そして俺は召喚士に

ふぃる

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138話 連戦②

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 以前のようにソウクロウが五芒星の陣を展開し、夜跳よばねを囲い。
 そこから発せられるグラデーションの柱が、夜跳ねを黒い煙状の魔力へと消失させていく。
 川の姿が全部消えたところで、改めてソウクロウがナナノハに向きながら聞く。

「して、何用だ? まさか偶然の遭遇な訳はあるまい?」
「偶然通りすがったのは本当なんですが、あなたとは一度話し合いをすべきとは思っていました。」「ならば、まずは聞かせよ。貴様らの目的は何だ?」
「こちらの世界で起こっている異変、魔力濃度の増加。
 それが異界の方でも共鳴し、影響を及ぼしてるのです。」
 少しの思考の間ののち、ソウクロウが言葉を返す。
「むしろ、その異界とやらの影響で、こちらでも異変が起こっているのではないのか?」
「では逆にお聞きしますが、これを自然現象とお考えで?」
 魔界側の現状に関しては、自分も詳しくは知らない。
 けど、少なくともこちらの世界に関しては、アプリ「ゴーストファインダー」による明らかな作為が見られる。
 それと同じような把握状況のソウクロウは、何も答えられなかった。
「協力を許可していただいた際には、そちらの決定を優先する事を約束しましょう。そちらの邪魔になる事は、極力避けるように計らいましょう。
 どうでしょう、選択を先延ばしする余裕はあまりないように見受けられますが。」
 それを聞き少し思考の間、たどたどしくもスマホを確認し、ソウクロウが答える。
「…3日後、この場所、この時間。
 それまで考えさせてくれ」
「了解です。」

 日替わりボスレイドの日程は1週間分公開されていて、当然その確認も随時行っていた。
 その上で、「3日後」という指定。2日後にひとつ戦闘があり、それが明けた後。
 ソウクロウ側の話をつけつつ、その後の準備期間を十分に取る。そういう目論見だろう。
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