そして俺は召喚士に

ふぃる

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188話 修学旅行中の波乱⑧

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 それから残りの行程の間、特に変わった事は起こらず。
 少し変わった環境での事とはいえ、自分の魔術の新たな可能性が垣間見えて。それで色々と考えを巡らせたりなんかしてる内に、いつの間にか時間は過ぎ。


「…結局、何も出なかったな。」
 と帰りのバスでショウヤがぼやく。
「まぁ、あっちにはあっちの事情があるんだろうよ。」
 あの仕掛けてきた妖狐が若気の至りで、互いに干渉し合わないのが基本方針、とキリは言っていた。
「で、お前はあの時キリとどこ行ってたわけ?」
「いやまぁ、その……。」
 キリはグループチャットにメッセージを残していたが、自分は掻きそびれて行ってしまっていてばつが悪い。
「…別に責めるつもりじゃねぇよ。荒事だったんだとしたら、邪魔にしかならない自覚はあるし。」
「…………。」
 返しの言葉が思い浮かばないまま、ショウヤが言葉を続けた。
「でも遠ざけられてる訳でもないし、むしろ裏方として関われてるから、オレとしては十分すぎるくらいだ。
 だから、少しでも話を聞きたいんだ。」
「……それはいいけど、無理してないか?」
「…やっぱ、そう見えるのか?」
「一昨日の夜から、薄々な。」
 ため息の間ののち、ショウヤが返す。
「キリにも言われたよ、疲れてるだろって。」
「確かにリフレッシュすべきなようには見えるな。何かで一度気分転換するとか。」
「…もう少しで担当してる作業に区切りが付く、そしたら何か考えるわ。」
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