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開始

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静かな山だった。


樹海はもちろんのこと、渓流や草原もあった。
4班は攻められにくそうな岩場の上に陣取って作戦を立てることにした。


菫が何かぶつぶつと呟くと岩の上に不思議な紋様が現れて小さく爆発する。


ポンという小さな破裂音と同時に白い煙が立ち、中から大きな男が現れた。


誰もが絵や映像で見たことがあるだろうその大男を実際に目にするのは初めてのことで驚く。


「菫さん、そちらの方は?」


一応聞いてみることにした。


「天狗さんです!山の中での闘いですし、天狗さんが適任かと」


「何で天狗なの?」


「山岳の宗教では天狗は鬼の一種なんですよ」


感心する京一に天狗が口を開く


「京一殿、お初にお目にかかりまする。以後お見知りおきを」



「しゃべった!?じゃなくて、ご丁寧にどーも」



「よーし、じゃあ作戦は、あたしと天狗が突っ込んで、菫とクズが後援、大橋は……死ぬなよ!」


百合が満面の笑顔を向けている。



「ちょ、百合さんそれはちょっと…」



「大丈夫何とかなるってー」



すると天狗が挙手した。



「(天狗さん、もしかして助けてくれr…)」



「頑張ったら百合殿の胸をもませていただけるのでござるか!」



「死ね!エロ天狗!」



「(ああああ!ただの変態!)」



「そろそろ時間ですし、動きますかね」


葛谷が立ち上がり、皆もそれに続く。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


岩場をおりると緩やかな斜面だ。

転ばないように気をつけながら坂を下りると平地があった。

周りに障害物はなく、地面には雪がところどころ残っている。


「ここじゃ身を隠すことはできないっすねー、障害物もないんで、遠距離から奇襲もされそうだし、森の中に戻った方がいいんじゃないすか?」



「葛谷殿の言う通りでござるな」


森に戻ったとき、4人のブレスレットが機会音声で喋り出した。



「イッパン、ゼンイン、セントウフノウニヨリ、ソクテイシュウショウデス、オツカレサマデシタ。」
 

「え!1班終了ですか!?」


「早すぎない!?」


「ははは、どっかの班に変態が固まったんじゃない?」


「変態とは失礼だな」


声のする方を見ようとすると、パチンと音がしてひどい耳鳴りがして4班は耳をおさえてうずくまった







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