平凡くんと【特別】だらけの王道学園

蜂蜜

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王道転校生とルームメイト

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夢咲 永遠ゆめさきとわ


5月に入り、連休明けに1年A組に転校してきた生徒。
彼は転校初日から既に有名人だった。



悪い意味で



明らかに地毛ではないもさもさとした黒い髪、目が全く見えない程厚いレンズが嵌め込まれた瓶底眼鏡。


何か理由があって変装しているのかもしれないが、もう少し違和感のない物を用意できなかったのだろうか……変装だと分かる変装にどこまで意味があるのか、俺にはさっぱり分からない。

全く関わりがない俺からすると、異様にも見える見た目が気になってしまうが、鷲杜や他の夢咲の友人達は気にしているようには見えないので、余程人から好かれる性格なのだろう。


この学校でなければここまでの悪意には曝されなかっただろうな、と思いながら卵焼きに齧りつく。


この学校の人間の、容姿に対する執着は異常なのだ


異常なのだが…この閉鎖空間しか知らない、美しい者だけが大好きなここの生徒からしたら、夢咲の方が異物になる。

A組に入れるぐらいなのだから家柄も申し分ないはずだし、恐らく人間性も悪くはないのだろうが、あの酷い変装に意識を持っていかれてしまうから悪印象しか残らない。



ただでさえ容姿で悪印象を抱かれているのに、夢咲の言動は火に油を注いでいた。

いや…油なんて可愛い物ではない。ガソリンだ。


なんでも、爽やかな容姿と優れた運動神経を持ち、人当たりも良いとクラスで一番人気のある生徒と真っ先に友達になったのだとか。
更に、近寄り難い雰囲気ながら、やはり容姿と家柄から爽やか君と引けを取らない人気のある生徒とは寮で同室な上、爽やか君に続いて友達になったそうだ。

ちなみに、鷲杜とは席が隣だったのがキッカケで仲良くなったらしい。


クラスで人気上位にいる二人と友達になった。
この時点でかなりの火力で燃えている。


しかし、それだけではすまなかった。


よりにもよって【生徒会】と関わりを持ってしまったのだという。



燃え盛っている炎にガソリンをぶち撒けた訳だ。


どうやら、夢咲から積極的に動いたというよりは、生徒会役員の方が夢咲を気に入ってちょっかいをかけているようだが、生徒会役員や爽やか君や近寄り難い人を慕っている人間からすれば、その方が付いた傷は大きいだろう。


自分が恋い慕い崇拝する人間が、容姿が優れず入って来たばかりの人間に自ら関わっているのだ。

喉から手が出る程望んでも叶わず、焦れるばかりの日々を過ごして来た彼らからすれば、それはもう許し難い光景に違いない。


『なぜ夢咲なのだ。なぜ自分ではないのか』


そんな想いが言動に出てしまっているのが現状だ。

夢咲に対する悪意で教室がピリピリしている。



折角作った弁当が不味くなるから早く教室から出て行って欲しい。
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