友人とその恋人の浮気現場に遭遇した話

蜂蜜

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艶やかな黒い髪がサラリと揺れ、目に掛かっていた前髪が払われて露わになった綺麗な瞳と目が合う。

「どうかした?僕の顔に何か付いてる?」

「いや、相変わらずいい食べっぷりだなと思って」

いや本当に、その細マッチョな身体のどこにその量が収まってんだよ。
お前の胃袋どうなってんの?

「普通じゃない?食べ足りないぐらいなんだけど」

「えぇ?」

マジかよコイツ。

どうやら食べ足りないと言うのは本当らしく、俺が手を付けていない唐揚げにフォークを突き立てて来た。

ふざけんな、唐揚げは渡さないぞ。


食欲魔人と唐揚げを巡る攻防をしていると、食堂内が急に騒がしくなった。

「明楽~、珍しいね。学食来るの」
「一緒に食べない?奢ってあげるよ」
「あ~、ほんとに明楽だ!相変わらず格好いい~。アプローチしちゃおうかなぁ」
「やめときなって、お前じゃ絶対に敵わないから」

ざわめく声と会話で、誰が来たのかが分かる。


猿渡 明楽さわたり あきら


騒ぎの中心にいる男……それが眼の前の美人の恋人だ。

コイツがまた絵に描いたような美形で、鬼頭と並ぶと本当に画になる。
金色に近い茶色に染めた髪に色素の薄い茶色い垂れた目、スッと鼻筋の通った高くて形のいい鼻に形のいい唇。

鬼頭が儚げ美人なら、猿渡は王子様だ……ただし、下半身ゆるゆるの。


(顔は完璧なんだけどなぁ)
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