168 / 231
168話 同盟結成?④
しおりを挟む
「そのまま右前! 後ろは俺がやる!」
「おーけー!」
アイナに指示を出し、自分も動く。
俺が担当するいくつかの反応のうち、いくつかを思考の中でターゲット。それを斧で薙ぎ払い、残りはロロが対処。
この調子を繰り返し。正確な回数は数えてなかったが、50回くらいだろうか。
逐一反応はチェックしているが、取り逃しは見当たらない。このまま全面回れれば、成果の精度は魔界組の作業より高くいくだろう。
けど……。
「ちょっと、休みを……。」
「え、あ、おう。」
いくら身体能力が上がったとはいえ、ロロをフル稼働させつつ、跳ねるように動きっぱなしは流石に疲れる。
ロロの警戒だけは維持させつつ、近くの木の根元に座り込む。
「で、どれくらい終わったんだ?」
アイナに言われるまでもなく、GPSのチェック。
「…まだ全然。
ところでお前、その炎以外は何かできないのか?」
アイナの炎によるカバー範囲は確かに大きい。けど全体からすれば、それでも物足りない範囲でもある。
「できるっちゃできる…が、ちょっと天候変えれるくらいだから役にたたねーぞ?」
「いや規模でけーよ。」
想定の上を行く返答に、思わずツッコミ。
「ま雷でも降らせりゃ一掃はできるだろーよ。でもそういう大規模な破壊はするなって言われてるから……。」
案外そういう言いつけみたいなの、気にするんだな。
「ていうかさ、お前も多少なりとも探知できないのか?」
これだけできるなら、自分より感知能力強い可能性だってあるのではないだろうか。
「わかんねーよ、よわっちぃ奴の気配なんて。
音さえ出れば分かるんだが──」
なんて言ってるまさにその時だった。枝の上から迫る反応。
自分が反応するより先に、ロロが動いた。ロロが牙で捕らえた蔦が、うねうねとうごめいている。
「休憩は終わり、みたいだな。」
そう言い手のひらに炎を浮かべ、アイナが交戦モードに切り替わる。
「おーけー!」
アイナに指示を出し、自分も動く。
俺が担当するいくつかの反応のうち、いくつかを思考の中でターゲット。それを斧で薙ぎ払い、残りはロロが対処。
この調子を繰り返し。正確な回数は数えてなかったが、50回くらいだろうか。
逐一反応はチェックしているが、取り逃しは見当たらない。このまま全面回れれば、成果の精度は魔界組の作業より高くいくだろう。
けど……。
「ちょっと、休みを……。」
「え、あ、おう。」
いくら身体能力が上がったとはいえ、ロロをフル稼働させつつ、跳ねるように動きっぱなしは流石に疲れる。
ロロの警戒だけは維持させつつ、近くの木の根元に座り込む。
「で、どれくらい終わったんだ?」
アイナに言われるまでもなく、GPSのチェック。
「…まだ全然。
ところでお前、その炎以外は何かできないのか?」
アイナの炎によるカバー範囲は確かに大きい。けど全体からすれば、それでも物足りない範囲でもある。
「できるっちゃできる…が、ちょっと天候変えれるくらいだから役にたたねーぞ?」
「いや規模でけーよ。」
想定の上を行く返答に、思わずツッコミ。
「ま雷でも降らせりゃ一掃はできるだろーよ。でもそういう大規模な破壊はするなって言われてるから……。」
案外そういう言いつけみたいなの、気にするんだな。
「ていうかさ、お前も多少なりとも探知できないのか?」
これだけできるなら、自分より感知能力強い可能性だってあるのではないだろうか。
「わかんねーよ、よわっちぃ奴の気配なんて。
音さえ出れば分かるんだが──」
なんて言ってるまさにその時だった。枝の上から迫る反応。
自分が反応するより先に、ロロが動いた。ロロが牙で捕らえた蔦が、うねうねとうごめいている。
「休憩は終わり、みたいだな。」
そう言い手のひらに炎を浮かべ、アイナが交戦モードに切り替わる。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。


【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる