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94話 迷い込んだ先は①
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気が付いた時には、建物の隙間の物陰に居た。
外はどうやら大通りらしい。向こう側がここからは見えないくらい広さがあり、数えきれない程の人が右に左に行き交っている。
服装はどう見ても日本のものとは…いや、それ以前に二足歩行の猫が普通に服着て馴染んで生活してる。「自分にしか見えてない」なんてものでもないように見える。
隙間から見える建物も、まるで洋画のような……。
どうしてこうなったのか、記憶を辿る。
確か買い物で出掛けてて、そう、麗辺駅前まで。
で、途中で見かけて気になったんだよな、あの場所が。
初めて自分の魔術の片鱗を見た場所、ハルルと一緒に異変を調べに行った場所。
記憶を頼りに中央に走る大通りから少し外れ、人通りが少ない場所まで来て、そこで妙な音が響いて……。
トラックとかそんなオチじゃない。初めて聞いた音だったけど、憶えのある音だった。
ハルルが言ってた「大量の紙を切り裂くような音」という表現、その表現がしっくり来る音。
その後思いっきり体を打ち付けて、痛みと気持ち悪さで休める場所を必死で探して。
それで今に至る…か。
で、現状。
ここは一体?なんて考える前に、既に察しはついている。
そうだとしたら、頼れるものは無い。ついでに体調もまだすぐれない。
けど、ここでじっとしていて好転する事態も無い。
壁を頼りに立ち上がり、表へと向かっていく。
外はどうやら大通りらしい。向こう側がここからは見えないくらい広さがあり、数えきれない程の人が右に左に行き交っている。
服装はどう見ても日本のものとは…いや、それ以前に二足歩行の猫が普通に服着て馴染んで生活してる。「自分にしか見えてない」なんてものでもないように見える。
隙間から見える建物も、まるで洋画のような……。
どうしてこうなったのか、記憶を辿る。
確か買い物で出掛けてて、そう、麗辺駅前まで。
で、途中で見かけて気になったんだよな、あの場所が。
初めて自分の魔術の片鱗を見た場所、ハルルと一緒に異変を調べに行った場所。
記憶を頼りに中央に走る大通りから少し外れ、人通りが少ない場所まで来て、そこで妙な音が響いて……。
トラックとかそんなオチじゃない。初めて聞いた音だったけど、憶えのある音だった。
ハルルが言ってた「大量の紙を切り裂くような音」という表現、その表現がしっくり来る音。
その後思いっきり体を打ち付けて、痛みと気持ち悪さで休める場所を必死で探して。
それで今に至る…か。
で、現状。
ここは一体?なんて考える前に、既に察しはついている。
そうだとしたら、頼れるものは無い。ついでに体調もまだすぐれない。
けど、ここでじっとしていて好転する事態も無い。
壁を頼りに立ち上がり、表へと向かっていく。
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