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心優視点・厄介な男
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「…。」
あたしはあの子と別れて空間を閉じた後、元の場所へと帰る。
「心優が外出なんて珍しいねぇ、呼び出されでもしたぁ?」
あたしに話しかけてきたこの男は、上の人間から命じられて私の空間に派遣されてきた奴だ。
あたしにとってはただの居候のような男である。
邪魔くさいったらありゃしない。
「…別に、ただの野暮用よ。」
「ふーん?そっかぁ。」
何か含みのある返しをした後、あたしに笑顔で向き直ってくる。
「ねぇ心優。
どうして勇者にあの子達を選んだの。」
…本当に、この男はめんどうくさい。
私が何かを適当にはぐらかせば、こうして私に都合の悪い質問をしてくる。
そしてこの男は、この質問の答えなどわかっているだろうに聞いてくる。
そしてふと、あたしは思い出す。
『また、会えますかっ!』
『また、会いにくるねぇ。』
「…どうして、あなた達はあたしに会いたがるのかしらね。」
あたしはそこまで人に好かれる性格をしていないと思う。
人に優しい言葉だってかけられないし、あまり笑わないから。
「達ってのはちょっと気になるけどぉ、心優は名前の通り、心はちゃんと優しいよぉ?」
「…。」
急に優しい事を言ってくると思って安心してはいけない事を、あたしは知っている。
「要するにツンデレだねぇ~。」
…本当に、めんどくさくて厄介な男。
そして、この男に冷たくしきれない自分にうんざりする。
ふわふわと楽しそうに笑う男を、あたしはため息を吐きながら眺めていた。
あたしはあの子と別れて空間を閉じた後、元の場所へと帰る。
「心優が外出なんて珍しいねぇ、呼び出されでもしたぁ?」
あたしに話しかけてきたこの男は、上の人間から命じられて私の空間に派遣されてきた奴だ。
あたしにとってはただの居候のような男である。
邪魔くさいったらありゃしない。
「…別に、ただの野暮用よ。」
「ふーん?そっかぁ。」
何か含みのある返しをした後、あたしに笑顔で向き直ってくる。
「ねぇ心優。
どうして勇者にあの子達を選んだの。」
…本当に、この男はめんどうくさい。
私が何かを適当にはぐらかせば、こうして私に都合の悪い質問をしてくる。
そしてこの男は、この質問の答えなどわかっているだろうに聞いてくる。
そしてふと、あたしは思い出す。
『また、会えますかっ!』
『また、会いにくるねぇ。』
「…どうして、あなた達はあたしに会いたがるのかしらね。」
あたしはそこまで人に好かれる性格をしていないと思う。
人に優しい言葉だってかけられないし、あまり笑わないから。
「達ってのはちょっと気になるけどぉ、心優は名前の通り、心はちゃんと優しいよぉ?」
「…。」
急に優しい事を言ってくると思って安心してはいけない事を、あたしは知っている。
「要するにツンデレだねぇ~。」
…本当に、めんどくさくて厄介な男。
そして、この男に冷たくしきれない自分にうんざりする。
ふわふわと楽しそうに笑う男を、あたしはため息を吐きながら眺めていた。
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