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旅立ち
家族
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そのときアリーシャが、ひょいとリヒトの顔をのぞき込んできた。
どうかしたか、と視線で問うと、少女はゴーグル越しにもつまらなそうな顔になって言う。
「いやあ、妙齢の女性が下着一枚で寝ているところを想像した少年が、どんな顔をしているのか見物してやろうと思っただけなんだけどね。きみの表情筋は、相変わらずお仕事を放棄したままなんだもの。つまらなくってガッカリだよ」
リヒトは、半目になってアリーシャを見る。
「おれは、寝ゲロにまみれた女性を見て興奮する趣味はないぞ」
「へえ。じゃあ、どんな女性になら興奮するんだい?」
いかにも興味津々という様子で目を輝かせる少女は、いったい何を期待しているのだろうか。リヒトは、小さくため息をついた。
「アンタを女だからという理由で毛嫌いするほど、狭量ではないつもりだが……。おれは基本的に、母親と同じ女というイキモノに近寄られるのが好きじゃない」
いくら過去の記憶を吹っ切ったつもりになっていても、幼少期に受けた虐待がトラウマとなっているのは自覚している。アリーシャについては、これほどの美少女だというのに女くささをほとんど感じないため、近くにいても不快感は感じない。
しかし、世間一般で言う女性らしさを強調している人物――特に、貴族階級の女性たちのような、たおやかさや優美さを己の武器として備えている相手には、どうしても忌避感を抱いてしまう。
そんなリヒトの様子に、アリーシャはしょんぼりと肩を落とした。
「悪かったね。どうやら、わたしの不用意な発言のせいで、きみにいやなことを思い出させてしまったみたいだ」
「いや。ただおれの母親が、児童虐待の上殺人未遂を犯すような、ろくでもない人間だったというだけのことだ。別に、アンタが悪いわけじゃない」
単に事実を述べただけだったのだが、突然スバルトゥルが獣のように、首から上だけをぐりんと動かして振り返った。
「リヒト。その辺りのことについて、あとでじっくり聞かせてもらうからな」
「なぜだ? あの女のことを語ったところで、まったく楽しい話にはならないぞ」
何しろ、母親に関しては肯定的な記憶がひとつもないのだ。わざわざいやな記憶を共有して、不愉快な思いをすることもないだろう。
しかし、スバルトゥルは目を細めると声を低めて言う。
「ほう……? 俺に隠し事をしようとは、いい度胸だ」
「わかった、話す」
背中が、ぞわっとした。よくわからないが、これは逆らってはいけないやつである。アリーシャが一拍置いて、くすくすと笑う。
「バル兄さん、こわーい」
「言っていろ。俺は、身内に害をなす輩は、全力で叩き潰さなけりゃあ気が済まないタイプなんだ」
あくまでも真顔で応じるスバルトゥルに、今更ながらリヒトは自分が彼の新たな契約者となったことを意識する。
召喚獣というのは、総じて自分の契約者となった人間に対し、ひどく甘い――というのは、かなり控えめな表現だろう。そもそもが自由気ままな質を持つ精霊であるため、四六時中べったりと契約者のそばに張り付いているわけではない。けれど、契約者の心身を傷つけようとする相手には、ときに苛烈にも思えるほどの反応を見せるのだ。
父親の相棒だった召喚獣は、自分たちのそういった性質を、人の子が生みの親を慕うようなものだと笑っていた。惜しみなく己の魔力を糧として与えてくれる契約者がいなければ、精霊たちは召喚獣としてこの世界に存在することができないのだから、と。
そのときは、ならば父親の相棒は自分の兄弟のようなものか、と思って嬉しくなったものだが――
(スバルトゥルにとって、ジルバが親みたいなものだったとしたら……。おれはコイツの、義理の父親的な立場になるのか?)
師が召喚した精霊との契約を継承するとは、もしかしたらリヒトが考えていたよりも遙かに高度な覚悟が必要だったのかもしれない。十五歳の若さで、こんなに見た目も態度も大きな子どもを持つというのは、ちょっと――いや、かなりいやだ。
そうしてリヒトが『親になる覚悟』なるものに思いを馳せている間にも、たった今職場からのクビを宣告された女性が、懸命に雇い主へ温情を訴えていた。
「そこをなんとか! 大体、旦那なんて言っても、あっちはあたしのことなんか持参金の付属物くらいにしか思っていないんだから、そんな連絡したって無意味だよ!」
「……おまえさん、そりゃあ本気で言っとるのか? おまえさんの旦那はな、新婚ホヤホヤの若妻が『これで魔導武器職人になる夢に向かって驀進できるー!』なんぞと言って飛び出していったあと、わざわざわしのところに頭を下げに来たんじゃぞ。妻に疎まれている自分には、彼女の夢を後押しすることくらいしかできないが、どうかよろしく頼むと言っておったわ」
え、と女性が絶句する。老魔導武器職人が、重々しくうなずき続ける。
「いい男じゃあないか。悪いことは言わん。おまえさんはいっぺん、旦那のところへ戻って話をしてこい。その上で、もう一度うちで修行したいと言うなら、改めて旦那と一緒に相談しに来るといいわ」
「師匠……っ」
どうやら女性は、職場を完全にクビになったわけではなかったようだ。アリーシャが、「おおー」と言いながら小さく拍手をしている。
「これが誤解とすれ違いからのハッピーエンドなら、若い女の子向けの物語みたいな話だねえ」
「じゃあ、これがただの現実なら?」
リヒトの素朴な疑問に、アリーシャはあっさり応じた。
「子どもには想像もできないようなことが起こるのが、大人の人生ってやつじゃないかい?」
「なるほど……?」
わかるようでわからない答えだ。職場での人間関係にせよ、夫婦間の相互理解の問題にせよ、十五歳の子どもにはわからなくて当然なのだろう。
女性は、師の助言に従うことにしたようだ。
「よっしゃ、わかった! 善は急げだ、今から旦那のところへ行ってくる!」
「おい、待たんか。あちらは、なんの用意もなく行けるところじゃあなかろう?」
呆れ返った老魔導武器職人の言葉に、女性はぐっと親指を立てて言う。
「あたしの非常持ち出し袋は、常に完璧! 三日分の携帯食料と水はもちろん、簡易テントから自衛用の地雷型魔導武器までバッチリだから、心配ご無用!」
「……そうか。おまえさんを襲う不幸な連中がおらんことを、祈っておくよ……」
そのとき、どこか遠くを見た老魔導武器職人の立派な筋肉が、一回り小さくなったように見えた。アリーシャが、つくづくと感心したように言う。
「あの女の人がさっき言っていたナイフといい、地雷型魔導武器といい、わたしは今まで見たことも聞いたこともないよ。機会があれば、一度手に取ってみたいものだね」
同感だ、とリヒトはうなずく。
「おれは、特にナイフのほうに興味がある。そういうナイフがあれば、獲物の解体がだいぶ楽になりそうだ」
そんな子どもたちの会話を聞いたスバルトゥルが、小さく笑う。
「おまえたちのような保有魔力量の大きな人間は、大火力の魔導武器を操作するのは得意だが、魔力を使った繊細な作業は不得手なことが多いからな。そういった点をフォローしてくれる魔導具は、嬉しいものなんだろう。気に入ったものを見つけたら言うといい。よほどおかしなものじゃない限りは買ってやる」
金庫番のお許しが出た。アリーシャが、喜びもあらわにぴょんぴょんと飛び跳ねる。
「ありがとう、バル兄さん!」
リヒトは飛び跳ねるのは恥ずかしかったので、スバルトゥルの上着を軽く握って礼を言う。
「……ありがとう。楽しみに、している。バル兄貴」
少しの間、沈黙があった。そして、おもむろにスバルトゥルが両手を持ち上げ、リヒトとアリーシャの頭にぽんとのせる。
いったいどうした、と困惑するふたりの髪をわしゃわしゃと撫でながら、スバルトゥルが呟く。
「どうしよう。俺の弟と妹が、こんなに可愛い」
真顔でそんなことを言う彼は、そんなにきょうだい設定が気に入っていたのだろうか。
正直なところ、リヒトは末っ子設定になるのが面白くないのだが、彼の父親的な立場よりはマシだと思うことにした。嫁をもらうあてもないのに、こんなに大きな息子を持つのは、やはり遠慮しておきたいのである。
どうかしたか、と視線で問うと、少女はゴーグル越しにもつまらなそうな顔になって言う。
「いやあ、妙齢の女性が下着一枚で寝ているところを想像した少年が、どんな顔をしているのか見物してやろうと思っただけなんだけどね。きみの表情筋は、相変わらずお仕事を放棄したままなんだもの。つまらなくってガッカリだよ」
リヒトは、半目になってアリーシャを見る。
「おれは、寝ゲロにまみれた女性を見て興奮する趣味はないぞ」
「へえ。じゃあ、どんな女性になら興奮するんだい?」
いかにも興味津々という様子で目を輝かせる少女は、いったい何を期待しているのだろうか。リヒトは、小さくため息をついた。
「アンタを女だからという理由で毛嫌いするほど、狭量ではないつもりだが……。おれは基本的に、母親と同じ女というイキモノに近寄られるのが好きじゃない」
いくら過去の記憶を吹っ切ったつもりになっていても、幼少期に受けた虐待がトラウマとなっているのは自覚している。アリーシャについては、これほどの美少女だというのに女くささをほとんど感じないため、近くにいても不快感は感じない。
しかし、世間一般で言う女性らしさを強調している人物――特に、貴族階級の女性たちのような、たおやかさや優美さを己の武器として備えている相手には、どうしても忌避感を抱いてしまう。
そんなリヒトの様子に、アリーシャはしょんぼりと肩を落とした。
「悪かったね。どうやら、わたしの不用意な発言のせいで、きみにいやなことを思い出させてしまったみたいだ」
「いや。ただおれの母親が、児童虐待の上殺人未遂を犯すような、ろくでもない人間だったというだけのことだ。別に、アンタが悪いわけじゃない」
単に事実を述べただけだったのだが、突然スバルトゥルが獣のように、首から上だけをぐりんと動かして振り返った。
「リヒト。その辺りのことについて、あとでじっくり聞かせてもらうからな」
「なぜだ? あの女のことを語ったところで、まったく楽しい話にはならないぞ」
何しろ、母親に関しては肯定的な記憶がひとつもないのだ。わざわざいやな記憶を共有して、不愉快な思いをすることもないだろう。
しかし、スバルトゥルは目を細めると声を低めて言う。
「ほう……? 俺に隠し事をしようとは、いい度胸だ」
「わかった、話す」
背中が、ぞわっとした。よくわからないが、これは逆らってはいけないやつである。アリーシャが一拍置いて、くすくすと笑う。
「バル兄さん、こわーい」
「言っていろ。俺は、身内に害をなす輩は、全力で叩き潰さなけりゃあ気が済まないタイプなんだ」
あくまでも真顔で応じるスバルトゥルに、今更ながらリヒトは自分が彼の新たな契約者となったことを意識する。
召喚獣というのは、総じて自分の契約者となった人間に対し、ひどく甘い――というのは、かなり控えめな表現だろう。そもそもが自由気ままな質を持つ精霊であるため、四六時中べったりと契約者のそばに張り付いているわけではない。けれど、契約者の心身を傷つけようとする相手には、ときに苛烈にも思えるほどの反応を見せるのだ。
父親の相棒だった召喚獣は、自分たちのそういった性質を、人の子が生みの親を慕うようなものだと笑っていた。惜しみなく己の魔力を糧として与えてくれる契約者がいなければ、精霊たちは召喚獣としてこの世界に存在することができないのだから、と。
そのときは、ならば父親の相棒は自分の兄弟のようなものか、と思って嬉しくなったものだが――
(スバルトゥルにとって、ジルバが親みたいなものだったとしたら……。おれはコイツの、義理の父親的な立場になるのか?)
師が召喚した精霊との契約を継承するとは、もしかしたらリヒトが考えていたよりも遙かに高度な覚悟が必要だったのかもしれない。十五歳の若さで、こんなに見た目も態度も大きな子どもを持つというのは、ちょっと――いや、かなりいやだ。
そうしてリヒトが『親になる覚悟』なるものに思いを馳せている間にも、たった今職場からのクビを宣告された女性が、懸命に雇い主へ温情を訴えていた。
「そこをなんとか! 大体、旦那なんて言っても、あっちはあたしのことなんか持参金の付属物くらいにしか思っていないんだから、そんな連絡したって無意味だよ!」
「……おまえさん、そりゃあ本気で言っとるのか? おまえさんの旦那はな、新婚ホヤホヤの若妻が『これで魔導武器職人になる夢に向かって驀進できるー!』なんぞと言って飛び出していったあと、わざわざわしのところに頭を下げに来たんじゃぞ。妻に疎まれている自分には、彼女の夢を後押しすることくらいしかできないが、どうかよろしく頼むと言っておったわ」
え、と女性が絶句する。老魔導武器職人が、重々しくうなずき続ける。
「いい男じゃあないか。悪いことは言わん。おまえさんはいっぺん、旦那のところへ戻って話をしてこい。その上で、もう一度うちで修行したいと言うなら、改めて旦那と一緒に相談しに来るといいわ」
「師匠……っ」
どうやら女性は、職場を完全にクビになったわけではなかったようだ。アリーシャが、「おおー」と言いながら小さく拍手をしている。
「これが誤解とすれ違いからのハッピーエンドなら、若い女の子向けの物語みたいな話だねえ」
「じゃあ、これがただの現実なら?」
リヒトの素朴な疑問に、アリーシャはあっさり応じた。
「子どもには想像もできないようなことが起こるのが、大人の人生ってやつじゃないかい?」
「なるほど……?」
わかるようでわからない答えだ。職場での人間関係にせよ、夫婦間の相互理解の問題にせよ、十五歳の子どもにはわからなくて当然なのだろう。
女性は、師の助言に従うことにしたようだ。
「よっしゃ、わかった! 善は急げだ、今から旦那のところへ行ってくる!」
「おい、待たんか。あちらは、なんの用意もなく行けるところじゃあなかろう?」
呆れ返った老魔導武器職人の言葉に、女性はぐっと親指を立てて言う。
「あたしの非常持ち出し袋は、常に完璧! 三日分の携帯食料と水はもちろん、簡易テントから自衛用の地雷型魔導武器までバッチリだから、心配ご無用!」
「……そうか。おまえさんを襲う不幸な連中がおらんことを、祈っておくよ……」
そのとき、どこか遠くを見た老魔導武器職人の立派な筋肉が、一回り小さくなったように見えた。アリーシャが、つくづくと感心したように言う。
「あの女の人がさっき言っていたナイフといい、地雷型魔導武器といい、わたしは今まで見たことも聞いたこともないよ。機会があれば、一度手に取ってみたいものだね」
同感だ、とリヒトはうなずく。
「おれは、特にナイフのほうに興味がある。そういうナイフがあれば、獲物の解体がだいぶ楽になりそうだ」
そんな子どもたちの会話を聞いたスバルトゥルが、小さく笑う。
「おまえたちのような保有魔力量の大きな人間は、大火力の魔導武器を操作するのは得意だが、魔力を使った繊細な作業は不得手なことが多いからな。そういった点をフォローしてくれる魔導具は、嬉しいものなんだろう。気に入ったものを見つけたら言うといい。よほどおかしなものじゃない限りは買ってやる」
金庫番のお許しが出た。アリーシャが、喜びもあらわにぴょんぴょんと飛び跳ねる。
「ありがとう、バル兄さん!」
リヒトは飛び跳ねるのは恥ずかしかったので、スバルトゥルの上着を軽く握って礼を言う。
「……ありがとう。楽しみに、している。バル兄貴」
少しの間、沈黙があった。そして、おもむろにスバルトゥルが両手を持ち上げ、リヒトとアリーシャの頭にぽんとのせる。
いったいどうした、と困惑するふたりの髪をわしゃわしゃと撫でながら、スバルトゥルが呟く。
「どうしよう。俺の弟と妹が、こんなに可愛い」
真顔でそんなことを言う彼は、そんなにきょうだい設定が気に入っていたのだろうか。
正直なところ、リヒトは末っ子設定になるのが面白くないのだが、彼の父親的な立場よりはマシだと思うことにした。嫁をもらうあてもないのに、こんなに大きな息子を持つのは、やはり遠慮しておきたいのである。
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