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旅立ち
最強スキル
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アンビシオン帝国は、ガーラ大陸の北西から中央までを支配する大国だ。その中心部から少し北よりに位置する帝都、デル・テスタ。北方の堅牢堅固な建築様式と、華やかな中央文化が入り交じった街並みは、はじめて見る者に不思議な異国情緒を感じさせる。
大陸でも、最も人口の多い都市のひとつであるデル・テスタには、壮麗な建物群や風光明媚な自然保護区域も数多い。大陸北方で随一の経済都市であると同時に、さまざまな観光名所を擁する観光都市でもあった。
そして今、明日から三日間に渡り皇帝の生誕七十年を祝う祭典が開かれるとあって、デル・テスタは常にない数の人々で溢れかえっている。帝国各地から集まる者たちはもちろん、異国からこの祭典に合わせてやってくる者たち。
だが、人の数が増えれば、犯罪の数もまた増える。帝都側は、当然ながら祭典期間中の治安維持について、綿密な計画を練っていた。警備人員の確保、彼らの巡回ルートの選定と、不測の事態に対するマニュアル作成。
それでも、酔っ払いの引き起こす騒動や、観光客狙いのスリや置き引きなどは、普段よりも格段に発生件数が増えてしまうが、その程度はもとより想定内だ。大切なのは、祭典が無事にフィナーレを迎えられること。それまでの間に多少の問題が起きようと、被害が許容範囲内のレベルであれば、祭典は成功だったと言えるのだ。
そんなふうに、現在『帝都の平和は、自分たちの肩にかかっています!』という気合いに満ちあふれているのが、元々帝都の治安維持の任に就いていた帝国軍の警備部隊と、各街ごとに人々が組織している自警団の面々である。
自警団、といっても、そのトップの補佐に帝国軍の警備部から派遣されるのが慣例になっているため、互いの情報伝達は非常にスムーズだ。ここ数年というもの、いつどこで自警団では対処しきれないレベルの蟲が発生するかわからなくなっている。そのため、自治を重んじる下町の者たちにとっても、帝国軍に直接コンタクトを取れる現在の組織体系は、決して煩わしいばかりのものではないのだ。
とはいえ、結局のところ彼らが想定しているのは、平時の警備である。特に、こういっためでたい祭典などの時期は、たとえ敵対関係にある国であろうとも、あからさまな行動を起こすのはよろしくない、というのがこの大陸の不文律だ。
ハーゲンの協力により、大陸の東を支配する大国ソウの衣服と身分証を手に入れたリヒトたちは、大勢の観光客たちに紛れ、まったく問題なく帝都の検問をクリアしていた。あまりにもあっさり門を通過できたものだから、少し拍子抜けしてしまったくらいだ。
ちなみに今は、異国の衣服とゴーグルがあまりに合わなかったため、顔を隠す小細工はしていない。リヒトはいつも通り髪の色を黒に変えているけれど、ほかの三名は美麗すぎる素顔を堂々と晒している。それにアリーシャが異を唱えなかったのは、この人の多さではあまり小細工に意味がないと判断したからのようだ。
リヒトは、まだ着慣れない衣服の詰め襟を引っ張りながら、隣を歩くスバルトゥルを見た。
「バル兄貴。この先は、どっちへ行けばいい?」
東の砦からの道中、時折父親の形見の指輪――そこから伸びる魔力の糸を確認しながら、ここまで来た。一応、危険を冒して帝都入りをしているのだから、『目的地は、帝都の向こう側にあるどこかでした』というオチは遠慮したいところである。
少しの間、目を細めてリヒトが摘まんだ指輪を見ていたスバルトゥルは、ひとつうなずいて帝都の北側へ向かう道を見た。観光客たちの多くが帝都の中心部へ向かう街道へ向かっているが、それでも少なくない人数がそちらへ進んでいる。
「帝都の北には、大神殿と霊廟があったはずだ。たぶん、そこだろう」
「そうか。ありがとう」
どうやら、無駄足は踏まずにすみそうだ。
そして、ここまでの道中に聞こえてきた人々の会話や、遠距離通信魔導具を通じて伝えられるハーゲンからの情報によれば、帝室側はスバルトゥルが第一皇女の支配から外れたことを、一切公表していないらしい。イシュケルに関しても同様だが、こちらについてはそもそもあちらが彼の解放に気づいていない可能性もある。
いずれにせよ、帝室にとって召喚獣たちの解放を国民に知られるのは、自らの大罪が白日の下にさらされることと同義である。可能な限り、秘密裏に処理しようと目論んでいるのかもしれないけれど、そうなると大々的に帝国軍を動かすことは難しくなる。
いくらスバルトゥルとイシュケルが桁違いの強さを誇ろうとも、圧倒的な数の暴力の前には屈するしかないだろう。その意味では、突然完全武装の魔導兵士に囲まれる可能性が低い現状は歓迎すべきなのかもしれないが――
「帝室直属の近衛の中には、召喚獣と契約している連中もいたはずだ。そいつらが極秘に動いて、すでにこちらを捕捉している可能性は充分ある。油断はするなよ」
リヒトには若干窮屈に感じる異国の衣服を、難なく着こなしているイシュケルがさらりと小声で忠告してくる。
彼は、帝都を訪れたならまずは亡くした契約者に自由を取り戻した報告をしたいと言って、リヒトたちに同行していた。イシュケルの契約者は、リヒトの父親と同じく『悲劇の五英雄のひとり』として立派な霊廟で眠っているという。
ハーゲンからその話しを聞いたとき、イシュケルはひどく冷たい目をしていたけれど、きつく握りしめた両手の指は細かく震えていた。
……きっと、許せないのだろう。彼の愛した契約者は、その死さえも、戦を有利に進めるための道具として利用されている。父親の死を同じように利用されたリヒトは、そんな彼の気持ちがよくわかった。
これからイシュケルがどんな決断をしようと、リヒトは彼に何も言わないことに決めている。たとえ同じような痛みや憎しみを抱えていても、どんなふうに乗り越えていくかは、それぞれが選び取ることだから。
リヒト自身、どうすれば思い出すだけで息ができなくなるほどのこの痛みに、きちんと向き合えるのかわからずにいた。今はただ、帝室に囚われている召喚獣たちを解放するという目的を果たすことだけに集中する。
それだけで、精一杯だ。まだ、それ以上のことは考えられない。
(……そういえば、師匠も五年前に死んだことにされて、空っぽの棺が霊廟に入れられているんだったか)
五年前、ジルバがリヒトの父親に逃がされたことは、帝室にとっては完全に想定外の出来事だったのだろう。もしかしたら、左腕をスバルトゥルに食いちぎられた彼が、逃亡先でそのまま失血死すると判断したのかもしれない。なんにしても、これから向かう霊廟には、きっちり五人分の棺が収められているというのだから、どうにも奇妙な感じだ。
イシュケルの忠告にうなずいたアリーシャが、異国の衣服に合わせて、頭の両サイドの高い位置で括った髪にくるくると指先を絡めながらぼそりと言う。
「ここまで、やたらと順調すぎたからねえ。遠征はおうちに帰るまでが前線だっていうし、気は緩めないでいこうか」
「遠征は……なんだって?」
思わず聞き返すと、アリーシャはこてんと首を傾げる。
「東の砦で仲よくなった女の子たちが、教えてくれたんだよ。遠征から戻る途中、もうすぐ安全地帯だってときに油断したせいで帰ってこなかった部隊が、昔は結構いたんだってさ。気の毒なお話だよねえ」
そういえばアリーシャは、東の砦に所属している若い女性たちと、よく楽しそうにおしゃべりをしていた。みな似たような年頃に見えたから、砦のこまごまとした内務に就いている者たちなのかと思っていたのだが、どうやら彼女たちは前線勤務を務める女性兵士だったようだ。道理で、『特技は、狙撃銃型魔導具をぶっ放すことです』というアリーシャと、馬が合うはずである。
ずっと友達を欲しがっていた彼女に、そういった相手ができたのなら喜ばしいことだ。なんとなく、胸の奥が温かくなるような心地を覚えていたリヒトに、アリーシャがけろりと言う。
「やっぱり、女の子同士のおしゃべりは情報収集において最強スキルってことかな。リヒトはあそこにいるときに、こういう話しは聞いたことがなかったんだろ?」
「……ああ。そうだな」
アリーシャにとって、東の砦で親しくなった女性陣は、単なる情報源に過ぎなかったらしい。別に、先ほど感じた胸のほっこり感を返せ、なんて思っていない。ただ単に、ちょっぴり世知辛い気分になっただけである。
大陸でも、最も人口の多い都市のひとつであるデル・テスタには、壮麗な建物群や風光明媚な自然保護区域も数多い。大陸北方で随一の経済都市であると同時に、さまざまな観光名所を擁する観光都市でもあった。
そして今、明日から三日間に渡り皇帝の生誕七十年を祝う祭典が開かれるとあって、デル・テスタは常にない数の人々で溢れかえっている。帝国各地から集まる者たちはもちろん、異国からこの祭典に合わせてやってくる者たち。
だが、人の数が増えれば、犯罪の数もまた増える。帝都側は、当然ながら祭典期間中の治安維持について、綿密な計画を練っていた。警備人員の確保、彼らの巡回ルートの選定と、不測の事態に対するマニュアル作成。
それでも、酔っ払いの引き起こす騒動や、観光客狙いのスリや置き引きなどは、普段よりも格段に発生件数が増えてしまうが、その程度はもとより想定内だ。大切なのは、祭典が無事にフィナーレを迎えられること。それまでの間に多少の問題が起きようと、被害が許容範囲内のレベルであれば、祭典は成功だったと言えるのだ。
そんなふうに、現在『帝都の平和は、自分たちの肩にかかっています!』という気合いに満ちあふれているのが、元々帝都の治安維持の任に就いていた帝国軍の警備部隊と、各街ごとに人々が組織している自警団の面々である。
自警団、といっても、そのトップの補佐に帝国軍の警備部から派遣されるのが慣例になっているため、互いの情報伝達は非常にスムーズだ。ここ数年というもの、いつどこで自警団では対処しきれないレベルの蟲が発生するかわからなくなっている。そのため、自治を重んじる下町の者たちにとっても、帝国軍に直接コンタクトを取れる現在の組織体系は、決して煩わしいばかりのものではないのだ。
とはいえ、結局のところ彼らが想定しているのは、平時の警備である。特に、こういっためでたい祭典などの時期は、たとえ敵対関係にある国であろうとも、あからさまな行動を起こすのはよろしくない、というのがこの大陸の不文律だ。
ハーゲンの協力により、大陸の東を支配する大国ソウの衣服と身分証を手に入れたリヒトたちは、大勢の観光客たちに紛れ、まったく問題なく帝都の検問をクリアしていた。あまりにもあっさり門を通過できたものだから、少し拍子抜けしてしまったくらいだ。
ちなみに今は、異国の衣服とゴーグルがあまりに合わなかったため、顔を隠す小細工はしていない。リヒトはいつも通り髪の色を黒に変えているけれど、ほかの三名は美麗すぎる素顔を堂々と晒している。それにアリーシャが異を唱えなかったのは、この人の多さではあまり小細工に意味がないと判断したからのようだ。
リヒトは、まだ着慣れない衣服の詰め襟を引っ張りながら、隣を歩くスバルトゥルを見た。
「バル兄貴。この先は、どっちへ行けばいい?」
東の砦からの道中、時折父親の形見の指輪――そこから伸びる魔力の糸を確認しながら、ここまで来た。一応、危険を冒して帝都入りをしているのだから、『目的地は、帝都の向こう側にあるどこかでした』というオチは遠慮したいところである。
少しの間、目を細めてリヒトが摘まんだ指輪を見ていたスバルトゥルは、ひとつうなずいて帝都の北側へ向かう道を見た。観光客たちの多くが帝都の中心部へ向かう街道へ向かっているが、それでも少なくない人数がそちらへ進んでいる。
「帝都の北には、大神殿と霊廟があったはずだ。たぶん、そこだろう」
「そうか。ありがとう」
どうやら、無駄足は踏まずにすみそうだ。
そして、ここまでの道中に聞こえてきた人々の会話や、遠距離通信魔導具を通じて伝えられるハーゲンからの情報によれば、帝室側はスバルトゥルが第一皇女の支配から外れたことを、一切公表していないらしい。イシュケルに関しても同様だが、こちらについてはそもそもあちらが彼の解放に気づいていない可能性もある。
いずれにせよ、帝室にとって召喚獣たちの解放を国民に知られるのは、自らの大罪が白日の下にさらされることと同義である。可能な限り、秘密裏に処理しようと目論んでいるのかもしれないけれど、そうなると大々的に帝国軍を動かすことは難しくなる。
いくらスバルトゥルとイシュケルが桁違いの強さを誇ろうとも、圧倒的な数の暴力の前には屈するしかないだろう。その意味では、突然完全武装の魔導兵士に囲まれる可能性が低い現状は歓迎すべきなのかもしれないが――
「帝室直属の近衛の中には、召喚獣と契約している連中もいたはずだ。そいつらが極秘に動いて、すでにこちらを捕捉している可能性は充分ある。油断はするなよ」
リヒトには若干窮屈に感じる異国の衣服を、難なく着こなしているイシュケルがさらりと小声で忠告してくる。
彼は、帝都を訪れたならまずは亡くした契約者に自由を取り戻した報告をしたいと言って、リヒトたちに同行していた。イシュケルの契約者は、リヒトの父親と同じく『悲劇の五英雄のひとり』として立派な霊廟で眠っているという。
ハーゲンからその話しを聞いたとき、イシュケルはひどく冷たい目をしていたけれど、きつく握りしめた両手の指は細かく震えていた。
……きっと、許せないのだろう。彼の愛した契約者は、その死さえも、戦を有利に進めるための道具として利用されている。父親の死を同じように利用されたリヒトは、そんな彼の気持ちがよくわかった。
これからイシュケルがどんな決断をしようと、リヒトは彼に何も言わないことに決めている。たとえ同じような痛みや憎しみを抱えていても、どんなふうに乗り越えていくかは、それぞれが選び取ることだから。
リヒト自身、どうすれば思い出すだけで息ができなくなるほどのこの痛みに、きちんと向き合えるのかわからずにいた。今はただ、帝室に囚われている召喚獣たちを解放するという目的を果たすことだけに集中する。
それだけで、精一杯だ。まだ、それ以上のことは考えられない。
(……そういえば、師匠も五年前に死んだことにされて、空っぽの棺が霊廟に入れられているんだったか)
五年前、ジルバがリヒトの父親に逃がされたことは、帝室にとっては完全に想定外の出来事だったのだろう。もしかしたら、左腕をスバルトゥルに食いちぎられた彼が、逃亡先でそのまま失血死すると判断したのかもしれない。なんにしても、これから向かう霊廟には、きっちり五人分の棺が収められているというのだから、どうにも奇妙な感じだ。
イシュケルの忠告にうなずいたアリーシャが、異国の衣服に合わせて、頭の両サイドの高い位置で括った髪にくるくると指先を絡めながらぼそりと言う。
「ここまで、やたらと順調すぎたからねえ。遠征はおうちに帰るまでが前線だっていうし、気は緩めないでいこうか」
「遠征は……なんだって?」
思わず聞き返すと、アリーシャはこてんと首を傾げる。
「東の砦で仲よくなった女の子たちが、教えてくれたんだよ。遠征から戻る途中、もうすぐ安全地帯だってときに油断したせいで帰ってこなかった部隊が、昔は結構いたんだってさ。気の毒なお話だよねえ」
そういえばアリーシャは、東の砦に所属している若い女性たちと、よく楽しそうにおしゃべりをしていた。みな似たような年頃に見えたから、砦のこまごまとした内務に就いている者たちなのかと思っていたのだが、どうやら彼女たちは前線勤務を務める女性兵士だったようだ。道理で、『特技は、狙撃銃型魔導具をぶっ放すことです』というアリーシャと、馬が合うはずである。
ずっと友達を欲しがっていた彼女に、そういった相手ができたのなら喜ばしいことだ。なんとなく、胸の奥が温かくなるような心地を覚えていたリヒトに、アリーシャがけろりと言う。
「やっぱり、女の子同士のおしゃべりは情報収集において最強スキルってことかな。リヒトはあそこにいるときに、こういう話しは聞いたことがなかったんだろ?」
「……ああ。そうだな」
アリーシャにとって、東の砦で親しくなった女性陣は、単なる情報源に過ぎなかったらしい。別に、先ほど感じた胸のほっこり感を返せ、なんて思っていない。ただ単に、ちょっぴり世知辛い気分になっただけである。
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