猫耳幼女の異世界騎士団暮らし

namihoshi

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夕食に、トランプに。

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あの後、急いで部屋に戻って少したった頃。


『コンコン』


と、少し控えめなノック音が聞こえた。


「?どうぞ~。」


「…。」



パタンと部屋の扉を開けて入ってきたのはメイナお姉ちゃんだった。



「わわわっ、メイナお姉ちゃんどうしたの?」


メイナお姉ちゃんは無表情で淡々といい放つ。


「ウィリエル様から食事の誘い。
勇者も一緒って言ってた。」



…そういえば七時半を回ってるのに何も食べてないな。


「分かった。
すぐ行くね!」


メイナお姉ちゃんはチラリとハルを見てこう言う。


「…そこのペットは?」



「ハルのこと?
ハルは私の魔力しか食べない…いや主食が私の魔力だから食事会には行かなくても大丈夫かな。
…また何かやりそうだし。」


がっつり私の作ったパスタ食べてたけど。
黙っとこう。うん。






その食事会も何事もなく終わった。
ウィリエルお姉ちゃんは仕事が忙しいみたいで夜すら私と一緒にいれないって嘆いていて、じゃあ俺とトランプでもして遊ぼうかって直人お兄ちゃんが言ってくれて。


今、お風呂に入った後直人お兄ちゃんとトランプをしているところだ。


「あぁあ~!また負けた!」


「いや俺もだよぉ。
…なんで猫がブラックジャックできてるの?
しかも無敗だし。」


「にゃー」




現在、私たちは春がディーラーでブラックジャックをしているのだけど…何故かハルがめっちゃ強い。
ヒットする時は「にゃー!」、スタンドの時は「にゃっ!」と、綺麗に鳴き声を使い分けている。
猫(精霊)がルール知ってるって何?!


「っと、もう遅い時間になっちゃったね。」


今の時刻は10時半。
対して遅くはない時間だけど私のような幼女にとっては遅い時間と言える。


「なんか気づくと一気に眠気が…ふわぁ。」


「ミコはもう寝る時間かぁ。
そろそろ俺も部屋に戻ろうかなぁ。」


ぐいっと体を伸ばして離席した後、直人お兄ちゃんは私の頭を一撫でする。


「おやすみ、ミコ。
また明日ねぇ。」


「うん、おやすみなさい直人お兄ちゃん!」


直人お兄ちゃんが部屋から出て行った後、ぼんやりと考える。
…王城も楽しいけれど、やっぱり騎士寮が落ち着くなぁ。


その時、足元に違和感を感じる。

「?ハル?
どうしたの?」



「にゃー!にゃにゃ!」


…あ、ご飯か。


「はい、どうぞ。」


ベッドで無防備に仰向けになる。
うっすらと魔力が吸われている感覚を感じながら私の意識は落ちて行った。
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