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過去の私
そこから今までの私
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「おばあちゃんは、悪くないです。頭、あげてください。」
自然と、口からそんな発言が飛び出した。だって、私に話している口調はずっとずっと申し訳なさそうで、過去を悔やんでいるようだったから。
きっと、止めたかったと思っていたと思うから。
それにきっと、おばあちゃんは悪くないって、ざっくりとした話しかわからなかった私でも感じだから。
「…アリスは、優しい子だね。アンタには私を怒る権利があるというのに。ふざけるなと、そう言って私を拒絶しても当然だというのに。」
おばあちゃんはむしろ叱ってくれというように言った。
「でも、おばあちゃん、は、私のお母さんと私を守ろうと、思って、くれていました。私は、そんなおばあちゃんを信じたい、です。」
そんな私をみて、おばあちゃんは泣きそうな表情を浮かべた。
そこで気づいたのだ。
(この人は、私に怒って欲しいんだ。
私やお母さんを守れなかったのに、誰もおばあちゃんが悪いと言わず、一人で生き続けてきたから。
罪の意識はあるのに、誰も罰を与えてくれないから。)
だからこそ、私は言葉を続けた。
この言葉を言うべきな気がして。
「もし、もしそれでも納得が、できないのなら、罪悪感があるのなら、私に生きていく上で必要なことを、教えてくれませんか。」
その言葉を聞いたおばあちゃんは首を傾げた。
「生きていく上で必要なこと?かい?」
「はい。私は、あの部屋で過ごしてきたので、言葉は分かっても、それ以外は、何もわかりません。」
あの部屋は、本だけはあったがそれ以外は何もない場所だった。
そのせいで、読み書きはわかっても、働き方だったり礼儀だったり、何もかもを知らないのだ。
きっとおばあちゃんは先に死んでしまうだろう。
そうすると私はひとりぼっちになってしまう。
だからこそ、一人で生活する能力が必要だと考えたのだ。
「わかったよ。…ありがとう、アリス。」
「…。」
なんとなく、最後のありがとうには、おばあちゃんの罪悪感を減らしたいという私の考えがバレている気がして、少し気恥ずかしくなった。
そしてそこから時が経ち、私は18歳となったのだ。
━━━━━━━━━━━━━━━
筆者は思った。
これ長編じゃね?と。(タグ変更)
あとこれで過去編は終了です~!
長かった…!
自然と、口からそんな発言が飛び出した。だって、私に話している口調はずっとずっと申し訳なさそうで、過去を悔やんでいるようだったから。
きっと、止めたかったと思っていたと思うから。
それにきっと、おばあちゃんは悪くないって、ざっくりとした話しかわからなかった私でも感じだから。
「…アリスは、優しい子だね。アンタには私を怒る権利があるというのに。ふざけるなと、そう言って私を拒絶しても当然だというのに。」
おばあちゃんはむしろ叱ってくれというように言った。
「でも、おばあちゃん、は、私のお母さんと私を守ろうと、思って、くれていました。私は、そんなおばあちゃんを信じたい、です。」
そんな私をみて、おばあちゃんは泣きそうな表情を浮かべた。
そこで気づいたのだ。
(この人は、私に怒って欲しいんだ。
私やお母さんを守れなかったのに、誰もおばあちゃんが悪いと言わず、一人で生き続けてきたから。
罪の意識はあるのに、誰も罰を与えてくれないから。)
だからこそ、私は言葉を続けた。
この言葉を言うべきな気がして。
「もし、もしそれでも納得が、できないのなら、罪悪感があるのなら、私に生きていく上で必要なことを、教えてくれませんか。」
その言葉を聞いたおばあちゃんは首を傾げた。
「生きていく上で必要なこと?かい?」
「はい。私は、あの部屋で過ごしてきたので、言葉は分かっても、それ以外は、何もわかりません。」
あの部屋は、本だけはあったがそれ以外は何もない場所だった。
そのせいで、読み書きはわかっても、働き方だったり礼儀だったり、何もかもを知らないのだ。
きっとおばあちゃんは先に死んでしまうだろう。
そうすると私はひとりぼっちになってしまう。
だからこそ、一人で生活する能力が必要だと考えたのだ。
「わかったよ。…ありがとう、アリス。」
「…。」
なんとなく、最後のありがとうには、おばあちゃんの罪悪感を減らしたいという私の考えがバレている気がして、少し気恥ずかしくなった。
そしてそこから時が経ち、私は18歳となったのだ。
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筆者は思った。
これ長編じゃね?と。(タグ変更)
あとこれで過去編は終了です~!
長かった…!
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