いや悪くないけど、よくあれだけ食べてその細い体を保ってるよな」
「―――そ、そう?」
何故か照れているアンラ。
別に褒めたつもりは無いが照れた顔が可愛いので良しとしよう。
「あ、そうそう。わたしも最初から気になっているんだけど」
「なんだ?」
「ルーカスが持っている聖剣が気になってたの」
「あーこれか?」
俺は腰にかけている鞘から聖剣を抜いた。
日の光が反射して聖剣の刃がギラりと光る。
「えっ? これ本当に聖剣なの?」
「そうだよ」
「な、なんか思ってたのと違う……」
みんなが想像する聖剣は、多分柄の部分が芸術的な感じで、先端が鋭く尖った大きい刃を持っているみたいなのだと思うが、俺の持っている聖剣は異型なのだ。
「先端が丸い!?」
まず目に入る部分が剣の先端が丸くなっていること。
さきほど言った通り先端が尖っているのが普通だ。
「先端が尖っていれば殺傷力はある。だけど作ってもらう時に誰も持ってなさそうなのが欲しかったんだ」
「え、作ってもらったって言った今?」
「あぁ」
「じ、じゃあ聖剣って言われてるのは肩書きみたいなものなの!?」
「大正解」
「―――なんかガッカリした」
本気で落ち込まれた。
でもこれは仕方がない。
聖剣って聞いたらダンジョンとかに埋まってたり刺さってたりする伝説の剣だって想像するに決まってる。
反論はしなかった。
「ふーん……でもルーカスもあるんだね」
「なにが?」
「これ欲しいなっていう欲望」
「さすがにあるでしょ……」
人間だからあるに決まってる。
てか、今までアンラは俺のことを欲望のない男だと思われてたのか……。
もちろん、アンラとあんなことやこんなことしたいって気持ち―――ゲッホゲホゲホ!
でもアンラには聖剣を見せておこうと思ってたから良かったな。
街には正午を知らせる鐘が鳴り響いた。
鐘が鳴る方へ向くと、黒城がシャイタンを見守るようにそびえ立っている。
「ルーカス」
「ん?」
「どこかのレストランで何か食べよう?」
「いいね!」
俺とアンラは手を繋ぎ、指を絡ませるとアンラがおすすめだという食堂へ向かった。
今日もシャイタンは平和でたくさんの人で賑わっている。
俺とアンラはいつも楽しく話をしながら城内を歩いたり、街にでて散歩をしたりする。
「うーん、 今日もいい天気ね!」
「大通りがいつもより盛り上がっているけど、なんかあるのか?」
「今日はノウルーズっていって、シャイタン全体が休日なの」
なるほど、この国独特の暦の休日なのか。
酒を買う者や食材を大量に購入する者まで、そして出店がたくさん並んでいる。
「今日の城内の夕食はとっても豪華よ!」
相当楽しみらしく目を輝かせ、ヨダレを垂らしている。
「最近思ったことだけど、アンラって結構大食いだよね」
「―――! な、なによ……悪い?」
「いや悪くないけど、よくあれだけ食べてその細い体を保ってるよな」
「―――そ、そう?」
何故か照れているアンラ。
別に褒めたつもりは無いが照れた顔が可愛いので良しとしよう。
「あ、そうそう。わたしも最初から気になっているんだけど」
「なんだ?」
「ルーカスが持っている聖剣が気になってたの」
「あーこれか?」
俺は腰にかけている鞘から聖剣を抜いた。
日の光が反射して聖剣の刃がギラりと光る。
「えっ? これ本当に聖剣なの?」
「そうだよ」
「な、なんか思ってたのと違う……」
みんなが想像する聖剣は、多分柄の部分が芸術的な感じで、先端が鋭く尖った大きい刃を持っているみたいなのだと思うが、俺の持っている聖剣は異型なのだ。
「先端が丸い!?」
まず目に入る部分が剣の先端が丸くなっていること。
さきほど言った通り先端が尖っているのが普通だ。
「先端が尖っていれば殺傷力はある。だけど作ってもらう時に誰も持ってなさそうなのが欲しかったんだ」
「え、作ってもらったって言った今?」
「あぁ」
「じ、じゃあ聖剣って言われてるのは肩書きみたいなものなの!?」
「大正解」
「―――なんかガッカリした」
本気で落ち込まれた。
でもこれは仕方がない。
聖剣って聞いたらダンジョンとかに埋まってたり刺さってたりする伝説の剣だって想像するに決まってる。
反論はしなかった。
「ふーん……でもルーカスもあるんだね」
「なにが?」
「これ欲しいなっていう欲望」
「さすがにあるでしょ……」
人間だからあるに決まってる。
てか、今までアンラは俺のことを欲望のない男だと思われてたのか……。
もちろん、アンラとあんなことやこんなことしたいって気持ち―――ゲッホゲホゲホ!
でもアンラには聖剣を見せておこうと思ってたから良かったな。
街には正午を知らせる鐘が鳴り響いた。
鐘が鳴る方へ向くと、黒城がシャイタンを見守るようにそびえ立っている。
「ルーカス」
「ん?」
「どこかのレストランで何か食べよう?」
「いいね!」
俺とアンラは手を繋ぎ、指を絡ませるとアンラがおすすめだという食堂へ向かった。
今日もシャイタンは平和でたくさんの人で賑わっている。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる