そして俺は召喚士に

ふぃる

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86話 戦い方の教示①

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 後日、週末の昼間。
 今日の場所を選ぶのに、ちょっと迷った。
 それなりの広さがあり、目立たず、できれば近い場所。
 結果決めたのが、ここ河川敷、大通りの橋の下だ。


「もう、呼び出すならもっと事前に言ってくださいよ。」
 とハルルから。
「ごめん、場所選びで手間取って──」
「今日の事じゃないですよ。
 ソウクロウさん…でしたっけ、この間の事です。
 目的が分かっていれば、もっと適任が居ましたのに。」
「適任…前に言ってたエリアリーダーって人か?
 呼んだとして、そう簡単に来れるもんなのか?」
「こちらの人との協力関係を築くメリットは、動く理由として十分なものです。
 本人が来れなかったとしても、交渉材料を事前に用意したりもできましたし。」
「…悪い、それは俺の考えが至らなかった。」
「いえ、停戦の約束を取り付けただけでも大きな結果ですよ。
 今後あちらが不当な干渉をしてきた時、正当に迎撃できます!」
 ナチュラルにそういう発想が出る事に、世界観の違いを不意に感じる。


「それで、今回の要件は『戦い方』の教示でいいんですね? 魔術のではなく。」
「あぁ。できれば魔術が絡む戦い方だとより助かるけど。」
「分かりました、が、私が扱うロンドラーレ流剣術は相伝のもの、直接的に教える事はできません。
 なので見て盗む、あるいは手合わせの中で何かをつかんでください。」
 そう言い、ハルルが剣を取り出す。ただし鞘は付けたまま。
 銃刀法の事を言おうかとも思ったが、おそらくこれから必要になる物なのだろう。
「構えてください。
 大丈夫。ハンデありといえども、一太刀たりとも受けるつもりはありませんので。」
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