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第二章

繋がりあう運命の物語

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 大きな扉がゆっくりと開き、参列者の間、赤いカーペットを踏みしめ進む。

 二度目なので流れはばっちりだ。
 そんなことを漏らすとカナンさんに「そんなもん無効です!! 記憶から削除しましょう!! 何なら私が記憶消去のアイテム作りますから!!」ってすごい勢いで怒られたっけ。

 だけど、一度目とは全然違う。
 あんな張り詰めた空気でもなければ、殺伐とした視線もない。
 一人で歩いたバージンロードは、今回は父と一緒だ。
 そして視線の先には、私が愛する人がものすごく硬い表情をしてこっちを見ている。

 何て顔してるの、アユムさん。
 普段緊張とかしなさそうなのに。
 アユムさんは悪いけれど、妙に笑いがこみあげてくる。

 最前列にはお母様とミモラ、その隣に通信の映像で、アユムさんのご家族とレイナさん、マモルさん、そして私の前世の両親がそろって、カナンさんもすぐそばで私を見て目をウルウルとさせている。
 大好きな人達に見守られながら、やがて私は、アユムさんの目の前まで到着した。

「ティア……。すごく……すごく、綺麗だ」
「アユムさん。……ありがとう。私の、前世の両親のこと……。私、とっても幸せよ」

 あの日、私は死んで、前の私ではない人物に生まれ変わって、もう父母に会えないのだと絶望した。
 死んでしまったことを信じたくなくて、新しい自分を無意識に拒絶して、これからもそうなのだろうと思っていた。
 まさかまた、お父さんとお母さんを見ることができて、話せて、そして結婚式を見てもらえるなんて思ってもみなかったことだ。

 彼が、アユムさんが繋いでくれた、まるで奇跡のような出来事。

「何も手放す必要はないって、そう教えてくれたのはティアだから。ティアが、俺とあちらの世界、そして家族をもう一度繋げてくれた。だから俺も、ティアをあちらの世界と繋げてあげたかったんだよ。前世のティアが繋げてくれた俺の命が、もう一度この世界でティアに繋がって、そこからたくさんの繋がりが生まれた。これからもそんな繋がりを大切に増やしていこう。一緒に」

 そう言って私のベールをそっと上げると、穏やかにほほ笑むアユムさんの顔がクリアになった。

「それではお二人とも、誓いの口づけを」

 あの時とは違う、大好きな人と。

「ティア、愛してる」
「私も、愛してる」

 そして私たちは、大切な人達の前で、永遠に続く愛を誓った。

 私があの日、助けた命。
 大切に大切に生きてきてくれたから、私は彼と繋がることができたのだろう。

 もしも運命というものがあるのなら、きっとそう。
 これが私の、私たちの、長い長い運命の物語。
 これからも続いていく、繋がりの物語。

 私はこれからもきっと、その繋がりを感じながら、大切な人と生きていく──。


END


~あとがき~
ここまで読んでくださいましてありがとうございます!!
書きたかったんです、ドレス姿でモーニングスター振り回す令嬢(笑)
たくさんの繋がりによってこの物語も、私達も生きています。
私と、そしてこの作品と繋がってくださった皆様に感謝を込めて。

また別の作品でお会いしましょう♪

景華


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