平凡くんと【特別】だらけの王道学園

蜂蜜

文字の大きさ
上 下
77 / 110
親衛隊隊長と風紀委員長

16

しおりを挟む
委員長から促され、委員長専用の机から少し離れた所にあるソファに三人で腰掛ける。

俺の向かいには西園寺先輩が一人で座っていた。


そう、一人で。


委員長は俺の隣だ。
昨日の雪先輩程ではないが、中々の近さに委員長の顔がある。


何でこんな席順になってしまったかと言うと、西園寺先輩の一言がきっかけだった。


『俺、百鬼の隣はパス。お前デカイから圧が凄いんだもんよ』

『俺もお前の隣はごめんだな。お前、食べてる時も煩い』

『ああ?もってなんだ、もって』

『そのままの意味だ。園宮、俺の隣でも構わないか?』

『え…………はい?』


何であの流れで俺が委員長の隣になったのか未だによく分からない。
西園寺先輩の隣って言う選択肢はなかったのだろうか?

まぁ、どっちが隣でも構わないのだけど。

緊張してしまう事に変わりはない。


何故呼出されたのか、それをどうやって聞き出そうかとちらりと隣の整った顔を盗み見る。

すると、携帯を手に取り、こちらに顔を向けた委員長と再び目が合ってしまう。


盗み見していた気まずさから目を合わせられず、うろうろと視線を泳がせていると、そんな事は関係ないとばかりに委員長が声を掛けて来た。


「俺達は食堂からデリバリーを頼むが、園宮も何か頼むか?」

「俺は弁当があるので頼まなくて大丈夫です。お気遣いありがとうございます」


弁当箱が入ったランチトートを顔の高さに上げて見せながら、委員長からの申し出をお断りする。

失礼がないようにと、わざわざ声を掛けてくれた事へのお礼も伝えたつもりだったのだが、何故か委員長は信じられない物を見るような目でこちらを見ていた。

真っ黒な瞳が大きく見開かれて、何度も瞬きを繰返している。


この人も睫毛長いなぁ。


「そんな小さな物で本当に足りるのか?」


何度も念を押して尋ねられたが、足りるから問題ないとその度に返した。

午後の授業が眠くなるから、昼は少し足りないぐらいでいい。
その代わりとばかりに夜はきっちり、ガッツリ食べるし。


何故そこまで気にするのかと思ったのだが、届いた料理を見て納得した。

大きなテーブル一面に並べられた料理は、どう見ても五人前はある。
とてもではないが二人で食べる量じゃない。

どうやら、委員長と西園寺先輩はたくさん食べる人達らしい。


本当に食べ切れるのか?これ。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

転生したが壁になりたい。

むいあ
BL
俺、神崎瑠衣はごく普通の社会人だ。 ただ一つ違うことがあるとすれば、腐男子だということだ。 しかし、周りに腐男子と言うことがバレないように日々隠しながら暮らしている。 今日も一日会社に行こうとした時に横からきたトラックにはねられてしまった! 目が覚めるとそこは俺が好きなゲームの中で!? 俺は推し同士の絡みを眺めていたいのに、なぜか美形に迫られていて!? 「俺は壁になりたいのにーーーー!!!!」

地味で冴えない俺の最高なポディション。

どらやき
BL
前髪は目までかかり、身長は160cm台。 オマケに丸い伊達メガネ。 高校2年生になった今でも俺は立派な陰キャとしてクラスの片隅にいる。 そして、今日も相変わらずクラスのイケメン男子達は尊い。 あぁ。やばい。イケメン×イケメンって最高。 俺のポディションは片隅に限るな。

ガラス玉のように

イケのタコ
BL
クール美形×平凡 成績共に運動神経も平凡と、そつなくのびのびと暮らしていたスズ。そんな中突然、親の転勤が決まる。 親と一緒に外国に行くのか、それとも知人宅にで生活するのかを、どっちかを選択する事になったスズ。 とりあえず、お試しで一週間だけ知人宅にお邪魔する事になった。 圧倒されるような日本家屋に驚きつつ、なぜか知人宅には学校一番イケメンとらいわれる有名な三船がいた。 スズは三船とは会話をしたことがなく、気まずいながらも挨拶をする。しかし三船の方は傲慢な態度を取り印象は最悪。 ここで暮らして行けるのか。悩んでいると母の友人であり知人の、義宗に「三船は不器用だから長めに見てやって」と気長に判断してほしいと言われる。 三船に嫌われていては判断するもないと思うがとスズは思う。それでも優しい義宗が言った通りに気長がに気楽にしようと心がける。 しかし、スズが待ち受けているのは日常ではなく波乱。 三船との衝突。そして、この家の秘密と真実に立ち向かうことになるスズだった。

生まれ変わりは嫌われ者

青ムギ
BL
無数の矢が俺の体に突き刺さる。 「ケイラ…っ!!」 王子(グレン)の悲痛な声に胸が痛む。口から大量の血が噴きその場に倒れ込む。意識が朦朧とする中、王子に最後の別れを告げる。 「グレン……。愛してる。」 「あぁ。俺も愛してるケイラ。」 壊れ物を大切に包み込むような動作のキス。 ━━━━━━━━━━━━━━━ あの時のグレン王子はとても優しく、名前を持たなかった俺にかっこいい名前をつけてくれた。いっぱい話しをしてくれた。一緒に寝たりもした。 なのにー、 運命というのは時に残酷なものだ。 俺は王子を……グレンを愛しているのに、貴方は俺を嫌い他の人を見ている。 一途に慕い続けてきたこの気持ちは諦めきれない。 ★表紙のイラストは、Picrew様の[見上げる男子]ぐんま様からお借りしました。ありがとうございます!

もういいや

ちゃんちゃん
BL
急遽、有名で偏差値がバカ高い高校に編入した時雨 薊。兄である柊樹とともに編入したが…… まぁ……巻き込まれるよね!主人公だもん! しかも男子校かよ……… ーーーーーーーー 亀更新です☆期待しないでください☆

実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…

彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜?? ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。 みんなから嫌われるはずの悪役。  そ・れ・な・の・に… どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?! もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣) そんなオレの物語が今始まる___。 ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️

花屋の息子

きの
BL
ひょんなことから異世界転移してしまった、至って普通の男子高校生、橘伊織。 森の中を一人彷徨っていると運良く優しい夫婦に出会い、ひとまずその世界で過ごしていくことにするが___? 瞳を見て相手の感情がわかる能力を持つ、普段は冷静沈着無愛想だけど受けにだけ甘くて溺愛な攻め×至って普通の男子高校生な受け の、お話です。 不定期更新。大体一週間間隔のつもりです。 攻めが出てくるまでちょっとかかります。

学園の天使は今日も嘘を吐く

まっちゃ
BL
「僕って何で生きてるんだろ、、、?」 家族に幼い頃からずっと暴言を言われ続け自己肯定感が低くなってしまい、生きる希望も持たなくなってしまった水無瀬瑠依(みなせるい)。高校生になり、全寮制の学園に入ると生徒会の会計になったが家族に暴言を言われたのがトラウマになっており素の自分を出すのが怖くなってしまい、嘘を吐くようになる ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初投稿です。文がおかしいところが多々あると思いますが温かい目で見てくれると嬉しいです。

処理中です...