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新しい人キタ

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「それじゃ、直しましょっか。」
「その前にエレノア。」

ニッコニコのお母さんに、シグニールが話しかける。いつの間に人の姿になってたんだね。全く気づかんかった。

「そろそろ休まないとだろ。」
「…そうだったわね。」

休む?何故に。首を捻ると、シグニールがため息をついて教えてくれた。

「アメリア、さっき倒れただろ。子供はあらゆることに耐性がないから、何するにも直ぐに休憩が必要なんだよ。」
「あらゆることに、耐性がない…?」

え、でも私色んな耐性持ってるのになぁ…。どういうこっちゃ。再び首を捻る。なんでだろ。ステータス見ればわかるかな。
…HPが…HPがピンチ。
さっきまで150だったのに、いつの間にか50になってる。まじで?なんで?

「シグニール。アメリア、なんで倒れちゃったの?」
「?日光で。」

日光で!?えっっなんで?日光で?日光で、なんで?…え?日光で!?(2回目)日光でダメージ食らうの?って、もしかして…自然によるダメージってこれのことか…?
でも一応耐性は持ってるんだよね。

「じゃあ、ステータスって…。」
「ん?もうステータスのことを知ってるのか?」
「うん、まぁ…。」

え、普通4歳児ってステータスとか知らないもんなの?…確かに、4歳児って知らなそうだわ。なんとなく。この世界の基準知らんけど。…そうだよね、そうだわ。異世界のオタクの知識=この世界の常識だったら逆に怖いし。うん。

「ステータスについては…ってそうだ。先に日陰に移動しなきゃだな。」
「あ、そうだね。」

って、日陰がないけど!家潰れてるし、木は倒れてるし。てかこの村何気に広いな、しっかり見てなかったけど。今私たちがいるのが、ちょっと広い広場みたいなとこで…あれ?この村、普通に街くらいの広さあるくね?あの、ゲームの始まりの町みたいな素朴さと多少の広さがある感じ。やばい。全部巡ってみたい。

「そうね…誰かの家に入れてもらいしょ。」
「…そうだな。」

仕方なさげにため息をつくお母さん。いや、家潰していいって言ったのお母さんだからね?てかお母さん家直せば?なぜ直さん。

「お母さん。家、直さないの?」
「え?あれはアメリアが直すのよ?」

さらっと!さらっと言ったな!?お母さんよぉ!私が直す前提なのなんでだよ!謎だよ!

「あら~。エレノアちゃん。そんなところでどうしたのよ~?」
「わっ!」

び、びびびびっくりしたぁぁ!気配が無かったけど!全く気配が!てか足音すらしなかったんだけど!このおばちゃん何者なにもん!?

「ハリエットおばちゃん!こんにちは!」
「あ、ハリエットさん!昨日ぶりですね!」
「こんにちは~。ふふっ。家が潰れちゃってるのは、もしかしてアメリアちゃんがやったのかしら~?」
「はい!今、魔術の練習をしていたところなんです。」

お母さんが丁寧語でしゃべってるぁ。ハリエットおばちゃん…。すんごい気前の良さそうなおばちゃんだけど、一体この人はなんの人?やばい人しかいない村で…しかも足音すらしないって、スパイかなんかやってたの?八百屋開いてそうだけど?てかさらっと新しい人きたな。

「家を直そうかと思ったんですけど…アメリアが倒れたら困るので、少し休もうかと。」
「そうなのね~。それなら、うちに来たら~?丁度、いい茶葉とお菓子を貰ってきたところなのよ~。」
「いいんですか?ぜひ、行かせてもらいたいです。」

普通のおばちゃんにしか見えんよ、まじで。普通の近所のおばちゃんだよ。前世の近所にもいたよ、こんなおばちゃん。

「それじゃあ、おいでなさいな~。」

ハリエットおばちゃんの後について行くと、すぐについた。広場挟んでるから距離はあるけど、ほぼ真向かいじゃん!まじか!…って。こ、ここは…。

「ただいま~。ほらあなた、作業やめてちょっと休憩しなさいな~。お客さんよ。」
「んん?って、ファーガスんとこの!あの木倒すとこ見てたぞぉ!すげーじゃねえか、ガハハハハ!」

おっとぉ。まさかの、ま、ま、まさかの…。ガバルさん?だっけ。夫婦…?まじ?でもなんか…似合う。ああ、ガバルさんってあれだよ、昨日のお兄ちゃんお見送り会という名の宴会でお酒樽単位で開けてた人。ガハハハハ!って笑い方特徴的すぎて覚えてたわ。
そして、新事実が発覚したんだが…。ここ鍛冶屋だわ。めっちゃ剣打ってた。カーンカーン!つって。うん。

「お邪魔します、ガバルさん。ほら、アメリアも挨拶して。」
「おじゃまします、ガバルおじちゃん!」
「ガハハハハ!おじちゃんだってよぉ!」

何がおもろいねん。よく笑う人だなぁ。耳が痛い。耳を塞ぎたいのを我慢してると…

「ん!?そこにいんのは…。シグニールじゃねぇか!?」
「うげっ。」

え、知り合い?
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