そして俺は召喚士に

ふぃる

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97話 「魔界」と仮称されし場所①

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「ここは俺からすれば異世界、って事なんだよな?」
「はい。こちらの言葉で『マグラセンド』…あちらの世界の言葉になぞらえれば『魔界』といったところでしょうか。」
 察してはいた。けど実際に肯定される事で、湧いてくる実感。
 加えて、頼れるものが無かった所への安心感。
 気がかりが取っ払われ、再び浮き上がった具合の悪さが残った。
 支えを求めた右腕を、受け止め支えてくれる。
「休める場所の方が良さそうですね。ここではその服装も目立ちますし。
 少し歩けますか?」
「あぁ、悪い。」


 そして何やら建物へ。
 入口のソファで休んでる間に話を通してくれたようで、3階の部屋へと通される。
 ベッドのあるしっかりした生活空間だ。どういう伝手なのかは気にはなるが、今はただただ助かる。
「お陰で助かりました。えーと…シミズ…さん?」
「『ナナノハ』の呼び捨てでいいですよ、敬語もなしで。
 上に見られるの、未だに慣れないので。」

「じゃあ…ナナノハ、質問いいかな?」
 聞きたい事はいくつもあるが、順番を考えながら問う。
「ボクに答えられる事なら、なんなりとどうぞ。」
「ハルルやナナノハが来てたって事は、行き来する手段があるって事だよな?」
「そうですね、なので戻る手段はあります。
 ただ、ボクだけならまだしも、安定したゲートとなると、ややこしいらしくて。
 次元間の接続の揺らぎがどうとか…詳しいところは専門外で。すみません。」

 1つの解決と同時に、浮かび上がる新たに気になる点。
「ナナノハだけならっていうのは、どういう事なんだ?」
「ボクはなんというか、作りが柔軟で頑丈なので多少の無茶も利くのです。」
「それって──」
 言い切る前に体がふらつき、座ってたベッドに手をつく。
「とりあえず、今は休んだ方がいいのでは?」
「そう…みたいだな。」
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