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朝ごはん

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さて、集落の話は置いておいてさっきから気になっていたことがある。

「あの、ケイトお兄ちゃん。」


「はいなんですか?」


いつも通りの笑顔で返答が返ってくる。



「…なんでだっこなんですかねぇ!?」



「幼子は疲れやすいって聞いたのでこうやって抱っこしてみたのですが…違いました?」


本当に訳わからないって顔でなんてこと言ってるんだろうこの人は。
この抱っこは体的には楽だが、私の心臓が非常に疲れている。
主に女子高生の私の部分が叫んでいる。

「あの、おろしてもらってもいいですか。
ちゃんと歩けますから…」


もはや手を顔に当てて顔を真っ赤にすることしかできない。
ジタバタしてもピクリともしなくて降りられないし無駄に体幹がいいんだよこの人!

なんなの?鍛えてるの?
鍛えてるわ!騎士だったわ!(混乱)


さて、この私の声をケイトお兄ちゃんが聞いてくれたかというと、



「じゃあこのまま食堂に行きましょうか。」


なぜかさっきより満足そうな顔のケイトお兄ちゃんによって見事に私の発言権は消滅した。

…世の中は諦めが大事だ。
今の私は18じゃなくて5歳くらいの幼女…。今の私は5歳の幼女…。

言い聞かせが完了したところで私はケイトお兄ちゃんに質問する。


「あの、朝ごはんって私作ってないんですけど大丈夫ですか?」


昨日の話を聞いてたら朝ごはんに不安しか湧かないのだけれど。



「ああ、それは心配なく。
今日は朝ごはんは準備しなくて大丈夫です。
今日はみこさんにとってはがきますから。」


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今日から1日1回投稿になります~!

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