追放された最強令嬢は、新たな人生を自由に生きる

灯乃

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英雄夫妻

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 大陸でも有数の壮麗さと堅牢さを誇る、ランヒルド王国テルエス王宮。人々から『水晶宮』とも呼ばれるその宮殿は、巨大な三日月湖に抱かれるようにして佇んでいる。風のない穏やかな日には、四つの優美な尖塔が湖面に映り、幻想的な風情を醸し出す。
 毎年、夏の社交シーズンがはじまる頃には、広大な庭園は華やかな花々が咲き乱れ、そこを訪れる者たちの目を楽しませている。そして、数週間前から王宮で働く者たちが昼夜を問わず準備に当たっていたのが、エッカルト王国からの友好使節団を歓待するための、王家主催の園遊会だ。

 二日前の晩に行われた、社交シーズンのはじまりを告げる夜会は、盛大な花火を最後に無事終了している。その後最初に行われる園遊会で、友好使節団の代表夫妻を主賓の筆頭としているのは、ランヒルド王国がエッカルト王国との関係を非常に重視している証だ。
 正午にはじまる園遊会を一時間後に控え、王宮の一角に与えられた客間の窓から、華やかな会場を設えられた庭園を見下ろし、アレクシアは小さく苦笑する。

「なぁ、ウィル。先日の夜会で、『愛しい妻の娘』に気遣いを示すというエッカルトの英雄殿の目的は、すでに達せられたと思うのだが……。今日の園遊会に、わたしが顔を出す意味はあるのかな?」

 淡いブルーを基調とした膝丈の可愛らしいドレスをまとい、銀の櫛で髪を結い上げた彼女は、王宮の中央広間で行われた夜会の様子を、遠隔知覚の魔術でしっかりとのぞき見ていた。普通ならば、王宮警備のために常時発動している防御魔導障壁に妨害されてしまうところだが、ローレンスのほうからその魔術の中継点となることを申し出てきたのだ。

 正直なところ、あちらがそこまで『誠実な対応』をしてくるとは思っていなかったので、少し驚いた。国王には内緒だと言っていたから、もしかしたら今回の件で散々苦労させられている父親に対する、ささやかな意趣返しの意味もあるのかもしれない。幼い頃から、ろくでなしの父親のせいで大変苦労してきた彼女は、打ち合わせで顔を合わせるたび疲れ切った様子の彼を見て、ちょっぴり親近感を抱いたものである。

 何はともあれ、ローレンスが身につけた、王族の通信魔導に使う魔導鉱石をあしらったブローチを媒介とし、アレクシアは夜会の一部始終を見聞することができた。そんな彼女と視界と聴覚を共有していたウィルフレッドも、当然ながら同じものを見ている。
 黒のトラウザーズとウエストコート、白銀のクラヴァットで盛装した彼が、やはり苦笑しながら口を開く。

「あなたが夜会に出席できる年齢なら、あの場でブリュンヒルデさまとの感動の再会を演出して終わりにできたのでしょうけれどね。ブリュンヒルデさまのご息女であるあなたが、心からおふたりの結婚を祝福するという『物語』を公の場で成立させたほうが、より世間に対する印象がよいということなのでしょう」

 昨夜の夜会で、エッカルトの英雄フェルディナント・バルツァーが、国王にアレクシアの安否を尋ねていた。それに対し、国王は『何も心配することはない』と応じ、以前は子どもじみたわがままを言っていた彼女だが、今は両親の新たな門出を心から祝福しているとのたまったのだ。すでにスウィングラー辺境伯家の継承権も復帰させているため、いずれ立派な淑女となってくれることを期待している、と。
 厚顔無恥な国王には、いつか敬意を込めて膝かっくんをしてやりたい。

 メッセンジャー役のローレンスからは、園遊会でブリュンヒルデと母娘らしい会話を交わすこと、彼女のヴァルツァーとの結婚を祝福すること、アレクシアは今後もランヒルド王国で暮らすつもりであると語ること、の三つを依頼されている。
 可能な限り、ローレンスもそばにいてフォローするということだ。だが、こんな子どもの使いのようなミッションで失敗したら、あとでウィルフレッドに何を言われるかわかったものではない。彼女は断じて、大切な従者に残念なものを見る目を向けられたくはない。よって、どれほど単純で簡単と思える仕事であろうと、全力で取り組む所存である。
 とはいえ、この国の王太子であるローレンスがそばにいれば、それなりに便利なこともありそうなので、アレクシアは黙って彼の申し出を受け入れた。
 ウィルフレッドが、ふと瞬きをして口を開く。

「それにしても、アレクシアさまのお顔立ちはブリュンヒルデさま譲りだったのですね。本当に、よく似ていらっしゃる」
「そうか? スウィングラーにいた頃は、髪も目もエイドリアンさまにそっくりだと言われていたんだがな」

 アレクシアの月光を思わせる淡い金髪とマリンブルーの瞳は、父親のエイドリアンから受け継いだものだ。華やかなハニーブロンドの髪とエメラルドグリーンの瞳を持つブリュンヒルデは、自分の母親ながらとても美しい女性だったが、今まで彼女に似ていると言われたことはない。
 しかし、ウィルフレッドは柔らかくほほえみ言った。

「あなたの髪や瞳の色彩は、たしかにエイドリアンさまと同じでいらっしゃいますが、お顔立ちそのものはブリュンヒルデさまに生き写しと言っていいほどですよ。おふたりが並んだところを見て、あなた方が親子でないと思う者はまずいないでしょうね」
「そうか。ならば、園遊会での茶番も考えていたより恙なく済むかもしれんな。あの方との親子証明からはじめねばならんとは、まったく面倒だと思っていたんだ」

 何しろ、物心ついてから一度も顔を合わせたことがない相手である。アレクシア自身、肖像画だけの前情報で正しく母親を識別できる自信がなかったこともあって、行儀悪く夜会ののぞき見などしていたのだ。
 窓辺に頬杖をつき、彼女はウィルフレッドに問う。

「もう一度だけ確認するが、おまえは本当にいいんだな?」

 ひどく抽象的なその問いに、彼はまるで迷う素振りもなく笑ってうなずく。

「はい。オレはあなたの従者ですが、いやなことはちゃんといやだと言いますよ」

 そうか、とアレクシアは大きく息を吐いた。

「ならば、いい。……さて、そろそろ行くか。道化を演じるのも、今日限りと思えば少しは楽しめるかもしれん」
「オレは、淑女のあなたも好きですよ。アレクシアさま」

 ウィルフレッドの軽口に、彼女は思わず声を立てて笑う。

「ありがとう、ウィル。お陰で、肩の力が抜けた」
「お役に立てて、何よりです。――お手をどうぞ、マイレディ」

 文句のつけようのない所作で差し出された彼の腕に、軽く指先をのせる。もう一度深呼吸をして、アレクシアはにやりと不敵な笑みを浮かべた。

「さぁ、戦闘開始だ」

 彼女は王宮側の配慮で、デズモンドやエイドリアンをはじめとするスウィングラー辺境伯家の面々とは、いまだ顔を合わせていない。アレクシアが生家から追放され、普通ならば死んでもおかしくない状況に追い込まれていたのは、紛れもない事実だ。いくら面の皮が厚い国王でも、そんな彼女に祖父や父親とまで和解しろとは言いにくかったのかもしれない。
 だが、今日の園遊会には必ず彼らも出席しているだろう。できることならその存在に気づかなかったことにしたいところだが、さすがにそういうわけにもいかないはずだ。

(まぁ、スウィングラー辺境伯家への対応については、特に王宮側から指示は出ていないしな。あちらとて、場の空気をぶち壊すような真似はしないだろうし、適当にあしらっておけば問題あるまい)

 そんなことを考えながら訪れた、園遊会の会場。一歩足を踏み入れた途端、周り中から強い視線を向けられる。
 未成年の参加も認められている場とはいえ、やはりその数は多くない。社交界デビューする前の少女が着る膝丈のドレスをまとった彼女が、一時この国中で『親の幸福を祝福できないわがまま娘』と噂されていた張本人であることは、すぐにわかるのだろう。

 しかし、先日の夜会で国王自身が、アレクシアの過去の振る舞いを許容する発言をしている。彼女に向けられる数え切れないほどの視線には、困惑を色濃く孕んだものがほとんどだ。
 この園遊会に参加している以上、それは彼女が国王に招かれたということ。そんな彼女を悪し様に言うことは、国王が許した者を糾弾するに等しい。その上、アレクシアはこの場において最も配慮されるべき賓客――エッカルトの英雄が、妻の娘として気にかけている少女である。

 諸々の事情や思惑が絡み合って、かつてそれなりに親しくしていた者たちでさえ、遠巻きに彼女を見ているだけだ。よけいな面倒がなくて、実にありがたい。
 美しく飾り付けられた庭園をゆったりと歩きながら、咲き誇る花々の見事さを楽しんでいたアレクシアは、やがて会場入り口のほうで一際大きく人の気配が動くのを感じた。見れば、予想通りの華やかな装いをした男女の姿がある。

 堂々たる偉丈夫、という言葉を体現したかのような見事な体躯を、艶やかな盛装に包んだ男性。エッカルトの英雄たる、フェルディナント・バルツァー。まだ二十九歳の若さだという彼は、赤褐色の髪にダークブルーの瞳を持つ、寡黙な印象の持ち主だ。

 その隣に寄り添う、ほっそりとしたドレス姿の女性と、目が合った。最高級の宝玉もかくやという、美しいエメラルドグリーンの瞳。それが、ただ静かにアレクシアを見つめてくる。
 先日の夜会でのぞき見た通りの華やかな美貌と、女性美をそのまま人の姿にしたような完璧なプロポーション。
 幼い頃に焦がれた彼女の母は、すでに触れてはいけない存在としてそこにいた。

(……ふむ。こちらを認識しているのは間違いないようだが、思っていた以上にお互い感動もへったくれもない感じだな)

 彼女を見つめる女性の顔は、ウィルフレッドいわくアレクシアとそっくりだということだが、やはり自分ではよくわからない。あちらが完璧に化粧を施しているのもあるだろうが、あれほど大人の女性の魅力を醸し出している人物と、まだ十五歳の自分自身が似ていると言われても、納得できないというのが正直なところだ。

 なんにせよ、現状こちらは一貴族の娘、ブリュンヒルデは一国を代表する英雄の妻。たとえ血のつながりがどうであろうと、気軽に声をかけていい相手ではない。
 ひたすら相手の出方を待つしかない状況だが、幸いブリュンヒルデの視線に気づいたらしいフェルディナントが、アレクシアを見た。一瞬、驚いたように目を瞠った彼が、妻をエスコートして近づいてくる。
 アレクシアの目の前にやってきた異国の英雄が、低く落ち着いた声で口を開く。

「エッカルト王国から参りました、フェルディナント・バルツァーと申します。失礼ですが、スウィングラー辺境伯家のご令嬢でいらっしゃいますか?」
「はい。わたくしは、アレクシア・スウィングラー。こちらの彼は、ウィルフレッド・オブライエンと申します。このたびは、お目にかかれて光栄に存じます。――ヴァルツァーさま?」

 初対面の挨拶を終えた彼女が訝しげな声を上げたのは、フェルディナントが自分たちの周囲に認識阻害の魔術を展開したのを感じたからだ。一瞬のことであり、また範囲が極小規模であることもあって、ほかに気づいた者がいる様子はない。
 フェルディナントが、穏やかな笑みを絶やさないまま静かに言う。

「どうぞ、笑顔だけはそのままに。自分たちの会話は適当な時候の挨拶に聞こえるよう設定しておりますが、視覚は一切いじっておりませんので。あぁ、自分のことはどうぞフェルディナントと呼んでください」
「……了解いたしました、フェルディナントさま」

 この一瞬で、音声だけでも即時に変換できる高度な認識阻害の魔術を展開できるとは、驚きである。この異国の英雄は、細かな調整を必要とする魔術もお得意であるらしい。威力重視の力業ばかりが得意の従者に、ぜひ見習わせたいものだ。
 アレクシアがしみじみとそんなことを考えていると、ようやくブリュンヒルデがふっくらとした赤い唇を開いた。

「……アレクシア。あなたが私を、母と思っていないことは知っています。私は、乳飲み子だったあなたしか腕に抱いたことがないのです。そんな私に、どうしてあなたの母と名乗ることができましょう」

 感情の透けない、冷ややかにも聞こえる声。

「ですが、おそらくあなたが思っているよりも、私はあなたのことを知っています。――あなたが、幼い頃から戦場に立たされていたこと。そちらの従者を、立派に育て上げたこと。そして、この国の王家とスウィングラー辺境伯家が、一度あなたを切り捨てようとしたことも」
「ブリュンヒルデさま……?」

 困惑したアレクシアに、ブリュンヒルデは淡々と続ける。

「アレクシア。私があなたとこうして話をするのは、これが最初で最後になるでしょう。ですから、これだけは伝えておきたかった。……あなたが、周囲の大人たちから捨てられた自分自身の価値を見失い、軽んじてしまうのは仕方がないことです。詫びて済むことではありませんが、幼いあなたを手放した私自身の咎でもあります。でもそれは、今でもそうしてあなたのそばにいる従者の忠義を軽んじることに等しいのですよ」

 一度ウィルフレッドを見てから、彼女は言う。

「信じなさい、アレクシア。あなたはとても優しい、いい子なのです。そうでなければ、あなたの大切な従者が、これほどあなたを慕うものですか」

 わからない。なぜ、ブリュンヒルデがこんなことを口にするのか。

「私は王命により、祖国へ戻らねばなりません。ですが、もし今後あなたに何か困ったことがあれば、すぐに部下を向かわせます。エッカルト王国に、いつでもあなたを気にかけている大人がひとりいることだけは、どうか覚えていてください」

 おまけに、何やら頼れるアニキの担任教師のようなことを言い出した。今更何を、と思う気持ちがないではなかったけれど、それよりもブリュンヒルデの言葉に気になる点がある。アレクシアは、彼女に問うた。

「あの、ブリュンヒルデさま。今、王命とおっしゃいましたけれど……。あなたがエッカルト王国へお戻りになるのは、フェルディナントさまの熱烈な求婚ゆえではなかったのですか?」

 まぁ、とブリュンヒルデが目を見開く。それからひとつうなずき、彼女は言う。

「この件の真実は、あなたには知らされていなかったのですね。ええ、アレクシア。私が祖国へ戻る本当の理由は、そんなばかげたものではありません」

 そうして、はじめて小さく微笑した彼女は、哀れなものを見る目を夫に向けた。

「残念ね、フェルディナント。アレクシアは、陛下の思惑通りにあなたのことを、色恋に溺れて自国の王すら脅した、頭の悪すぎる慮外者だと信じていたようよ」
「……ブリュンヒルデさま。そうやって人の傷口に塩を塗り込むときに生き生きとした顔をされるのは、心の底からいかがなものかと思います」

 深々としたため息交じりに応じたフェルディナントが、どことなくどんよりとした眼差しでアレクシアを見る。

「アレクシア嬢。自分は幼い頃から、ブリュンヒルデさまを姉のように慕っておりました。互いの屋敷と年齢が近いこともあって、何かと親しくさせていただいたのは事実ですが、世間で言われているような恋情を抱いたことはありません」
「えぇ、そうね。私だって、いまだにあなたのことを可愛い弟のようにしか見られないわ」

 あっさりととんでもないことを口にして、ブリュンヒルデは再びアレクシアと向き直った。

「苦労ばかりしていたあなたには申し訳ないのですが、スウィングラーの別邸での暮らしは、私にとってそう悪いものではなかったのですよ。ろくでなしの旦那さまに愛想を尽かしたことにしておけば、傷心の私に対するご機嫌伺いという名目で、どんなお客さまでも招き放題だったのですもの」

 その言いように、アレクシアはひくりと頬を引きつらせる。

「……ブリュンヒルデさま。まさかあなたは、スウィングラー辺境伯家の別邸を、エッカルト王国の密偵の宿舎とされていたのですか?」
「いいえ。私を慕ってついてきてくれた部下たちに、密偵の真似事をさせていただけです。いくら優秀な人材でも、その資質を活かせる仕事をさせなければ腐らせてしまうだけですから。お陰で、あなたがスウィングラー辺境伯領でどのように過ごしていたのか、私は大体のことを知っております」

 ブリュンヒルデが、どこか誇らしげに微笑した。

「私の部下は、みなとても気が利くのですよ。あなたがシンフィールド学園で親しくしている可愛い子どもたちの素性も、何も言わずともすぐに調べ上げてくれました。ジョッシュもキャスリーンも、面倒なしがらみや背景など何もない普通の家の子です。ふたりとも、とてもいい子のようですね。気の合う友人というのは、信頼できる部下と同じように、人生においてとても得がたい宝物ですもの。大切にするのですよ」
「……ハイ。ブリュンヒルデさま」

 なんだか遠いところを見たくなったアレクシアに、フェルディナントが言う。

「そうやってブリュンヒルデさまが優秀な人材と遊んでいることを、日常的に過労死寸前の我が国の陛下が聞き及んでしまいましてね。ご自身の睡眠時間を確保するため、どうにかしてブリュンヒルデさまを呼び戻せないかと策を弄した結果が、あなたもご存じのばかげた求婚騒ぎというわけです。遠征先でその話を部下から聞かされたとき、自分は生まれてはじめて、陛下に全力で頭突きをしたい衝動に駆られました」

 ブリュンヒルデが、哀れむ視線を夫に向ける。

「あなたは昔から、三歩下がってうしろをついてくるような、年下のおとなしくて可愛らしいご令嬢が好みだったものね。こんな年増の出戻りを押しつけられて、まったくお気の毒だこと」

 まるで他人事のように言われ、フェルディナントが思いきり顔をしかめた。

「仮にも夫となった男を、いつまでも思春期の少年のようにおっしゃらないでいただきたい。――アレクシア嬢。つまり、あなたの両親が離縁し、その結果あなたがスウィングラー辺境伯家から出る原因となったのは、ひとえに我が国の陛下が毎日四時間眠りたいという欲望に負けたからなのです。我が主に代わって、心よりお詫び申し上げます」
「……イエ。このたびの一件でスウィングラー辺境伯家を出られたこと、今では大変幸運なことであったと思っております。エッカルト国王陛下には、どうぞご自愛くださいますよう、お伝えくださいませ」

 アレクシアの傍らで、ウィルフレッドが「アレクシアさまは、中身も母君によく似ていらっしゃったのか……」と呟いているが、心の底からもの申したい。彼女は断じて、ブリュンヒルデのような、国を動かすほどの有能さやしたたかさなど持ち合わせていない。ただ、幼い頃から歪んだ英才教育を受けさせられた結果、ちょっとばかりよその子どもにはないスキルを身につけてしまった、ごく普通の平凡な子どもなのだと。
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