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王道転校生とルームメイト

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俺のたった一つの願いは今も叶わず、高校入学と同時に16歳の誕生日を迎えた。


入学してから2ヶ月と少し。


今日も部屋にある姿見の前に立って身嗜みのチェックをする。


俺が通う【薔薇ノ宮学園】はかなり特殊な高校で、他所の学校よりも容姿に重きを置く傾向が顕著だ。
その為、容姿が優れていなくても寝癖や制服の汚れには細心の注意を払っている。

そんな事で難癖をつけられたくはない。

平穏な高校生活の為の日課、鏡に映った自身の顔を改めてまじまじと見つめる。



眉にかかった、分け目なんかない適当に流した前髪を見て「そろそろ切ろうかな」と呟く。

目に髪がかかるのが嫌なのだが、サラサラ直毛という名の癖毛は何をしても直毛になってしまい、ヘアセットをしてもすぐに戻ってしまうのだ。

その為、前髪が邪魔だと思ったら切るしかない。
項に髪がかかるのもくすぐったくて好きではないからそれよりも短くするようにしている。


鏡から自身を見つめる髪と同じ栗皮色の瞳は、いつ見ても一重瞼だ。
本来は奥二重というやつなのだが、二重になっている所などほとんど見た事はないから、もう一重と言ってもいいと思う。

ほんの少し垂れた大きくも小さくもない目、睫毛だって生えているのが分かる程度の長さで、長くも短くもない。


鼻の形は親譲りで綺麗な方だと思うが、いかんせん高さがないので普通に成り下がっている。


唯一の自慢と言えば唇の色だろうか。
男子高校生にあるまじきピンク色……ひとえに母親のスパルタ指導の賜物である。

まぁ高校に入ってから手入れをサボりまくっているから色もくすんできてるし、潤いなんて一切ないが。

形も良くも悪くもない、平たい唇だ。



つまり、俺の容姿は可もなく不可もない、所謂【平凡】と言われる物だ。
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