小鳥遊医局長の恋

月胜 冬

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のびのびと過ごすふたり

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―――遅い夏休み。

とうとうやってきた2週間の休暇。ビジネスクラスに乗り、とうこの隣の席で小鳥遊たかなしが爆睡していた。

絶妙なタイミングで、冬と休みを重ねて来た。医局長が看護師の勤務状態を聞くのなんて容易いことだ。師長に聞けばすぐに休みの予定を教えてくれたらしい。

…職権濫用にも程がある。

小鳥遊は忙しい中で、宿泊するホテルやレンタカーなどの手配を全て自分でやってのけていた。

…その執念…底なしのエロ。

休みも殆ど無いのに、ここまで段取りが出来たことに感心すら覚えた。いつもはエコノミーだが、飛行機代を出すからと言われ渋々了承した。ホストファミリーには彼氏を連れていくと伝えた。

「僕はあなたの旦那さんということにして貰っても..結構ですよ。(きりっ)。」

旦那さん…と言う響きに一瞬ドキッとした。小鳥遊は別段深い意味を持った様子も無くさらっと言ってのけた。

…寝ている姿は…カッコいいのにな。

本人に言うと、嬉しそうにするだろうから絶対に言わないが“知性がにじみ出ている顔立ち”だ。

ホストファミリーの家にはほぼ毎年行っていた。彼らは、30を超えている冬に、いつまでも彼氏が出来ないことを心配した。

ーーー 2週間前。

「ハイ。ジェス。私よ。」  

「トーコ!!」

「みんな元気?」

「今年も来るの。」

「うん…でさ…相談があるんだけど…。」

「嫌だ…怖い…何よ…。」

「今年は、私1人じゃ無くて、ボーイフレンド連れていくから。」

「OMG…ジェフ…大変よ…。(トーコが彼氏連れて来るって)」

「OMG! OMG!」
 
…本気の「Oh my God.」沢山頂きました。

「判ったわーみんなに言っとくから♪(ちょっとマイクにもメールしときましょう)。じゃあね!」

―――ガチャ。

…え?…あ…ちょっと…行く日にち言ってないんだけど?大丈夫?

最初の1週間はD.C、ホテルは確保しているが、残りはバージニア州に住むジェフ&ジェスの家で過ごす。

…そうなると…多分エッチが出来なくてDr.Erosは悶絶死するだろう。いいや…変態エロの事だ心配しなくても…大丈夫か。

後半はレンタカーを借りての移動の予定だった。

…なんかこの旅行は波乱万丈になる予感。


冬はため息が出た。

飛行機を乗り継ぎDCのホテルへ向かう。立地も良いし、兎に角部屋がゴージャスだった。冬は飛行機からラフな服装で、ホテルに入る時にも躊躇した。

「ここ泊ったことあるの?こんな高そうなところ…。」

…結構高いんだろうな。

冬は少し心配になった。海外には良く行くが、バックパッカー的な旅が多かったからだ。

「はい…随分前ですけれど…学会で。あなたは何も心配しなくて良いんです。」

小鳥遊は、慣れた手つきで荷解きをしていた。

「えー!学会って海外でもあるんですか?」

「はい…非常に稀ですが。慰安旅行みたいなものですね。」

小鳥遊は笑った。

部屋にはバラが飾られとても良い香りがした。お風呂を覗くと流石に小さくて、ふたりでは無理だった。

「ジェットラグが酷いので、今日はホテルで過ごします。」

そう言って小鳥遊はベッドに横になると5分もしないうちに寝息を立て始めた。

休み前にオペ2件でそのまま当直…で明けで渡米した。

…流石の絶倫でも、肉体的に厳しいよね。

長く濃いまつ毛、高い鼻どちらかと云えばヨーロピアンなはっきりとした顔立ちだ。

唇は薄く、キスはいつもミントの味がした。髭は薄すぎず、かといって剃り跡が気になるほど濃くも無い。暫く素敵な寝顔を眺めた。

…この寝顔。私だけのもの。

冬は寝ている小鳥遊の唇にそっとキスをした。夕飯までには帰りますとメモを残し,ひとりでホテルを出た。

ホテルを出るとラッシュで車がノロノロ運転だった。

…そっか…こちらは新学期だ。

それにしてもDCの交通渋滞は東京よりも酷い。地図を見ないでブラブラするのも楽しかった。2時間ほどウィンドーショッピングや、街を見て歩き、部屋に帰ると小鳥遊は未だに夢の中だった。

冬はシャワーを浴びてベッドの隣にそっと横になって、小鳥遊の素敵な寝顔を眺めつつ、明日の予定を考えていたが、冬もいつの間にか眠っていた。

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小鳥遊は目が覚めて、冬の寝顔を暫く静かに眺めていた。

冬は芯がしっかりしているうえに、美人…と言うよりも可愛らしかった。仕事ではいつも束ねられている髪は顔に少し掛かっていた。

指でそっと整えると、
…う…うん…

と言いながら寝返りを打った。可愛らしい顔とは対照的に、白衣の上からでも分かる豊満な胸と細い腰。小峠に抱かれていたと思うと、胸がチクチクと痛んだ。

妻の時に比べより一層性欲が強くなった気がする。何度も冬を求めてしまう。

冬を愛して居るが、それ以上にその体に溺れている自分がいた。

…冬じゃないと駄目なのだ。

冬は小鳥遊の温かい胸にいつも顔を付けて眠っていることを知らない。広いベッド上で、愛し合ったあとに離れて寝ていたとしても、いつの間にか冬は小鳥遊にぴったりとくっついて寝ていた。

…安らぎとセックス。

冬が、自分の胸からいつか、いなくなってしまうような気がして怖かった。

兎に角、いつも一緒にいて冬を抱いていたかった。小さな箱の中に閉じ込めて、自分だけを見ていて欲しいという危ない独占欲のようなものがふつふつと沸き起こった。

…こんなに僕が夢中なことを冬は知っているのだろうか…いや…知らない方が良いのかも知れない。

いつでも自分の元から好きな時に飛び去ることが出来るように、彼女には自由を与えなければいけないと思った。

頭では分かっては居るのに…自分勝手な感情と鬩ぎあうのは苦しかった。

冬が目を覚ました。

「あ…先生起きてらっしゃったんですか…ご飯へ行きますか?」

寝ぼけた顔も愛しかった。

「僕はご飯よりも、まずはあなたを食べたい。寝顔を見ていたら…堪らなく欲しくなりました。」

返事を聞く前に寝起きの冬を小鳥遊は襲った。


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小鳥遊は冬と手を繋いでいた。小鳥遊の大きくて温かい手がその小さな手を包んだ。

「手を繋けるって良いですね。」

冬は並んで歩きとても嬉しいそうだった。病院で気を張っている冬よりも、こちらの方が本当の冬なのかも知れない。

付き合いを公にしない限り、ずっとこのままになってしまう。

…それで冬は良いんだろうか?

もしも…断られてしまったら、今のこの関係すら壊れてしまいそうで小鳥遊には、聞けなかった。

冬が散歩で見つけた小さなレストランにふたりで入った。

「あ…そうだ帰りにワインとチーズ買って部屋で飲みましょうよ。」

…なぜ冬はアメリカに留学なんてしていたんだろう。

「アメリカにいつ留学されていたんですか?」

この生臭さ懐かしいと、冬はホースラディッシュを沢山乗せたオイスターを口に入れたところだった。

「子供の頃?それとも大きくなってからのこと?」

気取らずに美味しそうに食べる冬は無邪気でリラックスしており、ふたりだけの時に見せる柔和な表情だった。

…そんなに長く暮らしていたのか。

「子供の頃は…生まれてから小学校に入る前まで、高校と大学で少し…。」

無糖のアイスティーを飲みながら言った。

「だから…今でも漢字は怪しいですよ。」

「じゃあ今度文献の翻訳お願いします。」

冬は大きく手を振った。

「あ…無理無理!医学用語分からないから。しかも大学の解剖生理とかBでダメダメです。」

冬のことは余り良く知らなかった。

「アメリカの大学で授業を受けていたってことですか?」

「はい…何か資格を取りたかったんです…挫折しましたけど。」

冬のコロコロと良く変わる表情は、少女の様にあどけなかった。

「同棲の件ですが…僕のマンションへ引っ越してきませんか?」

冬が通い妻を始めて半年程経っていた。

「うーん…。でも…先生と喧嘩した時に逃げる場所が無くなっちゃうし…。」

冬は少し考えているようだった。

「それこそ一緒に住んで噂が経ったら…先生が困ると思いますよ?同棲してるとなると、私病棟飛ばされるかも…。」

小鳥遊は暫く考えていた。

「あの病棟好きなんですよね。雰囲気良いですし…ハ…小峠先生以外は。」

久しぶりに小峠の話題が出た。嫌がる冬の後を付いて回っているのを見かけたことがあった。

…小峠は冬にいまだにご執心…はかわらないのか。

…先生は私と一緒にいて楽しいんだろうか?

冬は今更ながらに不安になっていた。

「先生…明日はどうしますか?」

冷蔵庫にワインとチーズを押し込んだ。

「ナショナル・ギャラリーでも行きますか?」

冬も丁度そのように思っていたところだった。

「またダビンチとフェルメールにあえるのかぁ♪」

平日でも混雑しているのだが、新学期だからか、人が少なかった。

中のフードコートやお土産なども見て回り、1日がすぐに潰れた。

9月だと言うのに少し外を歩いただけで日焼けをしてしまった。

汗も掻いたのでホテルに帰りまたシャワーを浴びた。冬と入れ替わりで、小鳥遊もシャワーを浴び、濡れた髪のまま出てきた。

いつも見ている筈のその姿に冬はドキドキとした。先生はワインとチーズを出した。

「丁度 冷えて良い感じですよ。」

冬は当たり前のように、ボトルを小鳥遊から受け取った。

「手に怪我をしたら、オペ出来なくなっちゃうでしょ?」

それは冬の口癖だった。

「トーコさん、僕がやります。」

冬はいつも開けるのに苦労をするが、小鳥遊は簡単に開けてしまった。

「やっぱり男の人だと違いますね…」

ワインを飲み始めると二人とも、酒が弱いので顔が赤くなった。特に冬はすぐに眠たくなってしまう。そして自分の事をトウコと呼び始める頃になると、とても可愛くなった。

「駄目だ…トウコ眠くなってきちゃった。」

歯を磨く後ろ姿も何だかフラフラとしていて危なかった。

冬の真っ赤な襟足にキスをした。

「せんせぇ…くすぐったい。」

風呂上がりの冬はとても良い香りがした。

「トウコとエッチしたい?」

その潤んだ目で見つめられると小鳥遊は駄目だった。

「はい…とっても。」

「せんせぇ。トウコは酔っているけど、酔ってません。」

小鳥遊の手を取って、ベッドへと歩いた。

「トーコさん…どっちです?」

思わず噴き出した。冬に手を引かれてベッドへ行くのも悪くないと思った。

「あの…トウコは先生に相談したいことがずっとありました。」

冬は既に小鳥遊の胸の中に抱かれていた。

「何でしょう。」

"酔ったトウコ" は普段真面目な冬とは全く異なり、面白かった。

「トウコは…トウコとせんせはSteadyな関係と思っても宜しいのでしょうか?」

…短い沈黙

「はい…そう思います。」

優しく冬の顔を撫でると、その顔はとても熱く火照っていた。

「トウコは…ずっとピルを飲んでますが、先生さえ宜しければ…何も付けずトウコと…できますが、如何でしょうか?」

小鳥遊は冬の目を見た。確かに飲んでいることは知っていたが、慎重な冬のことだからと思い何も言わなかった。それを聞いただけで、下腹部の小鳥遊は硬くなった。

「本当に良いんですか?」

冬は胸にしがみついていた。

「はい…先生がお嫌なら今まで通りで構いませんけど。」

小鳥遊は自分を信用してくれているのだと思った。

「では…お言葉に甘えて…。」

冬の部屋着を脱がせた。身体全体がピンク色に染まり、美しかった。

色っぽい目つきで見つめられただけで、痛い程にそれは怒張した。そっと秘部に触れると、蜜が溢れ、これから小鳥遊に愛され訪れるであろう快感を静かに待っていた。

「今日の僕は…我慢出来ないかも知れません。」

耳元で囁いた。

「はい…でもそれでも…先生に挿れて欲しい…の。」

冬のその甘いささやきは、先端部にまでいきわたった。

いつもより、時間を掛けゆっくりと…と思っていたが、冬はすんなりと根元まで飲み込んでしまった。

…あぁ…トーコさん。気持ちがいい。

冬の中は普段よりも熱い気がした。そして、小鳥遊にねっとりと絡み付く粘膜は、腰を動かす度に、いやらしい音を立てた。

コンドーム装着では味わえない極上の感覚は、どれぐらい振りだろうか。

---くちゅ…くちゅ。

冬が快感で喘ぐたびに、きつく小鳥遊を締め上げた。そこは着けている時よりも吸着力を増して小鳥遊をしっかりと咥え込み虜にした。

「もう…激しく突きたい。」

ベッドの中でさえ冷静でいられる筈の小鳥遊だったが、今は下半身が自分の意志に関係なく暴走してしまいそうだった。

「トウコ…って呼んで…。激しく突いて…トウコを壊すぐらい愛して。」

冬のこの一言で、もう駄目だった。理性のカケラは砕け散り、衝動のままに何度も何度も繰り返し激しく突き上げた。

「せんせ…感じる…あぁ…トウコ…我慢できな…い」

「あぁ…トーコ…僕の…トーコ」

そこからは一気にふたりとも恍惚の中へと駆け上がった。果てた後も冬の不規則な締め付けは暫く続き、そのたびに冬は熱を持った体を震わせた。

気が付くと朝だった。ふたりともそのままぐっすりと寝てしまったらしい。

冬は昨日の事はしっかりと覚えていた。小鳥遊も己を忘れ没頭したのはこれが初めてだった。

「どこも痛くありませんでしたか?」

冬は大丈夫ですと微笑んだが、ゆっくりとベッドから起き上がった冬の細い腰には、大きな手形が赤くしっかりと付いていた。

「トーコさん…本当に済みません…。」

小鳥遊は、冬を抱きしめた。

「いいえ…大丈夫です。とても素敵でした…先生がもっと好きになりました。」

冬は、“僕のトーコ“と呼ばれたことを反芻し幸せを感じていた。

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一日中、美術館や博物館巡りを楽しみ、部屋に戻り昨日のワインを少し飲んだ。

小鳥遊はまた酔ってちょっとおかしくなった冬を眺めて楽しんだ。

「トウコと先生がエッチした時に、先生が“僕のトウコ”って言ってくれてとても嬉しかったんです。」

「そうでしたっけ?僕そんなこと言いましたか?」

小鳥遊も覚えていたが恥ずかしいのでとぼけていた。

「えーっ。覚えて無いんですか…トウコ寂しいなぁ。」

小鳥遊は可愛らしい冬に欲情した。

「…僕…またあなたとしたくなってしまいました。」

冬はすくっと椅子から立ち上がり、小鳥遊の手を引いてベッドへと連れて行った。

冬の昨日と全く同じ行動におかしくて笑った。

「トウコ…セックスはあんまり好きじゃ無かったけれど、先生とするようになってからは好きになったの。」

冬は上目遣いで笑った。

「ねえ…トーコさん…もう一度言って?」

小鳥遊はわざと聞いた。

「トウコは先生とのセックスが好き。」

潤んだ瞳で小鳥遊を見つめている。冬の唇を荒々しく貪った。

…あぁ。

小鳥遊が愛撫すると冬はすぐさま反応し、耳元で甘い声で喘ぐ。

自分だけが聴ける冬の甘い歌。気が付けば冬を夢中になって抱き、自分の身体の下で快感に支配されている冬を見ながら果てた。

やはり、冬が相手だと自制が全く効かなくなるらしい。

朝昼晩と抱き続けたが、体を重ねるたびに、我慢できずに果てる自分に驚いた。冬は、幸せそうに小鳥遊の胸に抱かれ眠っていた。

---DC最終日の夜。

二人が愛しあっていた丁度その時に、小鳥遊の携帯が鳴った。

日本から小峠が掛けてきた。休み明け直ぐのオペや検査予定などの確認だった。

冬は騎乗位で小鳥遊の上でゆったりと動いていた。冬の中から出たり入ったりする様子を眺めながら、いつものように落ち着いた声色で電話をしていた。

小鳥遊は冬に微笑む余裕すら見せていた。冬は小峠の話は普段から無駄に長いことを知っていた。

…チャーンス♪

いつもベットでは小鳥遊の思うがままにいたぶられ、快感に侵食されすぐに溶けてしまうのを待つだけだった。

…今日は私が虐めよう。

いやらしい音がすぐにし始めた。そして深くかき回す様に腰をくねらせた。

腰の動きに合わせ、小鳥遊の腰に力が入るのが冬には判った。

(気持ちが良い?)

小鳥遊は微笑んで頷くと、胸に触れ乳首を指先で摘まんだ。

(駄目…優しく揉んで)

その大きな温かい手を胸を揉むように冬は誘導させ微笑んだ。

優しい快感が皮膚の上を伝い始め、冬は小鳥遊を切なく見つめた。

小鳥遊は小峠の話に集中した。冬が動くたびにゆっくりと与えてくる甘い誘惑を押しのけ、自分の中で確実に大きくなりつつある衝動を抑えようとしていた。

冬の顔に触れてみる…温かく滑々していた。冬は口元に来た小鳥遊の指をそっと口に含んだ。口の中で冬の舌がいやらしく指に絡み付くのを感じた。

(…一緒に…いこう)

膣の収縮から、冬も感じているのが良く分かった。まだ駄目だと小鳥遊は首を振った。

小鳥遊は小峠の話を早く終わらせ、自分の上で自由に艶めかしく動く、挑戦的なこの小悪魔にお仕置きをしなくてはと思った。

(…せんせ。感じてるの。お願い…。)

この小悪魔は、時折小鳥遊が一瞬だけ見せる切ない表情を見て取り、微笑んだ。

そして腰の動きを徐々に早くし小鳥遊の顔をみながら、いやらしい表情で声を出さずに静かに喘いだ。

(…ぅう…あぁん…私も…気持ちいい。)

腰の動きが波打つように激しく動き出した瞬間…小鳥遊は果てた。

小峠は何も気が付かず、とりとめの無い話を電話の向こうで続けていた。

(…せんせ…可愛い♪)

冬は初めての勝利に嬉しそうに笑い、小鳥遊の身体の上からゆっくりとおりた。

少し疲労感はあるものの、自分が小鳥遊を先に送り出したことに喜びと愛しさを感じていた。

バスルームへ行きシャワーを浴びた。トロトロと白い液体が身体の中から流れ出した。シャワーから出ると電話を切った小鳥遊が冬を待っていた。

「今日は先生を虐めちゃった♪」
 
冬は嬉しそうに笑って言った。

「さぁ…トーコさん。僕をたぶらかしたお仕置きです。」

…今日は冬に調子を狂わされている。

冬は愛されるたびに、体の使い方とコントロールの仕方を覚え、小鳥遊に実践してみせるのだ。

…僕は冬の身体に溺れている。

冬と関係を初めて持った時よりも、衝動が爆発する時間が徐々に短くなってきていた。

「うぅ…はぁはぁ…せんせ…大好き。」

激しくいたぶられて冬は何度も現実から混沌の世界へと小鳥遊に連れていかれた。

何度も冬の中で果てたため、白い液体は冬の花弁の間から溢れ出て冬の内腿は、精液と愛液でべったりと濡れていた。

「僕も…あなたが…好きです。」

小鳥遊は夢心地の冬を眺めた。



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