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第2話 魔王の告白
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聞き間違えか?
いや、聞き間違いではないみたいだ。
だって俺の目の前にいるのはめちゃくちゃ目を輝かせている魔王がいるのだから。
「えっと……」
「わたしずっとお会いしたかったんです!」
「そ、そうなんですか?」
「だって、あなたはモンスターや魔族たちと対立したくないんですよね?」
「え、どこからその情報を得たんですか?」
「あなたが言っていたんですよ?」
魔王によると、俺が気を失っているところを偶然通りかかったモンスターが、シャイタンへ俺を運んでいる時に、俺がそう言ったのだそうだ。
その時の記憶が無いので、たぶん意識が朦朧としてる時に発したのだろう。
「なるほどそうでしたか……。
確かにその通りでございます。
アーリア王国は今、この国を滅ぼすため魔王討伐を試みています。
しかし、俺はその行動にずっと批判していたんです。
だって、モンスターや魔族たちは別に人間に被害を及ぼそうとしてないじゃないですか」
これは嘘ではなく本当に思っている事だ。
人間はモンスターに対して恐怖心を持っているから、滅ぼそうとする。
逆にモンスター側は別に人間を滅ぼそうなんて全く思っていない。
俺がまだ聖帝をやっていた時に狂獣の森に行った際、モンスターを見かけた。
俺はただレベルアップを図っていただけで、強いモンスターを標的にしていた。
見かけたモンスターは俺の標的ではなかっから、武器は取らなかった。
モンスターは最初は警戒していたが、俺が戦わないと分かると、そのままどこかへ行ってしまった。
もし、人間を滅ぼそうとするなら、お構いなく斬り捨てることだろう。
いや、人間の国を滅ぼし、人間を絶滅に追いやるに決まってる。
でも、モンスターや魔族たちは人間の国に攻め込んだことなど、歴史書にすら載っていないのにも関わらず、人間は常にモンスターや魔族たちに敵対心を持っているのだ。
「あなたはホントに変わった人ですね。
今まで捕らえた人間は、全てわたし達の事に敵対心を持つ者でした。
でも、あなたは違う。
最初はその言葉を疑っていました。
わたし達を騙すのではないかと」
その気持ちは俺にも理解できる。
モンスターや魔族に敵対心を持つ人間を信じることなんて簡単には出来ないだろう。
「でも、実際は違いました。
嘘をついているようには全く見えなかったんです」
俺は性格上、嘘をつくことほとんどないからなぁ。
俺が喋ることは全部本心だから、たまに他人を傷つけてしまったことなど、しょっちゅうあった。
「そして、わたしはあなたに一目惚れしてしまったんです!」
まさかの爆発宣言!
いやいや、相手はあの魔王だぞ?
俺みたいな人間に一目惚れとか大丈夫なのか?
「だからお願いです!
わたしのそばに居てもらえませんか!」
「えぇ……」
魔王が俺の腕を掴んできて、告白宣言!
なんだこの状況は!
いや、聞き間違いではないみたいだ。
だって俺の目の前にいるのはめちゃくちゃ目を輝かせている魔王がいるのだから。
「えっと……」
「わたしずっとお会いしたかったんです!」
「そ、そうなんですか?」
「だって、あなたはモンスターや魔族たちと対立したくないんですよね?」
「え、どこからその情報を得たんですか?」
「あなたが言っていたんですよ?」
魔王によると、俺が気を失っているところを偶然通りかかったモンスターが、シャイタンへ俺を運んでいる時に、俺がそう言ったのだそうだ。
その時の記憶が無いので、たぶん意識が朦朧としてる時に発したのだろう。
「なるほどそうでしたか……。
確かにその通りでございます。
アーリア王国は今、この国を滅ぼすため魔王討伐を試みています。
しかし、俺はその行動にずっと批判していたんです。
だって、モンスターや魔族たちは別に人間に被害を及ぼそうとしてないじゃないですか」
これは嘘ではなく本当に思っている事だ。
人間はモンスターに対して恐怖心を持っているから、滅ぼそうとする。
逆にモンスター側は別に人間を滅ぼそうなんて全く思っていない。
俺がまだ聖帝をやっていた時に狂獣の森に行った際、モンスターを見かけた。
俺はただレベルアップを図っていただけで、強いモンスターを標的にしていた。
見かけたモンスターは俺の標的ではなかっから、武器は取らなかった。
モンスターは最初は警戒していたが、俺が戦わないと分かると、そのままどこかへ行ってしまった。
もし、人間を滅ぼそうとするなら、お構いなく斬り捨てることだろう。
いや、人間の国を滅ぼし、人間を絶滅に追いやるに決まってる。
でも、モンスターや魔族たちは人間の国に攻め込んだことなど、歴史書にすら載っていないのにも関わらず、人間は常にモンスターや魔族たちに敵対心を持っているのだ。
「あなたはホントに変わった人ですね。
今まで捕らえた人間は、全てわたし達の事に敵対心を持つ者でした。
でも、あなたは違う。
最初はその言葉を疑っていました。
わたし達を騙すのではないかと」
その気持ちは俺にも理解できる。
モンスターや魔族に敵対心を持つ人間を信じることなんて簡単には出来ないだろう。
「でも、実際は違いました。
嘘をついているようには全く見えなかったんです」
俺は性格上、嘘をつくことほとんどないからなぁ。
俺が喋ることは全部本心だから、たまに他人を傷つけてしまったことなど、しょっちゅうあった。
「そして、わたしはあなたに一目惚れしてしまったんです!」
まさかの爆発宣言!
いやいや、相手はあの魔王だぞ?
俺みたいな人間に一目惚れとか大丈夫なのか?
「だからお願いです!
わたしのそばに居てもらえませんか!」
「えぇ……」
魔王が俺の腕を掴んできて、告白宣言!
なんだこの状況は!
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