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222話 当日を迎え③
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直線状の地面の黒が、広がっていく。
龍脈を通ってきた影響だろうか、溶け合って原型が分からない何かに成り果てている。
ドロドロとしたものがうねり集まり、1体の四足獣ような姿になる。
ちょっと前のロロを思い出し少し気が引けるが、対処せねばならないようだ。
先陣を切ったのはロロだ。
形成途中のそれに、飛び掛かり噛み付く。そのまま噛み千切り、断面から煙が舞う。
「平気か?」
千切った破片を飲み込むロロ。もうこの程度では自分を見失わない、と短く強いひと吠え、そして再び飛び掛かる。
こっちも負けてられない、とハルバードを生成し臨戦態勢。出方をうかがう。
けど動く様子が無い。
不動のまま、削られた部位へとドロドロが登っていく。
なんとなく察した。完成する前に壊せ、ってやつか。
そうとなればこっちも攻めだ。力の限りハルバードを振るう。
斬りつけた所から煙が噴き出す。曖昧な輪郭でグロさ軽減されててよかった。
追撃の合間、ロロの動きが見える。既に新しい姿を使いこなしていて、木を足場にした移動に加えて空中で軌道を変えたりして、機敏に追撃している。
見た目の禍々しさから強めに警戒していたが、やはり動く気配は無く。
ドロドロが足りなくなってきたのか、足の先の方から崩れてくる。
そして、生物であれば急所である、首が下がってくる。
最早ロロと連携するのに明文化はいらない。僅かな時間の思考の指示でロロが動く。
空中を駆けていたロロが滑るように地上まで降り、塊の片前足をかみ砕く。直後にツノの間に紫と黒の謎エネルギーが集められ、ビームとなってもう片方の前足を砕く。
がくっと崩れ丁度いい高さまで降りてきた首に、思いっきりハルバードで斬りつける。
意外なあっけなさと共に、頭部が落下し煙へと消える。
「ショウヤ、そっちはどうだ?」
そう言った瞬間だった。塊の様子に変化あり。
弾ける液体のように塊が弾け、破片が跳びながら煙となって消える。
…塊の中に別の塊がある。それがショウヤの方を目掛けて飛び出す。
「ロロ!」
叫ぶと同時にロロが、飛び出した鳥のような形の塊に飛び掛かる。
しかし出遅れ。同等の速度で飛ぶ相手に追いつく事はできず──
しかし、その鳥の塊が途中で何かにぶつかる。
衝撃とともに黒い煙が舞った向こう、なにやら壁…いや違う。
「…案外、いきなりでもそれなりにできるもんだな。」
そう言うショウヤの後方、大型ロボットが手でショウヤを護っていた。
龍脈を通ってきた影響だろうか、溶け合って原型が分からない何かに成り果てている。
ドロドロとしたものがうねり集まり、1体の四足獣ような姿になる。
ちょっと前のロロを思い出し少し気が引けるが、対処せねばならないようだ。
先陣を切ったのはロロだ。
形成途中のそれに、飛び掛かり噛み付く。そのまま噛み千切り、断面から煙が舞う。
「平気か?」
千切った破片を飲み込むロロ。もうこの程度では自分を見失わない、と短く強いひと吠え、そして再び飛び掛かる。
こっちも負けてられない、とハルバードを生成し臨戦態勢。出方をうかがう。
けど動く様子が無い。
不動のまま、削られた部位へとドロドロが登っていく。
なんとなく察した。完成する前に壊せ、ってやつか。
そうとなればこっちも攻めだ。力の限りハルバードを振るう。
斬りつけた所から煙が噴き出す。曖昧な輪郭でグロさ軽減されててよかった。
追撃の合間、ロロの動きが見える。既に新しい姿を使いこなしていて、木を足場にした移動に加えて空中で軌道を変えたりして、機敏に追撃している。
見た目の禍々しさから強めに警戒していたが、やはり動く気配は無く。
ドロドロが足りなくなってきたのか、足の先の方から崩れてくる。
そして、生物であれば急所である、首が下がってくる。
最早ロロと連携するのに明文化はいらない。僅かな時間の思考の指示でロロが動く。
空中を駆けていたロロが滑るように地上まで降り、塊の片前足をかみ砕く。直後にツノの間に紫と黒の謎エネルギーが集められ、ビームとなってもう片方の前足を砕く。
がくっと崩れ丁度いい高さまで降りてきた首に、思いっきりハルバードで斬りつける。
意外なあっけなさと共に、頭部が落下し煙へと消える。
「ショウヤ、そっちはどうだ?」
そう言った瞬間だった。塊の様子に変化あり。
弾ける液体のように塊が弾け、破片が跳びながら煙となって消える。
…塊の中に別の塊がある。それがショウヤの方を目掛けて飛び出す。
「ロロ!」
叫ぶと同時にロロが、飛び出した鳥のような形の塊に飛び掛かる。
しかし出遅れ。同等の速度で飛ぶ相手に追いつく事はできず──
しかし、その鳥の塊が途中で何かにぶつかる。
衝撃とともに黒い煙が舞った向こう、なにやら壁…いや違う。
「…案外、いきなりでもそれなりにできるもんだな。」
そう言うショウヤの後方、大型ロボットが手でショウヤを護っていた。
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