181 / 231
181話 修学旅行中の波乱①
しおりを挟む※1日複数話更新です。お気を付け下さい。
『それで、何もせずとも国王、王太子、宰相それぞれからこちら側に接触があると言ったか?』
笑いを収めて、声も表情も引き締めてきたテオドル大公に、私も『はい』と頷いた。
『この後会議だって仰ってましたし、それが本当なら、本人じゃなく派閥の誰かかも知れませんけどね?いずれにせよ、探りを入れにくる筈ですよ?』
『うん?あの会議の話は嘘だと?』
『ああ、いや、嘘じゃないとは思います。ただ、わざわざ、夕食は共に出来ないかも知れないと釘を刺すからには、本当は、会議は夕食を兼ねていて、今は派閥で集まる時間にしている可能性もあるんじゃないかと』
『ううむ……それだと、それぞれの思惑はともかく、王と王太子の意見が対立している可能性もあるが……』
『そうとも限りませんよ?国王陛下が、それぞれに情報網や意見、派閥がある事を承知した上で「それぞれの意見を持ち寄って、夕方再度集まろう」とでも仰られたなら、対立と言うよりは、合議制に重きを置いていらっしゃると言うだけの話になりますから』
裏を返せば、そこに意見を出せなければ、王太子として、あるいは宰相として失格の烙印を、周囲からも国王からも押される事になり、前段階での情報収集含め、法に外れた事でもやらかしてしまえば、それも同様と見做される。
穏健派と言われている国王ではあるけれど、良い意味で緊張感のある政治を行っているんじゃないだろうか。
テオドル大公も『うむ、あの陛下であればその方がしっくりくるな』と頷いていた。
『問題は、探りが入った時に、件の王弟の存在をそれぞれに明かすか否かだが――』
その時、不意に部屋の扉がノックされて、侍女と思われる女性の声が来客を告げた。
「大公殿下、失礼致します。ジーノ・フォサーティ宰相令息が、殿下にお会いしたいとの事なのですが……」
「……ほう?」
僅かに眉を動かしたテオドル大公に視線を向けると、大公は「ふむ…」と、こちらに説明するように顔を向け、口元に手をやった。
『彼奴は現宰相の養子であると同時に、王太子殿下の将来の側近候補と言われておってな。恐らくは王太子殿下の意を受けて来たのだろうとは思うが……後から宰相にも話の内容を問い質される可能性はあろうな』
『……ややこしいですね。それだと、結局最後に誰を立てるのか、あるいは上を共倒れさせたいのか、判断が難しいと言うか』
一見すると宰相家の人間ではあるけれど、養子である時点で、宰相家と言う枠の中に入れてしまって良いのかが、酷く曖昧だ。
かと言って、ミラン王太子の将来の側近候補だとしても、宰相の養子と言う時点で全幅の信頼を寄せて良いのかが見えづらい。
宰相家と王太子とが対立をしていないのであれば、確かに心強い側近候補ではあるだろうけど、ビリエル・イェスタフの処遇から推察するに、どうも「そうではない」感が拭えない。
『うむ。実は宰相にはもう一人、愛妾が産んだ息子がいるにはいるのだが、コレがちと問題大アリでな。そう言う意味では養子を取っておる事は王宮にいる大半の人間が納得をしておるのだ。ただ、愛妾はそれでは納得せんと言う訳でな。機会は平等に与える――と、宰相はしておるのだよ。故に、今ジーノが来たなら、後からもう一人の息子であるグイドが押しかけてくるやも知れん。その点は皆も承知しておいてくれるか』
『…まあでも、父親から情報を貰わないと動かないもう一人と、今既に扉の前にいる一人とでは、能力差含めて色々お察しですけどね』
その時点で、既に機会は不平等だ。
愛妾の子とは言え、実子の後押しをしていると取られてしまっても不思議じゃない。
『父の心子知らず――と、確かに言いたいところではあるが、宰相としては、不出来な実子を推す声を潰してしまいたいが故に、敢えて「ここまでお膳立てしてやっても出来ない」事を周囲に知らしめたいんじゃないかと、儂なんかは思っとるがな。宰相は、あまり家庭を顧みる男ではないし、何よりも宰相家の存続と発展を至上としておるしな』
『…それはそれで「宰相家でやってくれ。王宮を巻き込むな」と言いたくなる気もしますけどね』
バッサリと切って捨てた私に、テオドル大公は呵々と笑った。
『まあ、所詮バリエンダールの事。アンジェスに実害が及ばぬ内は、遠巻きに見ているのが良かろうて。とりあえずジーノには、件の王弟の話は「聞かれればする」の立場でいこうと思っておるよ』
バリエンダール側からアンジェスへの訪問を約束させる事は、今回の渡航における帰国の為の必須要件であり、その為には、必要以上に情報を出し惜しむ訳にもいかないのだ。
「……殿下?」
「うむ、待たせて済まぬな。中に案内してくれて構わぬぞ」
侍女からの再確認に答えたテオドル大公の声に前後しつつ、扉は静かに開かれた。
「――おお、王太子殿下もそうだったが、其方も大きくなったな、ジーノ!見違えたぞ」
深々と〝ボウ・アンド・スクレープ〟の礼儀を遵守する青年に、テオドル大公も大きく頷いている。
気持ちは分かります。見た目に成長したって言うだけの話じゃないですよね。
サレステーデの王子サマ方は、ちょっと酷かったですからね。
これが本来の高位貴族のあるべき姿だと、思わず頷いてしまったんだろうな…。
「お久しぶりです、テオドル大公殿下。アンジェスからお越しになられたばかりで、お疲れであろうところ、お時間を頂戴してしまい申し訳ございません」
バリエンダールの宰相サマは、多少は王家の血があるのか、年齢故か、見事なグレイヘアだった。
一方で目の前のこの青年は、晴れた空の色を思わせる水色の髪をしており、養子と言われれば「なるほど」となる外見だった。
「良い良い、気にするな。今回は私的に来ておる訳でもないし、時間は有限だ。其方こそ茶を飲む時間くらいはあるのか?儂を若者イジメをしておるような頑固ジジイにはしてくれるな?」
暗に「座れ」と大公が言っているのを、この場の全員が察した。
私とマトヴェイ外交部長はすぐさま、少し離れたソファの方へと移動をし、それを目にしたジーノ青年も「殿下には敵いません」と首を振りつつ、入口付近から部屋の中へと近付いてきた。
「それで今日は其方は誰の使者としてここへ来た?あまり駆け引きはせんでくれると有難いんだがな」
単刀直入なテオドル大公の言葉に「ははは」と、ジーノ青年は乾いた笑い声を洩らした。
明らかに「どの口が仰るか」と言っている目だ。
なるほど、無意味にテオドル大公の肩書に委縮したり阿ったりしてこない辺り、優秀さを買われて宰相家の養子になったと言うのも、あながち過大評価ではないんだろう。
「ああ、でも今回は四日間しかいらっしゃらないんでしたね。であれば、確かに昔の様に色々と手ほどきをして頂く訳にもいきませんね」
「まあ、其方やミラン殿下があまりに無鉄砲すぎて、口を挟みたくなっただけの事よ。さすがに少しは成長したのだろう?」
…何を手ほどきしたのかちょっと、いやだいぶ気になる。
後で聞いてみよう。
多分、私のそんな興味津々な視線に気が付いたんだろう。
テオドル大公が、ちょっと大きめの咳払いをして、ジーノ青年も「すみません、話がそれました」と微笑った。
「私は、今はミラン王太子殿下からの命でこちらに参りました。大公殿下に、さっき出来なかった質問がある――との事で」
そしてジーノ青年は浮かべていた笑顔を消して、背筋もピンと伸ばし直した。
「――テオ殿、私に言い忘れていた事はないか?――だ、そうです」
聞き返さずとも、何の話かアンジェス側は全員察しがついていた。
『それで、何もせずとも国王、王太子、宰相それぞれからこちら側に接触があると言ったか?』
笑いを収めて、声も表情も引き締めてきたテオドル大公に、私も『はい』と頷いた。
『この後会議だって仰ってましたし、それが本当なら、本人じゃなく派閥の誰かかも知れませんけどね?いずれにせよ、探りを入れにくる筈ですよ?』
『うん?あの会議の話は嘘だと?』
『ああ、いや、嘘じゃないとは思います。ただ、わざわざ、夕食は共に出来ないかも知れないと釘を刺すからには、本当は、会議は夕食を兼ねていて、今は派閥で集まる時間にしている可能性もあるんじゃないかと』
『ううむ……それだと、それぞれの思惑はともかく、王と王太子の意見が対立している可能性もあるが……』
『そうとも限りませんよ?国王陛下が、それぞれに情報網や意見、派閥がある事を承知した上で「それぞれの意見を持ち寄って、夕方再度集まろう」とでも仰られたなら、対立と言うよりは、合議制に重きを置いていらっしゃると言うだけの話になりますから』
裏を返せば、そこに意見を出せなければ、王太子として、あるいは宰相として失格の烙印を、周囲からも国王からも押される事になり、前段階での情報収集含め、法に外れた事でもやらかしてしまえば、それも同様と見做される。
穏健派と言われている国王ではあるけれど、良い意味で緊張感のある政治を行っているんじゃないだろうか。
テオドル大公も『うむ、あの陛下であればその方がしっくりくるな』と頷いていた。
『問題は、探りが入った時に、件の王弟の存在をそれぞれに明かすか否かだが――』
その時、不意に部屋の扉がノックされて、侍女と思われる女性の声が来客を告げた。
「大公殿下、失礼致します。ジーノ・フォサーティ宰相令息が、殿下にお会いしたいとの事なのですが……」
「……ほう?」
僅かに眉を動かしたテオドル大公に視線を向けると、大公は「ふむ…」と、こちらに説明するように顔を向け、口元に手をやった。
『彼奴は現宰相の養子であると同時に、王太子殿下の将来の側近候補と言われておってな。恐らくは王太子殿下の意を受けて来たのだろうとは思うが……後から宰相にも話の内容を問い質される可能性はあろうな』
『……ややこしいですね。それだと、結局最後に誰を立てるのか、あるいは上を共倒れさせたいのか、判断が難しいと言うか』
一見すると宰相家の人間ではあるけれど、養子である時点で、宰相家と言う枠の中に入れてしまって良いのかが、酷く曖昧だ。
かと言って、ミラン王太子の将来の側近候補だとしても、宰相の養子と言う時点で全幅の信頼を寄せて良いのかが見えづらい。
宰相家と王太子とが対立をしていないのであれば、確かに心強い側近候補ではあるだろうけど、ビリエル・イェスタフの処遇から推察するに、どうも「そうではない」感が拭えない。
『うむ。実は宰相にはもう一人、愛妾が産んだ息子がいるにはいるのだが、コレがちと問題大アリでな。そう言う意味では養子を取っておる事は王宮にいる大半の人間が納得をしておるのだ。ただ、愛妾はそれでは納得せんと言う訳でな。機会は平等に与える――と、宰相はしておるのだよ。故に、今ジーノが来たなら、後からもう一人の息子であるグイドが押しかけてくるやも知れん。その点は皆も承知しておいてくれるか』
『…まあでも、父親から情報を貰わないと動かないもう一人と、今既に扉の前にいる一人とでは、能力差含めて色々お察しですけどね』
その時点で、既に機会は不平等だ。
愛妾の子とは言え、実子の後押しをしていると取られてしまっても不思議じゃない。
『父の心子知らず――と、確かに言いたいところではあるが、宰相としては、不出来な実子を推す声を潰してしまいたいが故に、敢えて「ここまでお膳立てしてやっても出来ない」事を周囲に知らしめたいんじゃないかと、儂なんかは思っとるがな。宰相は、あまり家庭を顧みる男ではないし、何よりも宰相家の存続と発展を至上としておるしな』
『…それはそれで「宰相家でやってくれ。王宮を巻き込むな」と言いたくなる気もしますけどね』
バッサリと切って捨てた私に、テオドル大公は呵々と笑った。
『まあ、所詮バリエンダールの事。アンジェスに実害が及ばぬ内は、遠巻きに見ているのが良かろうて。とりあえずジーノには、件の王弟の話は「聞かれればする」の立場でいこうと思っておるよ』
バリエンダール側からアンジェスへの訪問を約束させる事は、今回の渡航における帰国の為の必須要件であり、その為には、必要以上に情報を出し惜しむ訳にもいかないのだ。
「……殿下?」
「うむ、待たせて済まぬな。中に案内してくれて構わぬぞ」
侍女からの再確認に答えたテオドル大公の声に前後しつつ、扉は静かに開かれた。
「――おお、王太子殿下もそうだったが、其方も大きくなったな、ジーノ!見違えたぞ」
深々と〝ボウ・アンド・スクレープ〟の礼儀を遵守する青年に、テオドル大公も大きく頷いている。
気持ちは分かります。見た目に成長したって言うだけの話じゃないですよね。
サレステーデの王子サマ方は、ちょっと酷かったですからね。
これが本来の高位貴族のあるべき姿だと、思わず頷いてしまったんだろうな…。
「お久しぶりです、テオドル大公殿下。アンジェスからお越しになられたばかりで、お疲れであろうところ、お時間を頂戴してしまい申し訳ございません」
バリエンダールの宰相サマは、多少は王家の血があるのか、年齢故か、見事なグレイヘアだった。
一方で目の前のこの青年は、晴れた空の色を思わせる水色の髪をしており、養子と言われれば「なるほど」となる外見だった。
「良い良い、気にするな。今回は私的に来ておる訳でもないし、時間は有限だ。其方こそ茶を飲む時間くらいはあるのか?儂を若者イジメをしておるような頑固ジジイにはしてくれるな?」
暗に「座れ」と大公が言っているのを、この場の全員が察した。
私とマトヴェイ外交部長はすぐさま、少し離れたソファの方へと移動をし、それを目にしたジーノ青年も「殿下には敵いません」と首を振りつつ、入口付近から部屋の中へと近付いてきた。
「それで今日は其方は誰の使者としてここへ来た?あまり駆け引きはせんでくれると有難いんだがな」
単刀直入なテオドル大公の言葉に「ははは」と、ジーノ青年は乾いた笑い声を洩らした。
明らかに「どの口が仰るか」と言っている目だ。
なるほど、無意味にテオドル大公の肩書に委縮したり阿ったりしてこない辺り、優秀さを買われて宰相家の養子になったと言うのも、あながち過大評価ではないんだろう。
「ああ、でも今回は四日間しかいらっしゃらないんでしたね。であれば、確かに昔の様に色々と手ほどきをして頂く訳にもいきませんね」
「まあ、其方やミラン殿下があまりに無鉄砲すぎて、口を挟みたくなっただけの事よ。さすがに少しは成長したのだろう?」
…何を手ほどきしたのかちょっと、いやだいぶ気になる。
後で聞いてみよう。
多分、私のそんな興味津々な視線に気が付いたんだろう。
テオドル大公が、ちょっと大きめの咳払いをして、ジーノ青年も「すみません、話がそれました」と微笑った。
「私は、今はミラン王太子殿下からの命でこちらに参りました。大公殿下に、さっき出来なかった質問がある――との事で」
そしてジーノ青年は浮かべていた笑顔を消して、背筋もピンと伸ばし直した。
「――テオ殿、私に言い忘れていた事はないか?――だ、そうです」
聞き返さずとも、何の話かアンジェス側は全員察しがついていた。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
鋼なるドラーガ・ノート ~S級パーティーから超絶無能の烙印を押されて追放される賢者、今更やめてくれと言われてももう遅い~
月江堂
ファンタジー
― 後から俺の実力に気付いたところでもう遅い。絶対に辞めないからな ―
“賢者”ドラーガ・ノート。鋼の二つ名で知られる彼がSランク冒険者パーティー、メッツァトルに加入した時、誰もが彼の活躍を期待していた。
だが蓋を開けてみれば彼は無能の極致。強い魔法は使えず、運動神経は鈍くて小動物にすら勝てない。無能なだけならばまだしも味方の足を引っ張って仲間を危機に陥れる始末。
当然パーティーのリーダー“勇者”アルグスは彼に「無能」の烙印を押し、パーティーから追放する非情な決断をするのだが、しかしそこには彼を追い出すことのできない如何ともしがたい事情が存在するのだった。
ドラーガを追放できない理由とは一体何なのか!?
そしてこの賢者はなぜこんなにも無能なのに常に偉そうなのか!?
彼の秘められた実力とは一体何なのか? そもそもそんなもの実在するのか!?
力こそが全てであり、鋼の教えと闇を司る魔が支配する世界。ムカフ島と呼ばれる火山のダンジョンの攻略を通して彼らはやがて大きな陰謀に巻き込まれてゆく。

元勇者、魔王の娘を育てる~血の繋がらない父と娘が過ごす日々~
雪野湯
ファンタジー
勇者ジルドランは少年勇者に称号を奪われ、一介の戦士となり辺境へと飛ばされた。
新たな勤務地へ向かう途中、赤子を守り戦う女性と遭遇。
助けに入るのだが、女性は命を落としてしまう。
彼女の死の間際に、彼は赤子を託されて事情を知る。
『魔王は殺され、新たな魔王となった者が魔王の血筋を粛清している』と。
女性が守ろうとしていた赤子は魔王の血筋――魔王の娘。
この赤子に頼れるものはなく、守ってやれるのは元勇者のジルドランのみ。
だから彼は、赤子を守ると決めて娘として迎え入れた。
ジルドランは赤子を守るために、人間と魔族が共存する村があるという噂を頼ってそこへ向かう。
噂は本当であり両種族が共存する村はあったのだが――その村は村でありながら軍事力は一国家並みと異様。
その資金源も目的もわからない。
不審に思いつつも、頼る場所のない彼はこの村の一員となった。
その村で彼は子育てに苦労しながらも、それに楽しさを重ねて毎日を過ごす。
だが、ジルドランは人間。娘は魔族。
血が繋がっていないことは明白。
いずれ真実を娘に伝えなければならない、王族の血を引く魔王の娘であることを。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★


転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる