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73. 真夜中の逢瀬
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風呂から出た後、それはもうお姫様かっていう待遇で拭かれ、着せられ、ベッドまで運ばれた。
ひとつ判った。ギドさんは世話焼きだ。それも甘やかし系のかまいたがり。無口で笑い上戸で甘やかし系のかまいたがりのエロ魔人って……それでもって神殿騎士の偉いさんだろ?
何か……面倒臭い人だよ。黙っていればキンキラの騎士様なのに。
精神的にごっそり削られて、ベッドに胡坐をかいて座り込んだ。ギドさんは僕が寝就くまで部屋にいるって言っていたけど、丁重にお断りした。
そしてようやく一人になった。イヤ、一人になれた。
「それよりハノークさんの事だ」
僕は声に出した。そうだ、今夜は議長さんにハノークさんについて聞いてみようと思っていたんだ。折角ゆっくり風呂に入って時間を潰そうとしていたのに、ギドさんのお陰で思いもかけない経験をした。マッサージだけで良かったのに、揶揄われて挙句キスマークを付けられた。あれって絶対揶揄われていたんだな。僕が未経験だって知っていて。
とにかく、まだ議長さんは帰って来ていないらしい(水差しを持って来てくれた執事さんが教えてくれた)。日にちが変わるにはまだ結構あるようだ。
「えっと、今は宵の五つの刻か。もう少しかな」
この世界の時刻は、太陽の動きに合わせている。つまり日が出てから沈むまでが明けの時刻。日が沈んで次に日が出る迄が宵の時刻。二つある月は、夫婦星? らしくて少し時間がズレて動いている。一つしか月が空に無い時間帯を賢者の時刻と言うんだって。
あと一刻で日が変わる。一刻は大体だけど1時間くらいかな。時間の進み方は同じだけど、一日の長さが少しだけ違う。この世界の方が賢者の時刻の分だけ長い感じかな。
そんな事を考えながら僕はベッドに寝転んだ。議長さんの帰りを待ちながら、時間潰しにと父さんの手帳を改めて見直していた。新たな発見が無いかと思いながら。
「はっ!? 寝てた!?」
手帳を読んでいたはずが、いつの間にか寝落ちしていた。
「今何時? ああぁ、六つの刻か―――」
がばりと身を起こして時計を見た。良かった。そんなに時間が経っていなかった。ほっとしてベッドにぼふんと突っ伏した。
ああ、やっぱり風呂で体力使ったのかな。そんな時だった。
微かに石畳を車輪を踏む音が聞こえた。それは本当に小さな音だったけど、僅かに開けていた窓から聞こえてきた。僕はベッドから滑り降りると、窓から顔を出して耳を澄ました。少し冷たい夜風が髪を撫でる。確かに馬車の音だ。
「議長さん、帰って来たかな」
僕は正面玄関の方に目を凝らしたけど、この部屋からは残念ながら馬車は見えなかった。この世界の夜は本当に暗いし、人々は寝静まって人工的な音はほとんどしない。聞こえるのは野良犬の遠吠えか、市街を警らする見廻り騎士の馬の蹄の音くらい。
多分議長さんが帰って来ると、執事さんがお迎えしてその後でハノークさんが報告に行くんだろう。そうだとしたら、少し時間をずらした方がいいかな。ハノークさんに会ったら気まずいし、なにより気にさせてしまう。
よし。それじゃあハノークさんが部屋を出て戻って来たら議長さん処に行こう。議長さんには悪いけど、この相談は早めにしておいた方が良いと思う。こんな夜中だから、ハノークさんの報告だってそんなに時間は掛からないはずだ。
僕はそう思って、右隣のハノークさんの部屋のドアが開くのを待った。隣と言っても僕の宛がわれている部屋はサロンと寝室、書斎と浴室まであるから結構離れている。僕は寝室から出ると、サロンの扉に耳を当てて気配を伺った。
小さく扉が開く音がした。僕はサロンの扉をほんの少し開いて廊下を見た。
ハノークさんだ。白い服を着たハノークさんの姿が、薄暗い廊下を静かに歩いているのが見えた。
「よし、行ったな。10分くらいで帰って来るかな。そうしたら行ってみよう」
僕は寝間着の上にガウンを羽織り、ドアの傍でハノークさんが戻って来るのを待った。
……ちょっと。遅くない?
多分もう1時間近く経っている。既に宵の七の刻を過ぎている。そんなに僕の報告する事があったか? 昨日の事は書記官さんから議長さんにも報告はされているはず。
報告される程に変な事はしていないよな。それともただ単に話が盛り上がっているのかなぁ。まさか、戻って来たのに気付かなかった?
「あ、ありえるかも……」
僕は呟いた。そうだった。相手はあのハノークさんだ。優雅で上品な動作は、無駄な音なんか出さないんだった。足音だってしないし、カップや食器の音をさせる事も無い。バタンと音をさせてドアを閉めるなんてしない人だ。
寝起きでぼんやりと考え事をしている僕が、ウッカリ聞き逃してしまった可能性が高い。
だとしたら……。
「……行こう」
議長さんの部屋に行こう。早く行かないと議長さんだって寝てしまう。貴重な睡眠時間を削ってしまうのは、忙しい議長さんにちょっと申し訳ない感じがする。
僕はそっと部屋の扉を開けた。寝静まっている廊下には、所々に蠟燭のランプが灯されている。
よし。議長さんの部屋は廊下を廻った向こう側だから、反対側から廻って行けばもしもハノークさんが戻って来ても鉢合わせる事は無い。
そう考えて、僕はギドさんの部屋の前を音を立てずに通り抜け、中庭を挟んで向こう側の議長さんの部屋まで急いだ。柔らかな革製の部屋履きは石造りの廊下でも音がしない。それでも最新の注意を払って、僕は議長さんの部屋を目指した。
そして議長さんの部屋の扉の前に立つ。さすがに大きな音でノックをする訳にも声を掛ける訳にもいかない。どうしよう……僕は少し躊躇しながら小さくノックをした。
……返事がない。
もう一回、ノックをしてみたけど返事は無い。もう寝てしまったのか?
僕は悩んだけどドアに手を掛けた。
キィ。と小さく軋んでドアが開いた。鍵は掛かっていなかったみたいだ。
「……失礼します……」
一応声を掛けてみたけど、サロンには人影は無かった。
議長さんの部屋は、サロンを真ん中に書斎と寝室へのドアが付いているはずだ。造り的には僕のいる部屋と同じだろうけど、さすがにひと回りは大きく重厚な家具が、ここがこの屋敷の主の部屋だって言っている。
もう寝ちゃったのかな。
引き返そうと思った。
「〇△※……」
ん? 小さく声? が聞こえた。そっと部屋から出ようとした僕の耳に、声とも音ともつかない何かが聞こえた。それは、確かに人の気配を含んでいた。
どこから?
……書斎だ。書斎に誰かいる。
議長さんだろう。こんな夜中に、ここは議長さんの部屋だし。
僕はそっと書斎のドアに手を掛けた。
「……あぁ……っ」
ドアを開けようとした時、僅かな隙間から声がした。
「……んっ、あぁ……」
この声。濡れた吐息と共に吐き出された、熱のこもった声。
間違うはずない。この声の主を僕は知っている。
この声は……
ハノークさんの声だ。
ひとつ判った。ギドさんは世話焼きだ。それも甘やかし系のかまいたがり。無口で笑い上戸で甘やかし系のかまいたがりのエロ魔人って……それでもって神殿騎士の偉いさんだろ?
何か……面倒臭い人だよ。黙っていればキンキラの騎士様なのに。
精神的にごっそり削られて、ベッドに胡坐をかいて座り込んだ。ギドさんは僕が寝就くまで部屋にいるって言っていたけど、丁重にお断りした。
そしてようやく一人になった。イヤ、一人になれた。
「それよりハノークさんの事だ」
僕は声に出した。そうだ、今夜は議長さんにハノークさんについて聞いてみようと思っていたんだ。折角ゆっくり風呂に入って時間を潰そうとしていたのに、ギドさんのお陰で思いもかけない経験をした。マッサージだけで良かったのに、揶揄われて挙句キスマークを付けられた。あれって絶対揶揄われていたんだな。僕が未経験だって知っていて。
とにかく、まだ議長さんは帰って来ていないらしい(水差しを持って来てくれた執事さんが教えてくれた)。日にちが変わるにはまだ結構あるようだ。
「えっと、今は宵の五つの刻か。もう少しかな」
この世界の時刻は、太陽の動きに合わせている。つまり日が出てから沈むまでが明けの時刻。日が沈んで次に日が出る迄が宵の時刻。二つある月は、夫婦星? らしくて少し時間がズレて動いている。一つしか月が空に無い時間帯を賢者の時刻と言うんだって。
あと一刻で日が変わる。一刻は大体だけど1時間くらいかな。時間の進み方は同じだけど、一日の長さが少しだけ違う。この世界の方が賢者の時刻の分だけ長い感じかな。
そんな事を考えながら僕はベッドに寝転んだ。議長さんの帰りを待ちながら、時間潰しにと父さんの手帳を改めて見直していた。新たな発見が無いかと思いながら。
「はっ!? 寝てた!?」
手帳を読んでいたはずが、いつの間にか寝落ちしていた。
「今何時? ああぁ、六つの刻か―――」
がばりと身を起こして時計を見た。良かった。そんなに時間が経っていなかった。ほっとしてベッドにぼふんと突っ伏した。
ああ、やっぱり風呂で体力使ったのかな。そんな時だった。
微かに石畳を車輪を踏む音が聞こえた。それは本当に小さな音だったけど、僅かに開けていた窓から聞こえてきた。僕はベッドから滑り降りると、窓から顔を出して耳を澄ました。少し冷たい夜風が髪を撫でる。確かに馬車の音だ。
「議長さん、帰って来たかな」
僕は正面玄関の方に目を凝らしたけど、この部屋からは残念ながら馬車は見えなかった。この世界の夜は本当に暗いし、人々は寝静まって人工的な音はほとんどしない。聞こえるのは野良犬の遠吠えか、市街を警らする見廻り騎士の馬の蹄の音くらい。
多分議長さんが帰って来ると、執事さんがお迎えしてその後でハノークさんが報告に行くんだろう。そうだとしたら、少し時間をずらした方がいいかな。ハノークさんに会ったら気まずいし、なにより気にさせてしまう。
よし。それじゃあハノークさんが部屋を出て戻って来たら議長さん処に行こう。議長さんには悪いけど、この相談は早めにしておいた方が良いと思う。こんな夜中だから、ハノークさんの報告だってそんなに時間は掛からないはずだ。
僕はそう思って、右隣のハノークさんの部屋のドアが開くのを待った。隣と言っても僕の宛がわれている部屋はサロンと寝室、書斎と浴室まであるから結構離れている。僕は寝室から出ると、サロンの扉に耳を当てて気配を伺った。
小さく扉が開く音がした。僕はサロンの扉をほんの少し開いて廊下を見た。
ハノークさんだ。白い服を着たハノークさんの姿が、薄暗い廊下を静かに歩いているのが見えた。
「よし、行ったな。10分くらいで帰って来るかな。そうしたら行ってみよう」
僕は寝間着の上にガウンを羽織り、ドアの傍でハノークさんが戻って来るのを待った。
……ちょっと。遅くない?
多分もう1時間近く経っている。既に宵の七の刻を過ぎている。そんなに僕の報告する事があったか? 昨日の事は書記官さんから議長さんにも報告はされているはず。
報告される程に変な事はしていないよな。それともただ単に話が盛り上がっているのかなぁ。まさか、戻って来たのに気付かなかった?
「あ、ありえるかも……」
僕は呟いた。そうだった。相手はあのハノークさんだ。優雅で上品な動作は、無駄な音なんか出さないんだった。足音だってしないし、カップや食器の音をさせる事も無い。バタンと音をさせてドアを閉めるなんてしない人だ。
寝起きでぼんやりと考え事をしている僕が、ウッカリ聞き逃してしまった可能性が高い。
だとしたら……。
「……行こう」
議長さんの部屋に行こう。早く行かないと議長さんだって寝てしまう。貴重な睡眠時間を削ってしまうのは、忙しい議長さんにちょっと申し訳ない感じがする。
僕はそっと部屋の扉を開けた。寝静まっている廊下には、所々に蠟燭のランプが灯されている。
よし。議長さんの部屋は廊下を廻った向こう側だから、反対側から廻って行けばもしもハノークさんが戻って来ても鉢合わせる事は無い。
そう考えて、僕はギドさんの部屋の前を音を立てずに通り抜け、中庭を挟んで向こう側の議長さんの部屋まで急いだ。柔らかな革製の部屋履きは石造りの廊下でも音がしない。それでも最新の注意を払って、僕は議長さんの部屋を目指した。
そして議長さんの部屋の扉の前に立つ。さすがに大きな音でノックをする訳にも声を掛ける訳にもいかない。どうしよう……僕は少し躊躇しながら小さくノックをした。
……返事がない。
もう一回、ノックをしてみたけど返事は無い。もう寝てしまったのか?
僕は悩んだけどドアに手を掛けた。
キィ。と小さく軋んでドアが開いた。鍵は掛かっていなかったみたいだ。
「……失礼します……」
一応声を掛けてみたけど、サロンには人影は無かった。
議長さんの部屋は、サロンを真ん中に書斎と寝室へのドアが付いているはずだ。造り的には僕のいる部屋と同じだろうけど、さすがにひと回りは大きく重厚な家具が、ここがこの屋敷の主の部屋だって言っている。
もう寝ちゃったのかな。
引き返そうと思った。
「〇△※……」
ん? 小さく声? が聞こえた。そっと部屋から出ようとした僕の耳に、声とも音ともつかない何かが聞こえた。それは、確かに人の気配を含んでいた。
どこから?
……書斎だ。書斎に誰かいる。
議長さんだろう。こんな夜中に、ここは議長さんの部屋だし。
僕はそっと書斎のドアに手を掛けた。
「……あぁ……っ」
ドアを開けようとした時、僅かな隙間から声がした。
「……んっ、あぁ……」
この声。濡れた吐息と共に吐き出された、熱のこもった声。
間違うはずない。この声の主を僕は知っている。
この声は……
ハノークさんの声だ。
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