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96話 迷い込んだ先は③
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「大丈夫、ですか? 言葉、分かりますか?」
騒ぎの中で、それはやけに鮮明に聞こえた。
明確に日本語だった。他の人の言葉はどれも相変わらず聞き取れないのに。
「違いましたかね…あちらの服装かと思ったのですが……。」
「いや、あってる! 気が付いたら異世界にいて!」
声の方に振り返りながら言う。
水色の髪に青いひらひらの魔術師的な服装。あれ、それって確か見覚えが……。
「いくら創作好きでも、空想と現実の区切りはちゃんと付けないとダメですよ?」
「そういうアレじゃないって!
あの時いた人だよな、ハロウィンの夜に廃病院、ハルルと一緒に。」
あちらも思い当たるとこが見つかったようで、語調が落ち着いたものへと。
「…もしかして、ヴェリダールさんが言ってたユートさん?」
「そう、その長良 悠斗。
だから既に色々と聞いて知ってるし、だからちゃんと現状を把握したい。」
「なるほど、そういう事でしたか。」
場所を変え、喧騒から離れた場所へ。
遠くで鎧の竜人と、なにやら2人組が戦ってるのが見える。
「では、改めまして。
ボクはラディ…あちらでは清水 七葉と名乗ってます。以後、お見知りおきを。」
相手の深いお辞儀につられ、こちらも一例。そして、まず最初に聞いておくべき事を。
「それで、一応改めて確認したい。
ここは俺からすれば異世界、って事なんだよな?」
「はい。こちらの言葉で『マグラセンド』…あちらの世界の言葉になぞらえれば『魔界』といったところでしょうか。」
騒ぎの中で、それはやけに鮮明に聞こえた。
明確に日本語だった。他の人の言葉はどれも相変わらず聞き取れないのに。
「違いましたかね…あちらの服装かと思ったのですが……。」
「いや、あってる! 気が付いたら異世界にいて!」
声の方に振り返りながら言う。
水色の髪に青いひらひらの魔術師的な服装。あれ、それって確か見覚えが……。
「いくら創作好きでも、空想と現実の区切りはちゃんと付けないとダメですよ?」
「そういうアレじゃないって!
あの時いた人だよな、ハロウィンの夜に廃病院、ハルルと一緒に。」
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「なるほど、そういう事でしたか。」
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「では、改めまして。
ボクはラディ…あちらでは清水 七葉と名乗ってます。以後、お見知りおきを。」
相手の深いお辞儀につられ、こちらも一例。そして、まず最初に聞いておくべき事を。
「それで、一応改めて確認したい。
ここは俺からすれば異世界、って事なんだよな?」
「はい。こちらの言葉で『マグラセンド』…あちらの世界の言葉になぞらえれば『魔界』といったところでしょうか。」
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