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1年目〜3年目 近藤 裕太編

次なる課題

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「今日は月末だし、神様から月末報告のメールが来るはずだな」


 4月の最終日に、寝ようとしたタイミングで神様からメールが届いたことを思い出す。同じ時間になったが届いていないので、おそらく俺が寝ようとしたところが送ってくるタイミングなのだろう。


 俺は明日の授業の予習をなんとか、終わらせて寝ようとベットに近づいていった。



「……やっぱりこのタイミングなのか。何でわかるんだろう?」


 俺の生活すべてが見られているのだろうか。プライバシーがまったく守られていないような気がするのだが……。


 そんな悲しい気持ちになりながら、メールを確認するのだった。






『神様  2021/05/31
 宛先:baseball.8989@anu.ne.jp
━━━━━━━━━━━━━━
 月末報告じゃ!

 久しぶり、神様じゃ。元気にしとるかのぉ?今日で5月が終わるので、月末報告をするぞい。



◎個人能力値


近藤 裕太(1年)右投げ右打ち


※各数値の最大値は100 
※下の()は補足説明


〇ポジション 

 ファースト16(+3)
 他0


〇打撃

・ミート力   14(+4) 
(バットにボールを当てる能力)

・スイング速度 14(+2) 
(スイングの速さ)

・パワー    16(+3) 
(打球速度、飛距離)



〇走塁

・足の速さ   16(+1)
(単純な足の速さ)

・走塁技術    8(+1)
(ベースランニングとスライディング)

・盗塁技術    4     
(リード、スタート、スライディング)


〇守備

・肩の強さ   13(+1) 
(距離)

・送球の正確性 13(+1) 
(コントロール)

・握り変え    8(+1) 
(取ってから握り変える早さ)

・捕球力    10(+1) 
(球際の強さ)

・打球判断力  12(+1) 
(ボールとの距離感、スタート)

・守備範囲   14(+1) (足の速さ+打球判断力)÷2



〇投手  

・球速   98km/h


・制球力   8

・スタミナ 11

・変化球  なし



〇その他

・体力     25(+3) 
(練習をする上で必要不可欠)

・精神力    17(+2) (様々な場面での度胸)

・サインプレー  9(+1) 
(理解力)

・バント    11(+1) 
(バントの技術)



◎チーム評価

※最大値は10

・投手力  1
・打撃力  2(+1)
・機動力  1
・守備力  1
・指導力  1
・対外評価 1 



◎アドバイス

 スタメンの選手は、ある程度の守備力がある選手にしよう。




「よし、順調に成長できてるぞ!」


 先月よりも、ほとんどの項目で数値が上がっていた。重点成長能力を打撃で継続していたこともあってか、打撃のところの項目が他よりも成長率が良かった。


「それに、チームの打撃力が2に上がって良かった!これまでやっきたことは無駄じゃなかったんだ」


 チーム評価の数値も上昇していた。練習の8割が打撃練習になっていたのでこれで大丈夫か不安だったが、目に見える成長があって一安心した。


 だが、何が基準になって数値が判断されているかがまだわかっていない。その辺も今後に向けて、少しずつ解明して行く必要がありそうだ。


 山田監督の指導力は……まぁ1のままか。積極的に部員に声をかけたり、打撃指導をしたりと指導力が高くなるように行動していたようだが、まだその効果は数値に表れていないようだった。


「いやー、明日伝えるのが楽しみだな!」


 山田監督にとっては悲しいことかもしれないが、チームにとっては今回のメールはかなり嬉しいものだった。


 俺はウキウキした気持ちでベットに入るのだった。







『なるほど……アドバイスが気になるな』


 翌日、俺は練習の合間に月末報告の内容を山田監督に伝えた。チームの打撃力の数値の上昇や指導力が変わっていないことなど、昨日の俺と同じ部分について反応していた。だが、1番気になったのはアドバイスの部分だったようだ。


『あー、確かに少し気になりましたね。ある程度の守備力ですか……』


『あぁ。たしかに俺もどうしたものかと気になってはいたんだ』


 人には得意不得意がある。すべてのことを卒なくこなす人も世の中にはいるが、毎年1回戦敗退のうちのチームにそんな人材はいなかった。


 今回は打撃力向上に特化した練習だったので、そこまで守備練習に時間を取ることができなかった。その結果、起きたのがエラーの多発だった。


 どの試合も最低1つ。多いときには5つも1試合ででてしまった。その分打ち勝って、勝利した試合も無いわけではないが戦績はあまりおもわしくなかった。


『まぁ、とりあえずアドバイスに従っておくか。近藤、悪いけど明日重点成長能力を守備力に変更しておいてくれるか?』


『分かりました。問題ないと思いますけど、一応結果は明日お伝えしますね』








 翌朝、俺は昨日山田監督から依頼されたこと実行することにした。


『重点成長能力を守備力に変更』


『重点成長能力を打撃から守備に変更しました』


 俺が頭の中で考えると、それに応じるように声が聞こえてきた。


 無事に変更することができたようだ。しばらく変更されることはないだろうし、6月は守備練習がメインになりそうだな。


 そういえば夏の大会はいつから始まるのだろう?







『山田監督、今朝無事に重点成長能力を変更できましたよ』


『そうか、それはよかった!じゃあ、俺の方で今日から練習メニューの方を変えていくことにする』


 とりあえず、これでアドバイス通りにチームを成長させることができそうだ。守備練習はあまり好きじゃないんだけどな……


『そういえば、夏の予選って今年はいつから始まりますか?』


『ん?そういえばまだ伝えてなかったな。8日に抽選会があるから、その日の部活終わりに全体の前でその辺りの話をする予定だ。試合は7月入ってすぐだな』


『そうでしたか。ありがとうございます』


 つまり、1か月後には甲子園に向けた最初の挑戦が始まるのか。最後の1か月、レギュラー奪取に向けてラストスパートを頑張るしかないな……。



 

甲子園終了しましたね。このチームはいつ甲子園にいけるのだろうか……。

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