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鬼ごっこと不良の王様
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確かに、と言って笑い合う声で頭がガンガンする。
心臓がばくばくと煩いぐらいに鳴っているのが分かる……口から飛び出そうだ。
上手く呼吸が出来ない。
耳鳴りまでしてきて立っていられなくなってきた。
はっはっ、と浅く短い呼吸を繰り返しながら、その場にしゃがみ込み、両腕で顔を覆う。
『アイツただの【平凡】じゃん?』
そんな事は数え切れない程言われて来た。
事実を言われているだけなのに悲しい気持ちになるのは、そこに悪意を感じるからだ。
話した事もない人間からさえ、蔑む言葉として告げられてきた。
【特別】な彼等の身内である俺を【平凡】だと貶める事で、自分の方が優れていると
……そんな自分の方が【特別】な彼等には相応しいと、自尊心を満たしたいのだ。
勝手な自己肯定の為に、悪口の様に【平凡】だと言われて蔑まれる方はたまったもんじゃない。
何回言われても、悪意ある言葉は慣れる事はない。
他人に言われたって悲しいし傷付くのに、友達だった奴に言われたらもっと傷付く。
でも……
俺は……最初から鷲杜にとっては友達じゃなかった
初めての友達だと思っていたのにそうじゃなかった
その事実は、何よりも俺を傷付けた。
心臓がばくばくと煩いぐらいに鳴っているのが分かる……口から飛び出そうだ。
上手く呼吸が出来ない。
耳鳴りまでしてきて立っていられなくなってきた。
はっはっ、と浅く短い呼吸を繰り返しながら、その場にしゃがみ込み、両腕で顔を覆う。
『アイツただの【平凡】じゃん?』
そんな事は数え切れない程言われて来た。
事実を言われているだけなのに悲しい気持ちになるのは、そこに悪意を感じるからだ。
話した事もない人間からさえ、蔑む言葉として告げられてきた。
【特別】な彼等の身内である俺を【平凡】だと貶める事で、自分の方が優れていると
……そんな自分の方が【特別】な彼等には相応しいと、自尊心を満たしたいのだ。
勝手な自己肯定の為に、悪口の様に【平凡】だと言われて蔑まれる方はたまったもんじゃない。
何回言われても、悪意ある言葉は慣れる事はない。
他人に言われたって悲しいし傷付くのに、友達だった奴に言われたらもっと傷付く。
でも……
俺は……最初から鷲杜にとっては友達じゃなかった
初めての友達だと思っていたのにそうじゃなかった
その事実は、何よりも俺を傷付けた。
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