ファンタジーの世界より日本に転生しました

第六章 第四節

修行その①「坐禅」

食卓のテーブルに着くと、其処には既に朝ご飯を食べ終えたミーが、お茶を啜っている。
「ズズズ…」
「ぷはぁ～。あー美味しかった。ごちそうさまです。ユキナさん。」
とミーは礼儀正しくごちそうさまの挨拶する。

ナオヤ
「おっ、朝の定番メニューですね。ユキナさん、流石です。」

食卓には、麦と白米のご飯に、納豆、豆腐と長葱の味噌汁、鯵の干物（鯵の開き）に大根おろしが付いている。これが、四人前用意されていた。

ケンジ
「やっぱ、朝は和食がほっとするよなぁ。ありがとうございます。ユキナさん。」

タカシも頷きながら
「全くです。ユキナさん、ありがとうございます。」

ユキナはニコニコと笑顔で
「はい。どう致しまして。」
「では、いただきましょう」

四人（五人）
「いただきます」

先に食べ終えたミーは、隣の居間（リビングルーム）にあるソファで寝ている。
ミーは其処から、タカシに声をかける。

「ね～、タカシ～。修行なんてやらないで早く私をお嫁に貰ってよ～。」

レナ
「ヨメ？」

タカシはアタフタして
「主だろ。主。どっちにしろ、後にしてくれ。食事中だ。」

レナ
「タカシ。本当はミーに好かれて嬉しいんじゃない？」

タカシは味噌汁を一口啜ると
「はぁ。好かれて嬉しいのは確かだが、嫁と云う話はしてません。」

レナ
「やっぱ嬉しいんだ」

ユキナさんは微笑みながら
「あらまぁ。仲の良いこと。」

ケンジは真剣な面持ちで
「こほん。良いか、二人共。午前中は坐禅。午後からは、魔力の集中と性質変換の修行を主に行う。」
「わかったか？」

ナオヤとタカシ（レナ）
「はい。ケンジさん。」

朝ご飯を急いで食べ終えると、三人（四人）は道場の方へと向かう。ミーもその後に付いて行く。

道場の中に入ると中央上方正面には、「明鏡止水」と書かれた書が額に入れられ、祀られている。
三人（四人）は、正面に向かって一礼する。其れを見ていたミーも真似する。

ケンジ
「さぁ、始めるぞ」

ナオヤとタカシ（レナ）
「はい」

そう云うと、三人（四人）は正面に向かって横に並び、坐禅を始める。

ケンジ
「この後、ユキナさんが警策を持って暫く後ろに立ってくれる事になっている。ユキナさんの手を煩わせる事の無い様にしっかり、集中する様に。」

ナオヤとタカシ（レナ）
「はい」

ミーは、タカシの隣に座って半目に開いたタカシの顔を覗き込んでいる。

ナオヤ
「タカシの顔を観るのは構わないが、邪魔だけはするなよ。ミー。」

ミー
「はーい」

そう云うと、ミーは素直に少し離れて、遠目に三人の様子を見守る。

タカシとレナは心の中で思う
「観るのは構わなかったんだ」

そんなこんなで、本格的に修行スタート。