平凡くんと【特別】だらけの王道学園

蜂蜜

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鬼ごっこと不良の王様

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謎の見つめ合いが続いた末、先に音を上げたのは向こうだった。


「あ゛ーーっ、くそっ!分かった分かった。折らねぇから離せ。
てめぇもだ。コイツから手ぇ離せ」


光に当たると絹糸にも見えるぐらい綺麗な銀色の髪を、ガシガシと乱雑に掻き回して唸られた。

人の拳を握ったまま何と器用な事だろう。


親衛隊君が俺を掴んでいる手を離したタイミングで彼も手を離したので、俺も添える程度に触れていた手を離した。


ずっと踵が浮いた状態だったのと、酸欠だったせいで身体が蹌踉よろめいてしまう。

咄嗟に何か硬くて暖かい物に掴まり、半ばむせながら、肺に酸素を思い切り吸い込む。


「げほっ……ごほっ……はっ…はぁ…っ」


ああ苦しかった。


「落ち着いたかよ」

「はい。ありがとうございま…………」


脳と肺にやっと酸素が回って落ち着いた時、思いの外近くから聞こえて来た声に反射的に答えながら顔を上げる。


そこには

さっきまでとは比べ物にならない近さに彼の整った顔があった。


どうやら、蹌踉めいた俺を彼が抱きかかえてくれたらしく、咄嗟に掴まったのは彼の腕だったようだ。
初対面の人相手に、さっきから散々な所を見せていて流石にちょっと恥ずかしい。


慌てて離れようとした身体を何故か更に抱き寄せられて混乱する。


「あ…あの、もう一人で立てるので…離してくれますか?」

「駄目に決まってるだろうが」

決まってるの?何で?


「このままてめぇを野放しにしたらソイツ等にまた絡まれるだろうが」

そうなのか?彼等はそこまで執念深いのか?


「信じられないって顔してんな……おい、そこの陰湿野郎」

俺、基本無表情のはずなんだけど…何で分かったんだこの人。

あと陰湿野郎って……もしかしなくても鷲杜の事だろうか。
そうだな。だって視線が鷲杜に向いている。


「何でしょうか華柩はなひつぎ様」


何でそんな嬉しそうなんだ。
お前、陰湿野郎って言われたんだぞ?

俺、ちょっと本気で鷲杜が分からない。
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