15 / 53
幼少期編
15 フラグ回収なんです
しおりを挟む
デュオに連れられてたどり着いたのは、以前訪れた事のあるレオナルドが使う執務室だった。
扉をノックして「ユリウス様とレティシア様をお連れしました」とデュオが告げると、中からレオナルドの応答が聞こえた。
デュオが扉を開けてくれたのでユリウスと二人で中へと入った。
「やあ! 待ってたよユリウス!! それにレティも!」
レオナルドの隣に座っていた、相変わらず男装な出立ちのルシータは相変わらず美しい笑顔で迎えてくれた。
「えへへ、気になって一緒に来ちゃった」
「やれやれ、レティは好奇心旺盛だな」
レオナルドも相変わらず美丈夫なお顔でやや呆れ顔だ。
部屋を見回すと両親の他には誰も居ない。いつもレオナルドの側に控えているセバスや、案内してくれたデュオも既に居なかった。魔力測定は家族のみで執り行う様だ。
テーブルにはボーリングボールよりやや小さめ位の丸い水晶が鎮座していた。お約束なアイテムにレティシアは目を輝かせて駆け寄った。
「お父様! これが魔力測定器!? これに手を乗せれば魔力の属性や魔力量を測れるの!?」
「そうだ。貴重な物だから、転がしたり、投げたりして遊んだりしては駄目だぞ?」
「もうっお父様! 赤ん坊では無いんだから流石にそんな事しません!!」
「はは、冗談だ」
「まあ、レティならやり兼ねないと思うけどね!!」
「ちょっとお母様まで!!」
両親にとってはまだまだ子供なのだろう。しかし余りにも幼稚な子供に思われてるのは心外だ。レティシアはわざとらしく頬を膨らませた。
「怒っているレティも可愛いけど、機嫌を直して一緒に座ろう?」
ユリウスに頭を撫でられる。やはり子供扱いな気がする。まあ子供だけど。
レティシアは少し剥れながらも両親と反対側のソファーにユリウスと座った。
「では、そろそろ始めよう。ユリウス、手の平を水晶に乗せてご覧」
「はい、義父様」
怒っていたことなどさっさと忘れたレティシアは固唾を呑んで見守る。
(オラすっごくわくわくすっぞ!)
既に興奮状態のレティシアに気付く事なく、ユリウスはゆっくりと右手を水晶に近づけ手の平を乗せた。
水晶の中央が白い光を放ち出す。
その光は次第に大きくなっていき、やがて水晶全体を白い光で覆い尽くした。
「わー綺麗っ! お父様! これが兄様の魔力?!」
「そうだ。白い光の強さで魔力量を測る事が出来る。ユリウスはかなり強い魔力の持ち主だ」
「ユリウス!! 水晶を全て光らせる人間はそうそう居ないぞ!! 私やレオを除けば、他の公爵連中ぐらいだ!!」
「おお……」
(流石ユリウス兄様。ハイスペック)
「二人共、水晶の中央をよくご覧。中央に現れる光の色で、その者の一番得意な属性が分かる」
すかさずレティシアは水晶の中央を凝視する。暫くして中央の光だけが色を変えていく。その色は……。
「……水色……? でも、緑色も見える気がするけど……? お父様、これは」
現れた光は一色ではなく二色。透き通る水色と同じく透き通る黄緑に近い緑色が混ざり合う様に渦を巻きながら光っていた。
レオナルドとルシータも驚いているのが分かった。
「……これは珍しい。ユリウスは『水』と『風』の二属性を得意としている様だ」
「え、二つの属性が現れるのはそんなに珍しいの?」
「レティ! 得意な属性は、普通一つなんだ! 昔、稀に複数得意属性を持つ者もいたが、最近では聞いた事がない!! 凄いぞユリウス!!」
ユリウスはゆっくりと右手を水晶から離した。水晶の光は徐々に光を弱めていき、消滅した。ユリウスは背もたれに背中を預けて、大きく息を吐いた。
「……僕の得意な属性が、『水』と『風』の二属性もあったんだ……」
感慨深そうに呟いたユリウスを、ルシータはいつの間に回り込んだのか後ろ側から突然抱きしめた。
「……ユリウス、ルシアは水の属性を。ユーステウスは風の属性を得意としていた。……ユリウスは二人の得意属性を引き継いだんだ!!」
「……父さんと母さんの……」
ユリウスは呆然としていたが、ゆっくりと微笑んだ。
「そうなんだ。……だったら、すごく嬉しいな」
自分の手の平を見つめながら嬉しそうに笑うユリウスを見て、レティシアも釣られて微笑んだ。
「そうだ! お父様とお母様は得意な属性って何?」
「私達か? 私は……」
「レオ! 測定して見せてやれば良いじゃないか!!」
ルシータはレオナルドの手を掴むと勝手に水晶に乗せた。レオナルドはされるがままに手の平を開いた。
すると水晶はユリウスの時と同じ位に白く輝いた。中央に光り輝く光の色は透明な緑色だった。
「ご覧の通りレオの得意属性は『風』!! ちなみに中央の光の色はね、透明な色に近い程、適性が高くなるんだ!! レオの場合、適正値が高いので上位適正として『嵐』の名が与えられているんだ!!」
(上位適正の『嵐』……。流石お父様。確かに凄く透明な緑色……)
レオナルドが水晶から手を離すと、すかさずルシータ自身の手の平を乗せた。
「ついでに私の属性も発表しよう!!」
水晶は三度同じ位の白い光を放つ。しかし、中央の光の色が変わらない。
「あれ? 光の色が変わらない?」
「フッフッフッ私の得意属性はね、ずばり『光』さ!!」
(おおおおっ! レア属性!!)
「『光』や『闇』を得意属性に持つ者は少ない。シータは『光』の魔法を操る魔法剣士。巷では『光の剣士』と言われている」
(お父様、そ、それは……! 小っ恥ずかしくないんですかお母様!! いや、すんごく似合ってるけれども!!)
「ハハハっ! その名に恥じない剣士でありたいものだよ!!」
……恥ずかしくないようで何よりです。
「みんな凄いね! 私も! 私もどんな魔力か知りたい!! ね、今、測定しちゃ……駄目?」
あざとく瞳を潤ませて僅かに首を傾げる。大抵これで皆落ちる。
「…………まあ、十歳と規定はあるが、ある程度魔力が安定していれば測定は可能だろう。しかし……」
「ハハハ! 皆測定したんだ! レティが測定したくなるのは無理もない!! 別に危険は無いのだからやらせてあげても良いのではないか? レオ?」
「…………今回だけだ。次は十歳になってからだ」
「やった! ありがとうお父様お母様!!」
(私は何属性が得意なんだろう? ……闇属性だけは嫌だな。プリティーで天使なこの姿に『闇』は似合わんでしょう! やっぱりお母様と同じ光属性が良いよね! 加えてお父様の風属性との二属性だと兄様とお揃いみたいでもっと良いな。……でも、もしかしてテンプレっぽく全属性対応とかだったりして。若しくは魔力測定不能な位魔力高くて水晶がバーンと破裂……。なんてフラグを立てても流石にないわな)
あれこれ予想しながら手の平を水晶に乗せてみる。
水晶に白い光が現れた。三人と同じように水晶全体を照らし出す。
(おお、やっぱりレティシアはサラブレッドな血筋……ん?)
突然白い光が勢いを増し、その光は水晶だけでなく部屋を照らす程までに強く光り輝いた。
「あ、あれ……?」
すると更に中央から透明な光が白い光を塗り替えるように溢れ出してきた。余りにも眩しい光に目が眩む。
(目が、目がぁぁ~!!)
水晶にヒビが入ったのが辛うじて見えた。
「っレティ!!」
ユリウスが水晶から守る様にレティシアを抱き込んでソファーに倒れ込む。軋む水晶から手の平が離れた瞬間、水晶はガラスが割れるような破裂音と共に粉々になって砕け散った。
(……フラグ、回収しちゃいましたー……)
扉をノックして「ユリウス様とレティシア様をお連れしました」とデュオが告げると、中からレオナルドの応答が聞こえた。
デュオが扉を開けてくれたのでユリウスと二人で中へと入った。
「やあ! 待ってたよユリウス!! それにレティも!」
レオナルドの隣に座っていた、相変わらず男装な出立ちのルシータは相変わらず美しい笑顔で迎えてくれた。
「えへへ、気になって一緒に来ちゃった」
「やれやれ、レティは好奇心旺盛だな」
レオナルドも相変わらず美丈夫なお顔でやや呆れ顔だ。
部屋を見回すと両親の他には誰も居ない。いつもレオナルドの側に控えているセバスや、案内してくれたデュオも既に居なかった。魔力測定は家族のみで執り行う様だ。
テーブルにはボーリングボールよりやや小さめ位の丸い水晶が鎮座していた。お約束なアイテムにレティシアは目を輝かせて駆け寄った。
「お父様! これが魔力測定器!? これに手を乗せれば魔力の属性や魔力量を測れるの!?」
「そうだ。貴重な物だから、転がしたり、投げたりして遊んだりしては駄目だぞ?」
「もうっお父様! 赤ん坊では無いんだから流石にそんな事しません!!」
「はは、冗談だ」
「まあ、レティならやり兼ねないと思うけどね!!」
「ちょっとお母様まで!!」
両親にとってはまだまだ子供なのだろう。しかし余りにも幼稚な子供に思われてるのは心外だ。レティシアはわざとらしく頬を膨らませた。
「怒っているレティも可愛いけど、機嫌を直して一緒に座ろう?」
ユリウスに頭を撫でられる。やはり子供扱いな気がする。まあ子供だけど。
レティシアは少し剥れながらも両親と反対側のソファーにユリウスと座った。
「では、そろそろ始めよう。ユリウス、手の平を水晶に乗せてご覧」
「はい、義父様」
怒っていたことなどさっさと忘れたレティシアは固唾を呑んで見守る。
(オラすっごくわくわくすっぞ!)
既に興奮状態のレティシアに気付く事なく、ユリウスはゆっくりと右手を水晶に近づけ手の平を乗せた。
水晶の中央が白い光を放ち出す。
その光は次第に大きくなっていき、やがて水晶全体を白い光で覆い尽くした。
「わー綺麗っ! お父様! これが兄様の魔力?!」
「そうだ。白い光の強さで魔力量を測る事が出来る。ユリウスはかなり強い魔力の持ち主だ」
「ユリウス!! 水晶を全て光らせる人間はそうそう居ないぞ!! 私やレオを除けば、他の公爵連中ぐらいだ!!」
「おお……」
(流石ユリウス兄様。ハイスペック)
「二人共、水晶の中央をよくご覧。中央に現れる光の色で、その者の一番得意な属性が分かる」
すかさずレティシアは水晶の中央を凝視する。暫くして中央の光だけが色を変えていく。その色は……。
「……水色……? でも、緑色も見える気がするけど……? お父様、これは」
現れた光は一色ではなく二色。透き通る水色と同じく透き通る黄緑に近い緑色が混ざり合う様に渦を巻きながら光っていた。
レオナルドとルシータも驚いているのが分かった。
「……これは珍しい。ユリウスは『水』と『風』の二属性を得意としている様だ」
「え、二つの属性が現れるのはそんなに珍しいの?」
「レティ! 得意な属性は、普通一つなんだ! 昔、稀に複数得意属性を持つ者もいたが、最近では聞いた事がない!! 凄いぞユリウス!!」
ユリウスはゆっくりと右手を水晶から離した。水晶の光は徐々に光を弱めていき、消滅した。ユリウスは背もたれに背中を預けて、大きく息を吐いた。
「……僕の得意な属性が、『水』と『風』の二属性もあったんだ……」
感慨深そうに呟いたユリウスを、ルシータはいつの間に回り込んだのか後ろ側から突然抱きしめた。
「……ユリウス、ルシアは水の属性を。ユーステウスは風の属性を得意としていた。……ユリウスは二人の得意属性を引き継いだんだ!!」
「……父さんと母さんの……」
ユリウスは呆然としていたが、ゆっくりと微笑んだ。
「そうなんだ。……だったら、すごく嬉しいな」
自分の手の平を見つめながら嬉しそうに笑うユリウスを見て、レティシアも釣られて微笑んだ。
「そうだ! お父様とお母様は得意な属性って何?」
「私達か? 私は……」
「レオ! 測定して見せてやれば良いじゃないか!!」
ルシータはレオナルドの手を掴むと勝手に水晶に乗せた。レオナルドはされるがままに手の平を開いた。
すると水晶はユリウスの時と同じ位に白く輝いた。中央に光り輝く光の色は透明な緑色だった。
「ご覧の通りレオの得意属性は『風』!! ちなみに中央の光の色はね、透明な色に近い程、適性が高くなるんだ!! レオの場合、適正値が高いので上位適正として『嵐』の名が与えられているんだ!!」
(上位適正の『嵐』……。流石お父様。確かに凄く透明な緑色……)
レオナルドが水晶から手を離すと、すかさずルシータ自身の手の平を乗せた。
「ついでに私の属性も発表しよう!!」
水晶は三度同じ位の白い光を放つ。しかし、中央の光の色が変わらない。
「あれ? 光の色が変わらない?」
「フッフッフッ私の得意属性はね、ずばり『光』さ!!」
(おおおおっ! レア属性!!)
「『光』や『闇』を得意属性に持つ者は少ない。シータは『光』の魔法を操る魔法剣士。巷では『光の剣士』と言われている」
(お父様、そ、それは……! 小っ恥ずかしくないんですかお母様!! いや、すんごく似合ってるけれども!!)
「ハハハっ! その名に恥じない剣士でありたいものだよ!!」
……恥ずかしくないようで何よりです。
「みんな凄いね! 私も! 私もどんな魔力か知りたい!! ね、今、測定しちゃ……駄目?」
あざとく瞳を潤ませて僅かに首を傾げる。大抵これで皆落ちる。
「…………まあ、十歳と規定はあるが、ある程度魔力が安定していれば測定は可能だろう。しかし……」
「ハハハ! 皆測定したんだ! レティが測定したくなるのは無理もない!! 別に危険は無いのだからやらせてあげても良いのではないか? レオ?」
「…………今回だけだ。次は十歳になってからだ」
「やった! ありがとうお父様お母様!!」
(私は何属性が得意なんだろう? ……闇属性だけは嫌だな。プリティーで天使なこの姿に『闇』は似合わんでしょう! やっぱりお母様と同じ光属性が良いよね! 加えてお父様の風属性との二属性だと兄様とお揃いみたいでもっと良いな。……でも、もしかしてテンプレっぽく全属性対応とかだったりして。若しくは魔力測定不能な位魔力高くて水晶がバーンと破裂……。なんてフラグを立てても流石にないわな)
あれこれ予想しながら手の平を水晶に乗せてみる。
水晶に白い光が現れた。三人と同じように水晶全体を照らし出す。
(おお、やっぱりレティシアはサラブレッドな血筋……ん?)
突然白い光が勢いを増し、その光は水晶だけでなく部屋を照らす程までに強く光り輝いた。
「あ、あれ……?」
すると更に中央から透明な光が白い光を塗り替えるように溢れ出してきた。余りにも眩しい光に目が眩む。
(目が、目がぁぁ~!!)
水晶にヒビが入ったのが辛うじて見えた。
「っレティ!!」
ユリウスが水晶から守る様にレティシアを抱き込んでソファーに倒れ込む。軋む水晶から手の平が離れた瞬間、水晶はガラスが割れるような破裂音と共に粉々になって砕け散った。
(……フラグ、回収しちゃいましたー……)
12
お気に入りに追加
114
あなたにおすすめの小説
誰もがその聖女はニセモノだと気づいたが、これでも本人はうまく騙せているつもり。
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・クズ聖女・ざまぁ系・溺愛系・ハピエン】
グルーバー公爵家のリーアンナは王太子の元婚約者。
「元」というのは、いきなり「聖女」が現れて王太子の婚約者が変更になったからだ。
リーアンナは絶望したけれど、しかしすぐに受け入れた。
気になる男性が現れたので。
そんなリーアンナが慎ましやかな日々を送っていたある日、リーアンナの気になる男性が王宮で刺されてしまう。
命は取り留めたものの、どうやらこの傷害事件には「聖女」が関わっているもよう。
できるだけ「聖女」とは関わりたくなかったリーアンナだったが、刺された彼が心配で居ても立っても居られない。
リーアンナは、これまで隠していた能力を使って事件を明らかにしていく。
しかし、事件に首を突っ込んだリーアンナは、事件解決のために幼馴染の公爵令息にむりやり婚約を結ばされてしまい――?
クズ聖女を書きたくて、こんな話になりました(笑)
いろいろゆるゆるかとは思いますが、よろしくお願いいたします!
他サイト様にも投稿しています。
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております

【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです

〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です
hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。
夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。
自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。
すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。
訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。
円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・
しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・
はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
白い結婚を言い渡されたお飾り妻ですが、ダンジョン攻略に励んでいます
時岡継美
ファンタジー
初夜に旦那様から「白い結婚」を言い渡され、お飾り妻としての生活が始まったヴィクトリアのライフワークはなんとダンジョンの攻略だった。
侯爵夫人として最低限の仕事をする傍ら、旦那様にも使用人たちにも内緒でダンジョンのラスボス戦に向けて準備を進めている。
しかし実は旦那様にも何やら秘密があるようで……?
他サイトでは「お飾り妻の趣味はダンジョン攻略です」のタイトルで公開している作品を加筆修正しております。
誤字脱字報告ありがとうございます!

【完結】氷の王太子に嫁いだら、毎晩甘やかされすぎて困っています
21時完結
恋愛
王国一の冷血漢と噂される王太子レオナード殿下。
誰に対しても冷たく、感情を見せることがないことから、「氷の王太子」と恐れられている。
そんな彼との政略結婚が決まったのは、公爵家の地味な令嬢リリア。
(殿下は私に興味なんてないはず……)
結婚前はそう思っていたのに――
「リリア、寒くないか?」
「……え?」
「もっとこっちに寄れ。俺の腕の中なら、温かいだろう?」
冷酷なはずの殿下が、新婚初夜から優しすぎる!?
それどころか、毎晩のように甘やかされ、気づけば離してもらえなくなっていた。
「お前の笑顔は俺だけのものだ。他の男に見せるな」
「こんなに可愛いお前を、冷たく扱うわけがないだろう?」
(ちょ、待ってください! 殿下、本当に氷のように冷たい人なんですよね!?)
結婚してみたら、噂とは真逆で、私にだけ甘すぎる旦那様だったようです――!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる