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捻くれ子爵の不本意な結婚
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緩やかな川の流れを埋め尽くすの花のように、色とりどりのドレスがくるくると円を描いて流れていく。心地よいワルツの旋律に合わせて揺れ動く人波を、ヴァイオレットはひとり、ホールを見渡せる二階通路から眺めていた。
デビュタントが侍女も連れずにひとりで会場を歩き回るだなんて、不用心も良いところだ。通常であれば、そんな浅はかな行動は介添人が許さない。けれど、伯母による監視の目から逃れることは、ヴァイオレットにとってはごく簡単なことだった。彼女がラーズクリフ伯爵を探しに行くと言えば、伯母はイエスと言わざるを得ないからだ。
喉から手が出るほどラーズクリフ伯爵からの求婚を欲していながら、伯母はヴァイオレットとラーズクリフ伯爵を引き合わせる術を何ひとつ持っていなかった。彼の周りにはいつも社交界の錚々たる顔触れが揃っており、資産家でもない上流を気取っただけの中産階級の人間では近付くことさえ出来なかったのだ。
そういった伯母の実情を知るヴァイオレットが夜会で自由に動き回る口実として、ラーズクリフ伯爵の存在は実にありがたいものだった。もっとも、今夜の彼女にとっては、それもただの口実ではなくなっていたけれど。
何気なく階下を見下ろすと、ホールの中央に一際目立つカップルがいた。初々しいドレス姿のパートナーを、男性が力強いリードで周囲に見せ付けている。人々の視線を惹きつけるそのカップルがアーデンとシャノンであることに気が付いて、ヴァイオレットは微かに眉間に皺を寄せた。
純真無垢なシャノンが、あの嘘つきのろくでなしに惹かれつつあることに、ヴァイオレットは気付いていた。男性に——それどころか女性にも甘やかされたことがなかったシャノンにとって、あの男の甘い誘惑には抗い難いものがあるに違いない。
シャノンが食い物にされる姿なんて見たくない。ヴァイオレットはぎりと奥歯を噛み締めた。シャノンとアーデンの関係を、これ以上親密なものにしたくなかった。ふたりの距離が近付けば近付くほど、シャノンが傷つくことになるとわかっているからだ。彼には——アーデン卿には、美しい愛人がいるのだから。
アーデンとの結婚だけが目的の伯母は、わざわざそんなことをシャノンに伝えたりしないだろう。けれど、割り切ったようなことを口にしていても、シャノンはいずれ、彼の愛を求めずにはいられなくなる。彼の優しさがうわべだけのものだとわかっていても。
忌々しいことに、あの男はどういうわけかシャノンの好みを正確に把握していた。彼女の魅力を最大限に引き出すコーディネートで、まだ蛹でしかなかった彼女を羽化させてしまった。そんなことは、シャノンがホールに入ってきたときにすぐわかった。ヴァイオレットに集まっていた幾人かの紳士の注意が、瞬時にシャノンに向けられたからだ。
本人はまったく気付いていなかったようだけれど、隣にいたアーデンは気付いたはずだ。仮初めのものとはいえ、自分で飾り立てた婚約者が他の男の目を惹きつけたことに、アーデン自身も少なからず焦りを覚えた違いない。ああやって、これ見よがしにシャノンとの関係を見せ付けているのだから。
このまま、アーデンの好きにさせておくわけにはいかない。誰かがシャノンの目を覚ましてやらなければならない。
ヴァイオレットはふたたびホールを見渡した。それから身を乗り出して、ホールの隅にできた人集りに目を凝らした。シャンデリアの光を艶やかに宿らせて、琥珀色の髪が揺れている。
「みつけたわ」
ぽつりとそうつぶやくと、彼女は足早に二階廊下を迂回して、人集りに一番近いホールへの階段を駆け下りた。
ホールでは黒と芥子色のベストを着た給仕が、夜会服で着飾った招待客にワインやシャンパンを振舞っていた。ヴァイオレットは給仕のトレイから赤ワインのグラスを手に取ると、すれ違う客のひとりひとりに愛想良く微笑みながら、ゆるやかに彼との距離を詰めていった。
シンプルな夜会服を上品に着こなしたラーズクリフ伯爵は、夜会の主催者であるオグバーン氏と歓談しているようだった。彼独特の耳触りなめらかな低い声は、賑やかなホールのざわめきに遮られることなくヴァイオレットの耳に鮮明に届いた。彼が会話を切り上げる、その瞬間、ヴァイオレットは何食わぬ顔で彼に近付くと、振り向きざま、彼の腕にさりげなくぶつかって悲鳴をあげた。
「やだ、私ったら……」
ドレスの胸元にかかった赤ワインを見下ろして、ヴァイオレットはすぐさま顔をあげた。
「ごめんなさい。ジャケットにかかったりしなかったかしら」
「いや、私は大丈夫だ」ラーズクリフ伯爵はそう言って、ヴァイオレットの胸元に視線を留めた。「きみのほうこそ、かなり酷く汚れてしまっているようだが」
「ええ……でも、これは私の不注意のせいですもの。お気になさらないで」
ヴァイオレットはにこやかに微笑むと、白いレースのハンカチで胸元を押さえた。伯爵は素早く周囲に目を走らせると、近くに居た給仕に「客室の用意を」と声を掛けた。
「すぐに部屋を用意させる。きみのシャペロンを呼んでくるから、大人しく部屋で待ちなさい」
矢継ぎ早にそう言って、すぐさまシャペロンが控える壁際を振り返る。同時にヴァイオレットは動いていた。大きく一歩踏み出して、彼の胸元に身を寄せる。指先で彼のカフスを握り、乞うように彼を見上げて囁いた。
「お話があります。お時間をいただけませんか」
彼は一瞬動きを止めたものの、目だけで周囲を気にしながら、「わかった」と声を潜めて囁くと、わざとらしい大声で言った。
「部屋の用意ができたようだ。ミス・メイウッド、こちらへどうぞ」
それからヴァイオレットに自分の腕を取らせると、人垣を裂くようにしてホールを出た。
デビュタントが侍女も連れずにひとりで会場を歩き回るだなんて、不用心も良いところだ。通常であれば、そんな浅はかな行動は介添人が許さない。けれど、伯母による監視の目から逃れることは、ヴァイオレットにとってはごく簡単なことだった。彼女がラーズクリフ伯爵を探しに行くと言えば、伯母はイエスと言わざるを得ないからだ。
喉から手が出るほどラーズクリフ伯爵からの求婚を欲していながら、伯母はヴァイオレットとラーズクリフ伯爵を引き合わせる術を何ひとつ持っていなかった。彼の周りにはいつも社交界の錚々たる顔触れが揃っており、資産家でもない上流を気取っただけの中産階級の人間では近付くことさえ出来なかったのだ。
そういった伯母の実情を知るヴァイオレットが夜会で自由に動き回る口実として、ラーズクリフ伯爵の存在は実にありがたいものだった。もっとも、今夜の彼女にとっては、それもただの口実ではなくなっていたけれど。
何気なく階下を見下ろすと、ホールの中央に一際目立つカップルがいた。初々しいドレス姿のパートナーを、男性が力強いリードで周囲に見せ付けている。人々の視線を惹きつけるそのカップルがアーデンとシャノンであることに気が付いて、ヴァイオレットは微かに眉間に皺を寄せた。
純真無垢なシャノンが、あの嘘つきのろくでなしに惹かれつつあることに、ヴァイオレットは気付いていた。男性に——それどころか女性にも甘やかされたことがなかったシャノンにとって、あの男の甘い誘惑には抗い難いものがあるに違いない。
シャノンが食い物にされる姿なんて見たくない。ヴァイオレットはぎりと奥歯を噛み締めた。シャノンとアーデンの関係を、これ以上親密なものにしたくなかった。ふたりの距離が近付けば近付くほど、シャノンが傷つくことになるとわかっているからだ。彼には——アーデン卿には、美しい愛人がいるのだから。
アーデンとの結婚だけが目的の伯母は、わざわざそんなことをシャノンに伝えたりしないだろう。けれど、割り切ったようなことを口にしていても、シャノンはいずれ、彼の愛を求めずにはいられなくなる。彼の優しさがうわべだけのものだとわかっていても。
忌々しいことに、あの男はどういうわけかシャノンの好みを正確に把握していた。彼女の魅力を最大限に引き出すコーディネートで、まだ蛹でしかなかった彼女を羽化させてしまった。そんなことは、シャノンがホールに入ってきたときにすぐわかった。ヴァイオレットに集まっていた幾人かの紳士の注意が、瞬時にシャノンに向けられたからだ。
本人はまったく気付いていなかったようだけれど、隣にいたアーデンは気付いたはずだ。仮初めのものとはいえ、自分で飾り立てた婚約者が他の男の目を惹きつけたことに、アーデン自身も少なからず焦りを覚えた違いない。ああやって、これ見よがしにシャノンとの関係を見せ付けているのだから。
このまま、アーデンの好きにさせておくわけにはいかない。誰かがシャノンの目を覚ましてやらなければならない。
ヴァイオレットはふたたびホールを見渡した。それから身を乗り出して、ホールの隅にできた人集りに目を凝らした。シャンデリアの光を艶やかに宿らせて、琥珀色の髪が揺れている。
「みつけたわ」
ぽつりとそうつぶやくと、彼女は足早に二階廊下を迂回して、人集りに一番近いホールへの階段を駆け下りた。
ホールでは黒と芥子色のベストを着た給仕が、夜会服で着飾った招待客にワインやシャンパンを振舞っていた。ヴァイオレットは給仕のトレイから赤ワインのグラスを手に取ると、すれ違う客のひとりひとりに愛想良く微笑みながら、ゆるやかに彼との距離を詰めていった。
シンプルな夜会服を上品に着こなしたラーズクリフ伯爵は、夜会の主催者であるオグバーン氏と歓談しているようだった。彼独特の耳触りなめらかな低い声は、賑やかなホールのざわめきに遮られることなくヴァイオレットの耳に鮮明に届いた。彼が会話を切り上げる、その瞬間、ヴァイオレットは何食わぬ顔で彼に近付くと、振り向きざま、彼の腕にさりげなくぶつかって悲鳴をあげた。
「やだ、私ったら……」
ドレスの胸元にかかった赤ワインを見下ろして、ヴァイオレットはすぐさま顔をあげた。
「ごめんなさい。ジャケットにかかったりしなかったかしら」
「いや、私は大丈夫だ」ラーズクリフ伯爵はそう言って、ヴァイオレットの胸元に視線を留めた。「きみのほうこそ、かなり酷く汚れてしまっているようだが」
「ええ……でも、これは私の不注意のせいですもの。お気になさらないで」
ヴァイオレットはにこやかに微笑むと、白いレースのハンカチで胸元を押さえた。伯爵は素早く周囲に目を走らせると、近くに居た給仕に「客室の用意を」と声を掛けた。
「すぐに部屋を用意させる。きみのシャペロンを呼んでくるから、大人しく部屋で待ちなさい」
矢継ぎ早にそう言って、すぐさまシャペロンが控える壁際を振り返る。同時にヴァイオレットは動いていた。大きく一歩踏み出して、彼の胸元に身を寄せる。指先で彼のカフスを握り、乞うように彼を見上げて囁いた。
「お話があります。お時間をいただけませんか」
彼は一瞬動きを止めたものの、目だけで周囲を気にしながら、「わかった」と声を潜めて囁くと、わざとらしい大声で言った。
「部屋の用意ができたようだ。ミス・メイウッド、こちらへどうぞ」
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