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幼少期編
21 四大公爵全員集合!なんですか?
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これまたカッコ良く成長した、物静かなデュオに案内され、お馴染みとなった執務室へと案内された。
ユリウスはデュオを下がらせると、自ら扉をノックして、応答を受けて中へと入った。
レティシアと手を繋ぎながら。
「義父様、お呼びでしょうか?」
「ああ、待っていた。早くこちらに座りなさい」
相変わらずの美丈夫のレオナルドが、向かいのソファーに座るよう促す。
しかし、何やらいつもと違う様子に、若干の訝しさを感じながらもユリウスと共にソファーに座った。
「……それで義父様。僕達にお話とは?」
「うむ……。……他の公爵共が、面倒事を寄越してきた。まずはソレを見せた方が早いか」
忌々しそうにレオナルドは、セバスに何か視線を送る。
セバスはレオナルドの執務机に置いてあった、見るからに豪華な書状を持ってきてテーブルへと置いた。
その書状には、四つある公爵家が共同で使用する、特別な刻印が使われていた。この刻印を使う書状は、全ての公爵が同じ内容を確認しているというもの。
「……拝見します」
ユリウスは書状を手に取ると、レティシアにも見える様に広げて読んでいる。
レティシアも、行儀が悪いが横から内容を確認した。長々しい内容を要略するとこうだ。
「一週間後、次期後継者十歳の魔力測定完了の祝儀をやるから来いってこと……?」
ユリウスも読み終えたのか、書状を握りしめている。……書状が皺くちゃになってますよ。
「やはりこう来たか……!」
「え? 兄様、どう言う事?」
「レティシアをお披露目しろと言う事だ」
憤慨しているユリウスの代わりに、レオナルドが説明してくれる様だ。
「公爵の次期後継者である子が十歳になると、他の次期後継者と顔合わせさせる古い風習がある。だが魔術学園が創設されてからは、この風習が行われる事は無くなったが。……今年は、他の公爵家にも丁度十歳になる子が二人もいる。公爵家の後継者が、同じ歳で三人揃うのは珍しい。その為、一つ上の次期後継者の子も交えて、次期後継者同士の交流会を催す事とする、などと……! 三つの公爵が同意したのなら、こちらは従うしか無い。一つ上の次期後継者も参加するとなると……アイツらは、結託して内々に話を進めてたとしか思えん……!」
(……落ち着いてお父様、魔力漏れてますよ。……まあ成程。つまり、箱入り娘の私が心配という事ですね!)
「大丈夫ですお父様。心配なさらずとも、見事にお淑やかな公爵令嬢を演じて…ご披露して見せますよ? 次期後継者として、アームストロング公爵家の名を汚す様な事は致しません」
淑女の様に演じてみせる。どや!
「レティ……。そうじゃない。奴等はお前を一目見たく…いや。あわよくば、お前を手に入れたがっている。喉から手が出る程、欲しがっているのだ。祝儀中、どんな手を使って来るか分からん。それが一番心配なのだ」
レオナルドは疲れた様に、額に手を当てた。
「シータがいれば安心だったのだが、身重の身体だ。一緒には連れて行けない。どちらも心配だが、アイツらは私がシータの側を離れないと見越して、今回の話を寄越したのだろう。姑息な奴等だ」
「義父様、勿論僕が一緒に行きます。レティシアの側を離れず、守りきって見せます。義母様に稽古も付けてもらっていますので。……殺れます」
「……ユリウス、頼まれてくれるか」
「はい。命に換えても」
……一週間後、戦に赴くんですか?
殺伐とした空気の中、突然扉のノックが鳴った。そしてレオナルドが応答する前に、勢いよく扉が開かれた。
「失礼致しまーす! 祝儀に向けてドレスを誂えますのでー、レティシア様をお連れ致しまーす!!」
ターコイズブルーの髪の色をお下げ結びにした、元気なメイドが入室してきた。
レティシアはそのメイドの名を呼んだ。
「シシリー」
「……シシリーさん。扉をノックし忘れるランディよりは、マシですが、旦那様の応答を待たずに扉を開けるメイドがありますか!! ……シンリーさんに、後で報告しておきます」
「ああっっ! 姉さんに告げ口するのだけは、ご勘弁下さい! セバス様ー!!」
そう、この子はシンリーの歳の離れた妹さん。歳は確か十七歳。
シンリーは、身重のルシータの専属メイドに戻った為、最近レティシアの新しい専属メイドとなったのだ。冷静沈着なシンリーと同じグレーの瞳だが、性格は正反対の、垢抜けた陽気な子だ。
「丁度いい、レティシア。私達はこれから、大事な話をしなくてはならない。シシリーと行きなさい。服は喪服でも見繕っておけば良い」
(それは着たくないです、お父様……)
「レティは、何も心配しなくて大丈夫だからね」
反論する暇も無く、シシリーと共に執務室を追い出された。……もの凄く疎外感を感じる。
「さ、行きましょーか、レティシアお嬢様!」
「うん……そだねー……行こっか……」
連れて来られた場所は、衣装部屋の隣にある、広いフィッティングルーム。大抵ここでドレスの寸法を測る。普通なら仕立て屋を呼んで採寸するのだが、今日はいない。
誂えるとシシリーは言ってたが、今回は時間が無いので、ここにある従来のドレスを使うのだろう。
「レティ!!」
突然、隣の衣装部屋から、お腹を大きくしたルシータが入ってきた。
いつもの男装ではなく、白いドレス姿はまさに貴婦人そのもの。後ろには、ドレスを持ったシンリーが控えている。
レティシアはびっくりしながらも、ルシータに近寄った。
「おっお母様! なぜこんな所に! もういつ産まれるかわからないのだから、安静にしてないと駄目でしょう!?」
「ハハハ! 何、二人目なのだから、そんなに心配要らない! 寝たきりより、動いた方が良いしな! そんな事より、祝儀に着ていくドレスを見繕っておいた! 少し、手直しすれば問題無いだろう!」
お腹に響かない様、やや声のトーンは小さめだが、いつもの元気で美しい母だった。
「お母様、私の為に……ありがとう。私このドレス着て、頑張って公爵令嬢演じてくるね!」
「ああ! 可愛い素のレティを知っているのは、私達だけで十分だ! 思う存分、高貴ぶって近寄らせない様に頑張れ! おっと、それから。一週間後の戦いに向けて、レティに餞別だ!」
(……あれ? やっぱり戦なんですか……? 私、初陣?)
ルシータは手に持っていた、綺麗な扇子をレティシアに向かって差し出した。
「レティ、身体強化魔法は使えるな? 強化してから、その扇を手に持つと良い!」
「? 分かった。……けどどうして? ただの扇子だよねっ? ってうわっ!!」
受け取ったと同時に、手の平に乗せた扇子の物凄い重みに、手の平が下がる。慌てて、身体強化の威力を上げた。
「何、このものすんごく重い扇子……」
「私が昔結婚する前、ドレスを着ねばならなかった時に、使っていた武器だ! 小さいが魔法石が埋め込んである! 以前あげたネックレスより威力は劣るが、十分使えるぞ! レティ用に扇面の絵柄は変えておいた!」
早速広げてみると、美しいストロングカレイドの花が描かれていた。扇子の要と呼ばれる部分に、確かに小さな黄色い魔法石が埋め込んであった。
「これで剣を受け止める事も出来る! 叩きつけて良し、わざと足に落としてやっても良い!」
(いや、それ絶対足の指折れます。……それにしても。やはり公爵同士の戦争が…始まるのですね、お母様……)
変な方向に解釈したレティシアは、重たい扇子を握りしめた。
「お母様! 戦いに向けて、この武器を完全に扱える様に、特訓致します! ご教授頂けますか、お母様!!」
「勿論だ! この一週間で、私の持てる全ての技を伝授しようではないか!」
ルシータとレティシアは頷き合った。
そして、祝儀の日当日を迎えた。
ユリウスはデュオを下がらせると、自ら扉をノックして、応答を受けて中へと入った。
レティシアと手を繋ぎながら。
「義父様、お呼びでしょうか?」
「ああ、待っていた。早くこちらに座りなさい」
相変わらずの美丈夫のレオナルドが、向かいのソファーに座るよう促す。
しかし、何やらいつもと違う様子に、若干の訝しさを感じながらもユリウスと共にソファーに座った。
「……それで義父様。僕達にお話とは?」
「うむ……。……他の公爵共が、面倒事を寄越してきた。まずはソレを見せた方が早いか」
忌々しそうにレオナルドは、セバスに何か視線を送る。
セバスはレオナルドの執務机に置いてあった、見るからに豪華な書状を持ってきてテーブルへと置いた。
その書状には、四つある公爵家が共同で使用する、特別な刻印が使われていた。この刻印を使う書状は、全ての公爵が同じ内容を確認しているというもの。
「……拝見します」
ユリウスは書状を手に取ると、レティシアにも見える様に広げて読んでいる。
レティシアも、行儀が悪いが横から内容を確認した。長々しい内容を要略するとこうだ。
「一週間後、次期後継者十歳の魔力測定完了の祝儀をやるから来いってこと……?」
ユリウスも読み終えたのか、書状を握りしめている。……書状が皺くちゃになってますよ。
「やはりこう来たか……!」
「え? 兄様、どう言う事?」
「レティシアをお披露目しろと言う事だ」
憤慨しているユリウスの代わりに、レオナルドが説明してくれる様だ。
「公爵の次期後継者である子が十歳になると、他の次期後継者と顔合わせさせる古い風習がある。だが魔術学園が創設されてからは、この風習が行われる事は無くなったが。……今年は、他の公爵家にも丁度十歳になる子が二人もいる。公爵家の後継者が、同じ歳で三人揃うのは珍しい。その為、一つ上の次期後継者の子も交えて、次期後継者同士の交流会を催す事とする、などと……! 三つの公爵が同意したのなら、こちらは従うしか無い。一つ上の次期後継者も参加するとなると……アイツらは、結託して内々に話を進めてたとしか思えん……!」
(……落ち着いてお父様、魔力漏れてますよ。……まあ成程。つまり、箱入り娘の私が心配という事ですね!)
「大丈夫ですお父様。心配なさらずとも、見事にお淑やかな公爵令嬢を演じて…ご披露して見せますよ? 次期後継者として、アームストロング公爵家の名を汚す様な事は致しません」
淑女の様に演じてみせる。どや!
「レティ……。そうじゃない。奴等はお前を一目見たく…いや。あわよくば、お前を手に入れたがっている。喉から手が出る程、欲しがっているのだ。祝儀中、どんな手を使って来るか分からん。それが一番心配なのだ」
レオナルドは疲れた様に、額に手を当てた。
「シータがいれば安心だったのだが、身重の身体だ。一緒には連れて行けない。どちらも心配だが、アイツらは私がシータの側を離れないと見越して、今回の話を寄越したのだろう。姑息な奴等だ」
「義父様、勿論僕が一緒に行きます。レティシアの側を離れず、守りきって見せます。義母様に稽古も付けてもらっていますので。……殺れます」
「……ユリウス、頼まれてくれるか」
「はい。命に換えても」
……一週間後、戦に赴くんですか?
殺伐とした空気の中、突然扉のノックが鳴った。そしてレオナルドが応答する前に、勢いよく扉が開かれた。
「失礼致しまーす! 祝儀に向けてドレスを誂えますのでー、レティシア様をお連れ致しまーす!!」
ターコイズブルーの髪の色をお下げ結びにした、元気なメイドが入室してきた。
レティシアはそのメイドの名を呼んだ。
「シシリー」
「……シシリーさん。扉をノックし忘れるランディよりは、マシですが、旦那様の応答を待たずに扉を開けるメイドがありますか!! ……シンリーさんに、後で報告しておきます」
「ああっっ! 姉さんに告げ口するのだけは、ご勘弁下さい! セバス様ー!!」
そう、この子はシンリーの歳の離れた妹さん。歳は確か十七歳。
シンリーは、身重のルシータの専属メイドに戻った為、最近レティシアの新しい専属メイドとなったのだ。冷静沈着なシンリーと同じグレーの瞳だが、性格は正反対の、垢抜けた陽気な子だ。
「丁度いい、レティシア。私達はこれから、大事な話をしなくてはならない。シシリーと行きなさい。服は喪服でも見繕っておけば良い」
(それは着たくないです、お父様……)
「レティは、何も心配しなくて大丈夫だからね」
反論する暇も無く、シシリーと共に執務室を追い出された。……もの凄く疎外感を感じる。
「さ、行きましょーか、レティシアお嬢様!」
「うん……そだねー……行こっか……」
連れて来られた場所は、衣装部屋の隣にある、広いフィッティングルーム。大抵ここでドレスの寸法を測る。普通なら仕立て屋を呼んで採寸するのだが、今日はいない。
誂えるとシシリーは言ってたが、今回は時間が無いので、ここにある従来のドレスを使うのだろう。
「レティ!!」
突然、隣の衣装部屋から、お腹を大きくしたルシータが入ってきた。
いつもの男装ではなく、白いドレス姿はまさに貴婦人そのもの。後ろには、ドレスを持ったシンリーが控えている。
レティシアはびっくりしながらも、ルシータに近寄った。
「おっお母様! なぜこんな所に! もういつ産まれるかわからないのだから、安静にしてないと駄目でしょう!?」
「ハハハ! 何、二人目なのだから、そんなに心配要らない! 寝たきりより、動いた方が良いしな! そんな事より、祝儀に着ていくドレスを見繕っておいた! 少し、手直しすれば問題無いだろう!」
お腹に響かない様、やや声のトーンは小さめだが、いつもの元気で美しい母だった。
「お母様、私の為に……ありがとう。私このドレス着て、頑張って公爵令嬢演じてくるね!」
「ああ! 可愛い素のレティを知っているのは、私達だけで十分だ! 思う存分、高貴ぶって近寄らせない様に頑張れ! おっと、それから。一週間後の戦いに向けて、レティに餞別だ!」
(……あれ? やっぱり戦なんですか……? 私、初陣?)
ルシータは手に持っていた、綺麗な扇子をレティシアに向かって差し出した。
「レティ、身体強化魔法は使えるな? 強化してから、その扇を手に持つと良い!」
「? 分かった。……けどどうして? ただの扇子だよねっ? ってうわっ!!」
受け取ったと同時に、手の平に乗せた扇子の物凄い重みに、手の平が下がる。慌てて、身体強化の威力を上げた。
「何、このものすんごく重い扇子……」
「私が昔結婚する前、ドレスを着ねばならなかった時に、使っていた武器だ! 小さいが魔法石が埋め込んである! 以前あげたネックレスより威力は劣るが、十分使えるぞ! レティ用に扇面の絵柄は変えておいた!」
早速広げてみると、美しいストロングカレイドの花が描かれていた。扇子の要と呼ばれる部分に、確かに小さな黄色い魔法石が埋め込んであった。
「これで剣を受け止める事も出来る! 叩きつけて良し、わざと足に落としてやっても良い!」
(いや、それ絶対足の指折れます。……それにしても。やはり公爵同士の戦争が…始まるのですね、お母様……)
変な方向に解釈したレティシアは、重たい扇子を握りしめた。
「お母様! 戦いに向けて、この武器を完全に扱える様に、特訓致します! ご教授頂けますか、お母様!!」
「勿論だ! この一週間で、私の持てる全ての技を伝授しようではないか!」
ルシータとレティシアは頷き合った。
そして、祝儀の日当日を迎えた。
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