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112話 「かつての仲間」の助力を経て①
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到着した先は、横に広い建物だった。
縦に長い建物ばかりのこの辺りでは珍しく、とても目立つ。
奥行はどれほどだろうか。周りより低いとはいっても2階建ての高さ、地上からでは見渡しを遮られる。
両開きの大きめの扉、その片方を押し開き、建物の中へ。
中は、一言で表すなら「お堅い」感じ。
装飾なんてない、無骨な廊下と扉。本来なら客を招き入れるような場所ではないのだろう。
廊下に面する窓は設けられておらず、扉の向こうをうかがい知ることはできない。
そんな静寂の中、待ち構えている一人…という考え方でいいんだよな? こっちの世界の考え方として。
真っ黒毛皮の黒猫の人が、そこにいた。
「久し振りね。」
ナナノハが話をつけてた人だろう。静かな口調で、ナナノハに言う。
「お久し振りです、エンさん。」
エンと呼ばれたその猫人も、やはり種族柄か体格は小さく、小学生低学年くらいってところか。
ナナノハが慕う相手のようだが、見下ろす目線の高さなのはちょっと落ち着かない。
挨拶を早々に切り上げエンが奥へと歩き始め、振り返りながら言う。
「色々話したいところだけど、今はそれどころじゃないんでしょ?
こっちよ、ついてきて。」
縦に長い建物ばかりのこの辺りでは珍しく、とても目立つ。
奥行はどれほどだろうか。周りより低いとはいっても2階建ての高さ、地上からでは見渡しを遮られる。
両開きの大きめの扉、その片方を押し開き、建物の中へ。
中は、一言で表すなら「お堅い」感じ。
装飾なんてない、無骨な廊下と扉。本来なら客を招き入れるような場所ではないのだろう。
廊下に面する窓は設けられておらず、扉の向こうをうかがい知ることはできない。
そんな静寂の中、待ち構えている一人…という考え方でいいんだよな? こっちの世界の考え方として。
真っ黒毛皮の黒猫の人が、そこにいた。
「久し振りね。」
ナナノハが話をつけてた人だろう。静かな口調で、ナナノハに言う。
「お久し振りです、エンさん。」
エンと呼ばれたその猫人も、やはり種族柄か体格は小さく、小学生低学年くらいってところか。
ナナノハが慕う相手のようだが、見下ろす目線の高さなのはちょっと落ち着かない。
挨拶を早々に切り上げエンが奥へと歩き始め、振り返りながら言う。
「色々話したいところだけど、今はそれどころじゃないんでしょ?
こっちよ、ついてきて。」
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