そして俺は召喚士に

ふぃる

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169話 同盟結成?⑤

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 同じように広域をアイナの炎で処理しつつ、残りをこっちで相手をし。
 追加でどれくらい繰り返したか。多分100は超えてると思う。
 流石に疲労が限界で木の根につまずく。それに気付いてアイナも足を止め、聞いてくる。
「どんくらい終わった?」
「…2割くらい?」
 エリア全体を3×3のマス目に見立てて、2マスに少し足りないくらい。

「しゃーねぇ、明日もやんぞ。」
「いや、ちょっと、これ連日は、きついかも……。」
 久しぶりな魔力消耗の頭痛。ロロの維持に使う魔力がが持ってかれるのが、重く感じる。
 強制的でなければ触れずともできる。同期した思考を介しロロに指示、俺の中に戻ってきてもらう。
 もう空が夕日で赤い。街灯のある場所すら遠いくらいに人里から離れた場所、そこまで走る体力すら怪しい。
 夜目が利くのが最早体質となっていて、魔力と関係無いのが救いか。

「んだよ、しょべぇな。」
「これでも最初に魔法使えてから1年ちょっと…そう考えるともう結構経ってんな?」
 最初はちっこい雑魚モンスターを一瞬出しただけでダウンしてたのに、慣れたものだなと我ながら感心する。
「分かった、残りはあたしが片しとく。」
「…残った8割をか?」
 単純に面積の割合から見て4倍、自分の探知アシスト無しとなったら更に時間もスタミナも余計に消費するだろう。
 …アイナならやりかねない、とは思ったが、そのまま行かせるべきじゃない、とも思った。
 自分には理解の及ばない覚悟と行動、アイナからしたら逆もしかりだろう。すぐに正せと言うのは無理と悟るほどの、自分らとは違いすぎる価値観。おそらく東妖衆だとか、そっちの側の考え方か。
 こちらの価値観や常識に触れさせ、学び慣れさせる。キリは社会勉強も兼ねてと予測していたが、つまりそういう事か。

「だーもう分かった。けど次からは一度俺に相談してからにしてくれ。」
 実行に移す前に一度俺が挟まれば、度が過ぎてればストッパーになればいいし、動向が分かればナナノハか誰かに相談する手も取れる。
「お前に何ができるってんだよ。」
 言葉と共に、呆れも混じった様相でアイナが睨んでくる。
「例えばこれ、このまま片付けるより、魔界の連中の前で片付けた方が効果的とは思わないか?」
「…っていうと?」
「あいつらと組んで分担して、その上であいつらより戦果上げる方が、直接的に実力を見せれていいんじゃないかな?」
「それは…確かに。」
 少しの思考の間ののち、アイナが言葉を続ける。
「つまり奴らが片付けるって息巻いてるとこに、仕事奪って強いって見せつけてやる訳だな!」
 そこまで過激には考えてはいなかったが、まぁ悪い方向性ではないか。

「その時にはお前もまた手伝ってくれよな!」
 どうしようかと迷った末、返した答えは曖昧なものになってしまった。
「…考えておくよ。」
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