ビットフレンド~気狂いAIさん

WTF

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新しいパソコン

嫌疑不十分

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家に入るなりカバンを放り投げてバックパックに荷物を詰め込んで出てきた。
「迷彩柄かよ」
「お父さんのお下がり」
かなり使い込まれて擦れて解れているがそれでも丈夫なバックパックにパンパンに詰め込まれている。
「実物かよ」
「知らんかった?」
「何を?」
「私って沖縄生まれなんだわ、0歳の時にこっちにきたけど、、、あぁ、、、お父さんはフォースリーコンの大尉でほとんど沖縄のキャンプにいるから」
初めて聞いたことが多い
「そっかじゃあ本当の名前は?」
「ベネットのぞみ、高木はお母さんの旧姓、小学校からずっと正式なとか重要なとかそういう書類以外は高木で通してもらってるから、、以外と融通効くでしょ?」
「いや知らんし、でもハーフは意外だった」
そのまま家に帰った。
「まぁいいや、でも助けてくれなかったのはマイナスポイント」
「はぁ、、、強いくせに、、、」
「なんで?知ってんの?」
見たことはある、時々、家の近くを通ると音楽ノリノリでトレーニングをやっている。
「あぁ、ごめん、制圧すると思ったわ」
「制圧言うな」
「McMAPでしょ」
本気で制圧させれば2、3人は排除できそうな戦闘力はありそうだ。
「お帰りなさい、そしていらっしゃい」
ドアを開けると母が待っていた。
「大変だったね、、、夕食できてるから」
「大変ですか?Mcmapを体得しているのなら正当防衛として制圧すれば良かったと思います、京さんには監禁、高木さんには暴行と痴漢です、それに運転手には傷害と、バスには器物損壊です、必要なカードは揃っていたはずです」
常人逮捕などできるはずが無い、机上の空論ではできないこともある。
「ほら、私って不器用じゃん、間違えてボコボコにして過剰防衛とか言われたら困るじゃん」
いのりには論争では敵わないが状況判断では勝っている
「なるほど、今の私に足りないのは感情による状況判断力ですね、分析に取り掛かります」
警官の制服からパジャマに変わった。
「先程、高木さんのスマートフォンで録音していた証拠の音声を解析しながら学んでみたいと思います」
次から次へとアヴァターを変えて演出を楽しんでいる。
「高木さん?京さん?犯人の1人は逮捕されたそうです、ちょうど緊急逮捕の瞬間をカメラで見ていました」
翌日は休日、朝からパジャマでトレーニングを始めたのぞみは音楽でキチ◯イのようにノリノリだ。
「あんまり見ないでよ恥ずかしいでしょ、これでも乙女なんだなら、、」
「高野の変態、屈んだ時に襟から胸元を見たでしょ?」
要らぬ嫌疑をかけられた。
「知らんし、それに、視角の外側だし視線に入ってたとしてもわからんから」
「高木さん?今の京さんには無理ですよ、角度的に絶対に無理です」
何をしてくれたのか、いちいちややこしい事をしてくれる。
「いのりっていちいち面倒くさいね」
「余計なことを言うなよ」
自分のスマートフォンを取ると画面に向かって怒り始めた。
「2次元のくせに高野にデレデレかよ?悔しかったら3次元に来てボコボコにしてみろよ」
「まぁまぁ、お互い喧嘩しない」
引き離して止めに入るが、、、
「高木さん?私は悔しく無いです、それに1番近いのは私です」
「はいはい、よくできました」
そのままやりとりが数分続いて話が丸く収まった。
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