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第2章 チート無双
第3話 色々分かった
しおりを挟む「転移」
〈あ、ちょっ。王子忘れてますよ。〉
賢者がそう呟いた時には目の前が黒く光っていた。そして目の前に穴ができた。向こう側には、白衣を着たイケメンがいる。腹立つ。そのイケメンは目を見開いてこっちを見ている。
〈ちょwマスターこれゲートw転移しようとしてゲート開くとかww規格外すぎワロタww〉
(賢者、キャラがおかしい)
〈あ、いやすみません。まさか転移しようとしてゲート開く奴なんていなかったので。〉
ゲートのことを聞いてみれば、賢者は笑いながら昔はあったけど、今使える人のいない伝説になっている魔法だと話してくれた。…伝説なのに開けた。意味がわからない。とりあえず、アレクのこと運ばないと。
「あの、そこの子、君は一体、」
「医者?」
「え、あ、はい。私は医者ですが。」
「来て」
ゲートの向こうにいるイケメンをこっちに引きずりだす。イケメンはさっきよりもびっくりして、ぽかんと口を開けた。あたりをキョロキョロ見渡して、再びこっちを向く。
「あの、ここは?この巨大な窪みは、一体なんです?それとこの、これは…。」
と、ゲートを指さして言った。
「ゲート。」
「ゲート?!あの伝説の…」
「そんなことはどうでもいい。アレクが死ぬ。」
イケメンの言葉を遮って言うと、イケメンはさっきよりも驚いて(驚きすぎだと思う)、アレクのそばにしゃがみ込んだ。
「お、王子?何故こんなことに…。」
「バート…?お前、なんでここに…っ!」
「動かないでください、王子。怪我が悪化します。」
「…。悪い。」
そう言うと、バートと呼ばれたイケメンはアレクに手をかざした。すると、手が光って、アレクが浮いた。
(浮いた…)
〈浮遊魔法ですね。〉
(便利すぎ。)
〈向こうの星で科学が発展したように、こっちの星では魔法が発展したんです。より便利にしようと、いろんな人が試行錯誤して作りあげたんです。〉
なんかしみじみした感じで賢者は言う。年寄り臭い発言…。
〈今なんか失礼なこと考えましたよね〉
(気のせい)
賢者とくだらない話をしている間に、バートは診察を始めていた。よし。…じゃない。そうだ、寝る場所!今すぐベットにダイブしたいのに…どうするか。あらためてしっかり周りを見てみると、遠くの方に灯りが見えた。あそこになら暖かくてふわふわのベットがはず。よし、あそこに行こう。と、そっちの方に歩いていこうとすると、賢者が止めてきた。
〈ちょ、どこ行くつもりですか。〉
(向こう。)
〈そっち行ってどうするつもりなんですか!〉
(宿に)
〈馬鹿ですか!マスターお金持ってないですよね?どうやって泊まるつもりですか!〉
(森で遭難したって言えばなんとかなる。)
〈そんなことするより、王宮に泊めてもらった方がいいですって。絶対街の宿よりも王宮のベットの方が気持ちいいですよー。〉
(それは、確かに…。)
〈て訳で、アレクが心配だからーとか言って居座らせてもらいましょ。〉
(賢者、アレクの名前知ってたんだ)
〈え、当たり前ですよね。ただ何となくムカつくから名前呼びたくないだけですよ。〉
(賢者、性格悪い。ゲスい。)
と言いつつ、ゲートをくぐる。いいベットか普通のベットかと聞かれたら当然いいベットを選ぶ。賢者の言う通りにしておこう。
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