131 / 231
131話 密集地①
しおりを挟む
ナナノハに丁度いいかもしれない相手として紹介した相手、ショウヤ。
ちょっとした巻き込まれで怪異とか魔界の事をちょっと知っただけで別に術とか使えない、自分以上に普通の「こっちの世界の一般人」。
だからよりフラットな目線で、ナナノハの要求に応えられるだろう。そういう目論見だった。
その事について聞いた結果、返ってきたのは洪水のような早口だった。
「まず『平穏に暮らしたいAI兵器』って属性が強いよね。昔からよくあるネタらしいけど、それだけ扱われるだけの良さっていうか。
見た目は完全に人間なのも、本来なら異質な存在が『わざわざ人間に寄せてくれてる』って考え方でむしろアリ派。
で、そんだけ似せてる中で、たまに会話の中でも時折生物としての基準を欠く少しズレた視点が垣間見える、無自覚なやつだよね、あれ。」
「つまり好印象だった、って事でいいんだよな…?」
「そういう擬態相手である人間に寄せようとしてくれるのが『良さ』なんだよ。」
「えっ、そんな勝手に取っていいものなんですか!?」
一方、テーブルの向かい側。
流れる皿を取るキリを見て、ハルルが驚く。
「そういうもんなんだよ、回転寿司ってのは。」
話のついでに折角だしと、4人で回転寿司。
実家付近のは回転レーン撤廃されたが、ここは今も存続してる店だ。
「あ、その味噌ラーメン取って。」
「おっけ。」
レーン側席の役目、ショウヤに一品目を受け渡す。
初手でラーメン?とは思ったが、なるほど、そういうのもアリか。
キリもえび天握りから入ってるし、早くもかなりフリーダムな卓上になってる。
「で、ハルルはいつも通り俺と同じでいいか?」
「はい、選定お願いします!」
さてどうしようか、と思ったところで。
「そうだ、ハルルって生魚は行けるのか??」
「初挑戦です!」
「そっか、じゃあ……。」
レーンの中から、2皿セットで流れてるのを探す。
端末から注文してもいいが、最初くらいは待たずにいきたい。
流れの上流の席だ、その条件を満たすものは多い。
その中でぱっと目についた一品。美しいピンクの輝き、サーモンだ。
なんかのサイトでの寿司人気投票でも1位だった見覚えもあるし、回転寿司といえば、と言ってもいいだろう。
一皿をハルルに渡し、自分の見真似でハルルも醤油をかけ。
ハルルの箸の扱いも慣れたもので、まだ慎重さは見受けられるが、危なげはなく口まで運ぶ。
瞬間、神妙な表情。
そしてしばらく味わったのちに、ぽつりと一言。
「なるほど、これが異国情緒……。」
ちょっとした巻き込まれで怪異とか魔界の事をちょっと知っただけで別に術とか使えない、自分以上に普通の「こっちの世界の一般人」。
だからよりフラットな目線で、ナナノハの要求に応えられるだろう。そういう目論見だった。
その事について聞いた結果、返ってきたのは洪水のような早口だった。
「まず『平穏に暮らしたいAI兵器』って属性が強いよね。昔からよくあるネタらしいけど、それだけ扱われるだけの良さっていうか。
見た目は完全に人間なのも、本来なら異質な存在が『わざわざ人間に寄せてくれてる』って考え方でむしろアリ派。
で、そんだけ似せてる中で、たまに会話の中でも時折生物としての基準を欠く少しズレた視点が垣間見える、無自覚なやつだよね、あれ。」
「つまり好印象だった、って事でいいんだよな…?」
「そういう擬態相手である人間に寄せようとしてくれるのが『良さ』なんだよ。」
「えっ、そんな勝手に取っていいものなんですか!?」
一方、テーブルの向かい側。
流れる皿を取るキリを見て、ハルルが驚く。
「そういうもんなんだよ、回転寿司ってのは。」
話のついでに折角だしと、4人で回転寿司。
実家付近のは回転レーン撤廃されたが、ここは今も存続してる店だ。
「あ、その味噌ラーメン取って。」
「おっけ。」
レーン側席の役目、ショウヤに一品目を受け渡す。
初手でラーメン?とは思ったが、なるほど、そういうのもアリか。
キリもえび天握りから入ってるし、早くもかなりフリーダムな卓上になってる。
「で、ハルルはいつも通り俺と同じでいいか?」
「はい、選定お願いします!」
さてどうしようか、と思ったところで。
「そうだ、ハルルって生魚は行けるのか??」
「初挑戦です!」
「そっか、じゃあ……。」
レーンの中から、2皿セットで流れてるのを探す。
端末から注文してもいいが、最初くらいは待たずにいきたい。
流れの上流の席だ、その条件を満たすものは多い。
その中でぱっと目についた一品。美しいピンクの輝き、サーモンだ。
なんかのサイトでの寿司人気投票でも1位だった見覚えもあるし、回転寿司といえば、と言ってもいいだろう。
一皿をハルルに渡し、自分の見真似でハルルも醤油をかけ。
ハルルの箸の扱いも慣れたもので、まだ慎重さは見受けられるが、危なげはなく口まで運ぶ。
瞬間、神妙な表情。
そしてしばらく味わったのちに、ぽつりと一言。
「なるほど、これが異国情緒……。」
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説

元勇者、魔王の娘を育てる~血の繋がらない父と娘が過ごす日々~
雪野湯
ファンタジー
勇者ジルドランは少年勇者に称号を奪われ、一介の戦士となり辺境へと飛ばされた。
新たな勤務地へ向かう途中、赤子を守り戦う女性と遭遇。
助けに入るのだが、女性は命を落としてしまう。
彼女の死の間際に、彼は赤子を託されて事情を知る。
『魔王は殺され、新たな魔王となった者が魔王の血筋を粛清している』と。
女性が守ろうとしていた赤子は魔王の血筋――魔王の娘。
この赤子に頼れるものはなく、守ってやれるのは元勇者のジルドランのみ。
だから彼は、赤子を守ると決めて娘として迎え入れた。
ジルドランは赤子を守るために、人間と魔族が共存する村があるという噂を頼ってそこへ向かう。
噂は本当であり両種族が共存する村はあったのだが――その村は村でありながら軍事力は一国家並みと異様。
その資金源も目的もわからない。
不審に思いつつも、頼る場所のない彼はこの村の一員となった。
その村で彼は子育てに苦労しながらも、それに楽しさを重ねて毎日を過ごす。
だが、ジルドランは人間。娘は魔族。
血が繋がっていないことは明白。
いずれ真実を娘に伝えなければならない、王族の血を引く魔王の娘であることを。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★


元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる