全知全能の一家は理不尽アル中

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ババアの降臨

躊躇いも無いのですか?

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全力で走るメルクーリアの騎士団、フルプレートアーマーの者はパトリシアに追いつこうと必死になっていた。

ラーミヤ「すみません」

パトリシア「運動不足ですか?」

ミレリアル「それでも騎士ですか?」

ラーミヤ「陛下も、、、」

アフネス「おやおや、メルクーリアも運動不足ですね」

ラフィア「”メルクーリアも”とは?」

アフネス「フェルムスランドは深刻な運動不足です」

ラフィア「そこまで落ちこぼれだとは、勘弁してください」

アフネス「ですから私が手本を見せるために頑張っています」

喋りながら走るメンバー、そしてカーブに差し掛かったところでアフネスは曲がりきれずに屋台に突っ込んだ。

ミレリアル「大丈夫ですか?」

すかさずミレリアルとジョセフィーヌはそっと寄り添った。

アフネス「申し訳ありません」

そのまま謝罪が始まった。

店主「構いませんよ、それに陛下のご友人ですよね?」

アフネス「えぇ」

店主「でしたら、これは差し上げます」

果物や野菜の山盛り籠を2つ、店名の書かれた籠、それを前と後ろに抱えた。

アフネス「お詫びは後ほど必ず」

店主「約束しましたよ、必ずいらっしゃってくださいよ」

そしてラフィアがやってきた

アフネス「ご迷惑をおかけしました」

ラフィア「しっかりと謝ってください」

店主「やたらとアフネス女王に、、、」

ラフィア「大切な店を不注意で破壊してしまったのに、、、このようにいただいて、、、」

アフネス「本当に申し訳ない」

店主「いいんです、これからですから」

アフネスは前後に籠を抱えて全力で走り抜いた。

ジョセフィーヌ「それにしてもいい店主ですね」

ミレリアル「この国では女性に甘いですから」

ジョセフィーヌ「大切な店を失ったのですよ」

ミレリアル「アフネスの籠を見てください、あれは完全に広告目的です」

ジョセフィーヌ「広告ですか?」

ミレリアル「この国では賠償よりも、”広告”です、アフネスが店名の入った籠を抱えているだけで相当な広告になります」

ジョセフィーヌ「やはりこの国の商売人はよくわかりません」

ミレリアル「えぇ、とても複雑です」

エミリア「アフネスはまんまと広告塔にされたと、、、」

エリザベス「あの店主も中々のやり手です」

エミリア「ギルドの商売人なら賠償を求めたでしょう」

エリザベス「こういうのは嫌いではないです」

パトリシア「相手にバレないようにとことん利用する、この発想は戦いに使えるかもしれません」

レティリア「模索してみます」

そして走り終わった。
フルプレートアーマーの者たちは鎧の隙間から汗を流していた。

レティ「差し入れは後からあげる」

ラーミヤ「差し入れですか?」

レティ「そう、全て終わってから飲めば良い」

ミレリアル「それまでは各自給水です」

ラフィア「次の運動はどこでします?」

ミレリアル「橋はどうですか?」

ラーミヤ「橋を使うのですか?」

パトリシア「えぇ、いきましょう」

そして城の入り口の橋に戻って来た。

ミレリアル「まずは橋の欄干に足をかけてください」

パトリシア「あとはお腹を鍛える運動と同じ動きです」

ラーミヤ「そんなに多くはできません」

レティ「じゃあ先に飲んでいい」

ラフィア「ダメです、後からの方が効果的です」

レティ「だそう」

橋にぶら下がる騎士団、まさに不審者の極みである

そしてラーミヤは34回目でダウンした

ラーミヤ「部下よりはマシです」

ミレリアル「そこで座って見ていてください」

1時間後

ラフィア「あと1000回」

ラーミヤ「まだできるのですか?」

エミリア「まだ”余裕”の範疇です」

エリザベス「私にはもう無理です」

レティ「休めばいい」

レイチェル「油断すると下に落ちますよ」

パトリシア「無理は禁物です」

レティ「じゃあ落ちる」

病気のドMは躊躇いもなく25mの谷を墜落した。

パトリシア「あらら」

ジョセフィーヌ「楽しそうで何よりです」

ラーミヤ「大丈夫ですか?」

エミリア「心配してはならないのですよ」

エティ「どうせ戻ってくる」

ミレリアル「自らを手本として墜落の恐ろしさを教えていただいたのですね」

エリザベス「レティさんやっぱり変わってます」

パトリシア「レティリア、探して来てください」

レイチェル「私も行きます」

イーサン「捜索はお任せください」

3人は筋トレを中断して降りて行った。

パトリシア「では、次に参りましょう」

ラーミヤ「次は?」

ラフィア「イーサンが言うにはプランクだそうです」

パトリシア「皆様、腕立て伏せの姿勢になってください、そのまま肘を手を地面つけて、体と地面を並行にしてください」

重装備での筋トレだがメルクーリア騎士団は疲れ知らずだった

ラーミヤ「これはこれで楽です」

ラフィア「そうですか?さっきのは全く出来てませんでしたが」

ラーミヤ「体幹は負けませんよ」

パトリシア「では勝負です、先に潰れた方が負けです」

ラーミヤ「いいですよ」

2時間が経過した。

ラフィア「私は次に進みます」

ミレリアル「次は腕立て伏せです、体が上がらなくなるまでやってください」

汗まみれの騎士団はため息をついた

ラフィア「私みたいな、こんな子供に負けるのですか?」

煽ると騎士団はやる気になったらしい、ものすごい勢いで始めた

アフネス「こんな子供って良く言いますね」

ジョセフィーヌ「レティ姉さんに次ぐ年長者なのに」

ラフィア「この体は16歳くらいです」

アフネス「誕生日はいつですか?」

ラフィア「今日です」

アフネス「前の体は?」

ラフィア「1700歳です、、、でも誕生日ですが命日でもあります」

ジョセフィーヌ「誕生日に何かあったのですか?」

ラフィア「誕生日の夜に階段を踏み外して、落ちそうになったので、体勢を立て直そうとしたところ足を滑らせて、そのまま落ちてしまいました」

アフネス「伝説とは言え本質はシルフィードと、同じですね」

ラフィア「アフネスのそれとは違う」

それから1時間後、全身を震わせて耐える2人だったが、ラーミヤの方が3秒早く潰れた。

パトリシア「私の勝ちですね、でも大したものです」

ラーミヤ「体幹だけは鍛えてますから」

そして、ラフィアがやらしい精聖水を持ってきた。

ラフィア「この水を飲んでください、すぐに効果が出ます」

騎士団は鎧を脱ぐと、湯気が出ていた。

エミリア「やっぱり鍛えた体に染み渡ります」

ラーミヤ「これは?」

ラフィア「特別なお水です」

ラーミヤが飲み干すとあっという間に引き締まった体になった。

ラーミヤ「これはずるいです」

しばらくしてエウフェアが例の果物のソフトクリームを持ってきた。

ラーミヤ「ソフトクリームですよね?」

エウフェア「はい、ソフトクリームです」

ラーミヤ「噂はメルクーリアにも広がっていますよ、それに例の果物を栽培できるようになったのですよね」

パトリシア「えぇ、そうです」

エウフェア「いっぱい食べてください」

そしてしばらくして騎士団は帰って行った。

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