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1年目〜3年目 近藤 裕太編
先導する者
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新チームスタートから10日程経ち、最初の練習試合の日を迎えた。
「今日の対戦相手は森内もりうち高校だ。夏は初戦敗退だったようだな。だからといって、油断するなよ。それでは、今日のスタメンを発表するぞ」
本日のスタメン(背番号は夏のときのもの)
1 ショート 星形(1年 背番号6)
2 セカンド 町村(2年 背番号16)
3 ファースト 近藤(2年 背番号3)
4 レフト 岩井(1年 背番号7)
5 サード 木下(2年 背番号15)
6 キャッチャー 水谷(2年 背番号2)
7 ライト 杉山(2年 背番号18)
8 ピッチャー 石井(2年 背番号1)
9 センター 平野(1年 背番号19)
「野手陣で名前が呼ばれなかったものも全員出す予定だから、試合中準備を怠らないこと。この試合は石井に完投させるから、石井以外の投手陣は全員2試合目備えておけよ」
山田監督から発表されたスタメンには、夏の大会でレギュラーだった選手は全員名を連ねていた。スタメンの約半分が残ったことで、秋はある程度は有利に戦えるはずだ。
1回裏 ワンアウト ランナー2塁
先頭の星形が四球で出塁し、2番の町村が手堅く送ってチャンスの場面で打席が回ってきた。
相手投手の持ち球はここまでストレート、カーブのみだった。今までは打順が中盤以降だったのである程度の情報は手に入ったが、この打順ではそう簡単にはいかないようだった。
とりあえずはストレートに絞って、センターから右方向を狙うことにしよう。大きいのは狙わず、あくまで低く鋭い打球で最低でも進塁打になるようにしないと。
『狙いの球種→ストレート
打ち方 →ミート打ち
打球方向 →センターから右
成功確率 →43%』
マウンドの投手がセットポジションに入り、第1球を投げてきた。ボールのコースは真ん中やや低め。俺はタイミングを合わせて、向かってくるボールに向けてスイングした。
「カキーン!」
「しゃあ!」
打球はセンター前に抜けていった。狙い通りのストレートだったことでしっかり打ち返すことができた。
「セーフ!」
センターからホームに返球されるが、セカンドランナーの星形が快足をとばし、悠々とホームに帰ってきて幸先よく1点先制した。
『【先導する者】の効果により、チームメイトの能力が試合中6%上昇します』
2塁ベース上でスライディングして付いた土を払っていると、頭の中から声が聞こえてきた。なるほど、打席が終わるごとにこういう感じで能力の上がり下がりを教えてくれるのか。
練習試合だし、他の結果だとどうなるのかいろいろ確認するにはいい機会だな。
俺はこの試合を通して、新たな力について解明することにしたのだった。
「ゲーム」
「「ありがとうございました!!」」
結果は1対6で勝利した。俺は4打数2安打1打点1四球だった。いろいろと試した結果から、【先導する者】の力についてこの試合でわかったことをまとめてみる。
・ヒットや打点で能力が上がる
・四球などの出塁でも上がる
・凡退すると下がる
・チャンスの場面の方が上がり下がりが大きい
・途中で出場した選手たちにも適用されている。
とりあえずはこの辺だろうか。他にもなにか条件があるかもしれないし、公式戦だとまた違うかもしれない。今後も検証は必要だな。
「あっという間に月末か……」
新チームになって、キャプテンとして活動しているとあっという間に1日1日が過ぎていくのだった。
森内高校との試合後も毎週練習試合があり、その中で【先導する者】の効果について検証してはいたが特に新たな発見はなかったのだった。
日課の勉強もやり終え、寝る時間となったのでいつもの流れで神様から送られてきていたメールの中身を確認した。
『神様 2022/07/31
宛先:baseball.8989@anu.ne.jp
━━━━━━━━━━━━━━
月末報告じゃ!
久しぶり、神様じゃ。元気にしとるかのぉ?今日で7月が終わるので、月末報告をするぞい。
◎個人能力値
近藤 裕太(2年) 右投げ右打ち キャプテン
※各数値の最大値は100
※数値の右側は補足説明
〇ポジション
ファースト55(+3)
他0
〇打撃
・ミート力 56(+3) バットにボールを当てる能力
・スイング速度 53(+3) スイングの速さ
・パワー 55(+3) 打球速度、飛距離
〇走塁
・足の速さ 38 (+1)単純な足の速さ
・走塁技術 30 (+1)ベースランニングとスライディング
・盗塁技術 21 (+1)リード、スタート、スライディング
〇守備
・肩の強さ 34(+1) 距離
・送球の正確性 32(+1) コントロール
・握り変え 28(+1) 取ってから握り変える早さ
・捕球力 31(+1) 球際の強さ
・打球判断力 32(+1) ボールとの距離感、スタート
・守備範囲 35(+1) (足の速さ+打球判断力)÷2
〇投手
・球速 98km/h
・制球力 8
・スタミナ 11
・変化球 なし
〇その他
・体力 57(+2) 練習をする上で必要不可欠
・精神力 41(+4) 様々な場面での度胸
・サインプレー 33(+2) 理解力
・バント 36(+2) バントの技術
◎チーム評価
※最大値は10
・投手力 3
・打撃力 4
・機動力 3
・守備力 3
・指導力 3
・対外評価 2
◎推薦枠部員情報
・星形 光(1年) 打2(+1)走4守3投1他2
・岩井 武(1年) 打4走1守2投1他2
◎アドバイス
指導力を優先して上げよ。
「俺も後輩たちも順調に成長してるな。アドバイスは……どうしたらいいんだろう?」
夏の大会が終わったあと、山田監督と話して野手陣の重点成長能力は打撃に変更していた。星形の成長はそのおかげだろう。岩井に関してはもとの数値が高いから、同じ速度で数値が上がるとはもともと思ってはいなかったので問題ない。
それにしても指導力か。山田監督に伝えて今後の方針を決めるしかないな。
俺のキャプテンとしての最初の1か月は大きな問題は起きず、何事もなく過ぎていったのだった。
「今日の対戦相手は森内もりうち高校だ。夏は初戦敗退だったようだな。だからといって、油断するなよ。それでは、今日のスタメンを発表するぞ」
本日のスタメン(背番号は夏のときのもの)
1 ショート 星形(1年 背番号6)
2 セカンド 町村(2年 背番号16)
3 ファースト 近藤(2年 背番号3)
4 レフト 岩井(1年 背番号7)
5 サード 木下(2年 背番号15)
6 キャッチャー 水谷(2年 背番号2)
7 ライト 杉山(2年 背番号18)
8 ピッチャー 石井(2年 背番号1)
9 センター 平野(1年 背番号19)
「野手陣で名前が呼ばれなかったものも全員出す予定だから、試合中準備を怠らないこと。この試合は石井に完投させるから、石井以外の投手陣は全員2試合目備えておけよ」
山田監督から発表されたスタメンには、夏の大会でレギュラーだった選手は全員名を連ねていた。スタメンの約半分が残ったことで、秋はある程度は有利に戦えるはずだ。
1回裏 ワンアウト ランナー2塁
先頭の星形が四球で出塁し、2番の町村が手堅く送ってチャンスの場面で打席が回ってきた。
相手投手の持ち球はここまでストレート、カーブのみだった。今までは打順が中盤以降だったのである程度の情報は手に入ったが、この打順ではそう簡単にはいかないようだった。
とりあえずはストレートに絞って、センターから右方向を狙うことにしよう。大きいのは狙わず、あくまで低く鋭い打球で最低でも進塁打になるようにしないと。
『狙いの球種→ストレート
打ち方 →ミート打ち
打球方向 →センターから右
成功確率 →43%』
マウンドの投手がセットポジションに入り、第1球を投げてきた。ボールのコースは真ん中やや低め。俺はタイミングを合わせて、向かってくるボールに向けてスイングした。
「カキーン!」
「しゃあ!」
打球はセンター前に抜けていった。狙い通りのストレートだったことでしっかり打ち返すことができた。
「セーフ!」
センターからホームに返球されるが、セカンドランナーの星形が快足をとばし、悠々とホームに帰ってきて幸先よく1点先制した。
『【先導する者】の効果により、チームメイトの能力が試合中6%上昇します』
2塁ベース上でスライディングして付いた土を払っていると、頭の中から声が聞こえてきた。なるほど、打席が終わるごとにこういう感じで能力の上がり下がりを教えてくれるのか。
練習試合だし、他の結果だとどうなるのかいろいろ確認するにはいい機会だな。
俺はこの試合を通して、新たな力について解明することにしたのだった。
「ゲーム」
「「ありがとうございました!!」」
結果は1対6で勝利した。俺は4打数2安打1打点1四球だった。いろいろと試した結果から、【先導する者】の力についてこの試合でわかったことをまとめてみる。
・ヒットや打点で能力が上がる
・四球などの出塁でも上がる
・凡退すると下がる
・チャンスの場面の方が上がり下がりが大きい
・途中で出場した選手たちにも適用されている。
とりあえずはこの辺だろうか。他にもなにか条件があるかもしれないし、公式戦だとまた違うかもしれない。今後も検証は必要だな。
「あっという間に月末か……」
新チームになって、キャプテンとして活動しているとあっという間に1日1日が過ぎていくのだった。
森内高校との試合後も毎週練習試合があり、その中で【先導する者】の効果について検証してはいたが特に新たな発見はなかったのだった。
日課の勉強もやり終え、寝る時間となったのでいつもの流れで神様から送られてきていたメールの中身を確認した。
『神様 2022/07/31
宛先:baseball.8989@anu.ne.jp
━━━━━━━━━━━━━━
月末報告じゃ!
久しぶり、神様じゃ。元気にしとるかのぉ?今日で7月が終わるので、月末報告をするぞい。
◎個人能力値
近藤 裕太(2年) 右投げ右打ち キャプテン
※各数値の最大値は100
※数値の右側は補足説明
〇ポジション
ファースト55(+3)
他0
〇打撃
・ミート力 56(+3) バットにボールを当てる能力
・スイング速度 53(+3) スイングの速さ
・パワー 55(+3) 打球速度、飛距離
〇走塁
・足の速さ 38 (+1)単純な足の速さ
・走塁技術 30 (+1)ベースランニングとスライディング
・盗塁技術 21 (+1)リード、スタート、スライディング
〇守備
・肩の強さ 34(+1) 距離
・送球の正確性 32(+1) コントロール
・握り変え 28(+1) 取ってから握り変える早さ
・捕球力 31(+1) 球際の強さ
・打球判断力 32(+1) ボールとの距離感、スタート
・守備範囲 35(+1) (足の速さ+打球判断力)÷2
〇投手
・球速 98km/h
・制球力 8
・スタミナ 11
・変化球 なし
〇その他
・体力 57(+2) 練習をする上で必要不可欠
・精神力 41(+4) 様々な場面での度胸
・サインプレー 33(+2) 理解力
・バント 36(+2) バントの技術
◎チーム評価
※最大値は10
・投手力 3
・打撃力 4
・機動力 3
・守備力 3
・指導力 3
・対外評価 2
◎推薦枠部員情報
・星形 光(1年) 打2(+1)走4守3投1他2
・岩井 武(1年) 打4走1守2投1他2
◎アドバイス
指導力を優先して上げよ。
「俺も後輩たちも順調に成長してるな。アドバイスは……どうしたらいいんだろう?」
夏の大会が終わったあと、山田監督と話して野手陣の重点成長能力は打撃に変更していた。星形の成長はそのおかげだろう。岩井に関してはもとの数値が高いから、同じ速度で数値が上がるとはもともと思ってはいなかったので問題ない。
それにしても指導力か。山田監督に伝えて今後の方針を決めるしかないな。
俺のキャプテンとしての最初の1か月は大きな問題は起きず、何事もなく過ぎていったのだった。
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