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親衛隊隊長と風紀委員長
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委員長から促され、委員長専用の机から少し離れた所にあるソファに三人で腰掛ける。
俺の向かいには西園寺先輩が一人で座っていた。
そう、一人で。
委員長は俺の隣だ。
昨日の雪先輩程ではないが、中々の近さに委員長の顔がある。
何でこんな席順になってしまったかと言うと、西園寺先輩の一言がきっかけだった。
『俺、百鬼の隣はパス。お前デカイから圧が凄いんだもんよ』
『俺もお前の隣はごめんだな。お前、食べてる時も煩い』
『ああ?もってなんだ、もって』
『そのままの意味だ。園宮、俺の隣でも構わないか?』
『え…………はい?』
何であの流れで俺が委員長の隣になったのか未だによく分からない。
西園寺先輩の隣って言う選択肢はなかったのだろうか?
まぁ、どっちが隣でも構わないのだけど。
緊張してしまう事に変わりはない。
何故呼出されたのか、それをどうやって聞き出そうかとちらりと隣の整った顔を盗み見る。
すると、携帯を手に取り、こちらに顔を向けた委員長と再び目が合ってしまう。
盗み見していた気まずさから目を合わせられず、うろうろと視線を泳がせていると、そんな事は関係ないとばかりに委員長が声を掛けて来た。
「俺達は食堂からデリバリーを頼むが、園宮も何か頼むか?」
「俺は弁当があるので頼まなくて大丈夫です。お気遣いありがとうございます」
弁当箱が入ったランチトートを顔の高さに上げて見せながら、委員長からの申し出をお断りする。
失礼がないようにと、わざわざ声を掛けてくれた事へのお礼も伝えたつもりだったのだが、何故か委員長は信じられない物を見るような目でこちらを見ていた。
真っ黒な瞳が大きく見開かれて、何度も瞬きを繰返している。
この人も睫毛長いなぁ。
「そんな小さな物で本当に足りるのか?」
何度も念を押して尋ねられたが、足りるから問題ないとその度に返した。
午後の授業が眠くなるから、昼は少し足りないぐらいでいい。
その代わりとばかりに夜はきっちり、ガッツリ食べるし。
何故そこまで気にするのかと思ったのだが、届いた料理を見て納得した。
大きなテーブル一面に並べられた料理は、どう見ても五人前はある。
とてもではないが二人で食べる量じゃない。
どうやら、委員長と西園寺先輩はたくさん食べる人達らしい。
本当に食べ切れるのか?これ。
俺の向かいには西園寺先輩が一人で座っていた。
そう、一人で。
委員長は俺の隣だ。
昨日の雪先輩程ではないが、中々の近さに委員長の顔がある。
何でこんな席順になってしまったかと言うと、西園寺先輩の一言がきっかけだった。
『俺、百鬼の隣はパス。お前デカイから圧が凄いんだもんよ』
『俺もお前の隣はごめんだな。お前、食べてる時も煩い』
『ああ?もってなんだ、もって』
『そのままの意味だ。園宮、俺の隣でも構わないか?』
『え…………はい?』
何であの流れで俺が委員長の隣になったのか未だによく分からない。
西園寺先輩の隣って言う選択肢はなかったのだろうか?
まぁ、どっちが隣でも構わないのだけど。
緊張してしまう事に変わりはない。
何故呼出されたのか、それをどうやって聞き出そうかとちらりと隣の整った顔を盗み見る。
すると、携帯を手に取り、こちらに顔を向けた委員長と再び目が合ってしまう。
盗み見していた気まずさから目を合わせられず、うろうろと視線を泳がせていると、そんな事は関係ないとばかりに委員長が声を掛けて来た。
「俺達は食堂からデリバリーを頼むが、園宮も何か頼むか?」
「俺は弁当があるので頼まなくて大丈夫です。お気遣いありがとうございます」
弁当箱が入ったランチトートを顔の高さに上げて見せながら、委員長からの申し出をお断りする。
失礼がないようにと、わざわざ声を掛けてくれた事へのお礼も伝えたつもりだったのだが、何故か委員長は信じられない物を見るような目でこちらを見ていた。
真っ黒な瞳が大きく見開かれて、何度も瞬きを繰返している。
この人も睫毛長いなぁ。
「そんな小さな物で本当に足りるのか?」
何度も念を押して尋ねられたが、足りるから問題ないとその度に返した。
午後の授業が眠くなるから、昼は少し足りないぐらいでいい。
その代わりとばかりに夜はきっちり、ガッツリ食べるし。
何故そこまで気にするのかと思ったのだが、届いた料理を見て納得した。
大きなテーブル一面に並べられた料理は、どう見ても五人前はある。
とてもではないが二人で食べる量じゃない。
どうやら、委員長と西園寺先輩はたくさん食べる人達らしい。
本当に食べ切れるのか?これ。
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