そして俺は召喚士に

ふぃる

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82話 明るみ⑩

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 一通り聞き終え、ちょっと思考整理。
 漫画の1話でも読み終えた後の読後感、それに似たような感覚。それくらいの非現実感。
 でも信頼できすぎる情報源。それに……。

「ひとつ、聞いていいかな?」
「ひとつと言わずとも、納得できるまでいくらでも。」
「先月末のあれも、それに関係してるのか?」
「そうですね。異様な魔力の気配を感じ取り向かい、結果的に戦闘に発展した次第で。
 …もしかして、巻き込まれてました?」
「いや、直前に氷の壁に止められたから、そんな大しては。」
「なら、大丈夫だったんですね。」
「いや、その外でも色々とな……。追い返しながら撤退したから、無事ではあったけども。」
「追い払いって…どうやって?」
 …そうか。そこからハルルとは情報共有してなかったんだっけ。
「こっちも空いた2ヶ月で色々あったんだよ。
 なんか妙な動きがあるのも知ってたし、魔術もちょっとは使えるようになったし。」
「魔術も…そうですか。」
 そうだ。魔術を教える時間を取れない事、前にも気にしてたな。
「だから、ハルルには戦い方を教えてほしいんだ。」
「なぜ、戦い方を…?」
「魔術を使えるといっても、まだほんのちょっとだけなんだ。
 だから、もし今後その、荒事に遭遇しても、逃げれる程度には対抗できるようになっておきたい。」
「つまり、自衛できる程度には力が欲しい、と。」
「あぁ、そうなるな。」
「…元を辿れば、私がこの装具を付け忘れ、連鎖的にユートさんがこちらの事を知ったのが原因。こちらの落ち度。
 これからは人員に余裕もできますし、私が護衛として──」
「弱者側の事は分からないんだろうな、エリートには。」
 無意識に出た言葉。けど、その先を続ける。
「俺としてはさ、既に戦いになる流れを見てる、これから事が増大していくであろうと知ってる。
 けど、それに対してまともな防衛術を持ち合わせてない。
 不安なんだよ、要するに。」
 いくらハルルの自由が利くようになったといえど、常に張っていられるわけでもないだろう。
「だから、自衛くらいはできるようになりたい。
 魔術を教えてくれるのの応用編としてさ。」
「そういう事なら、分かりました。承りましょう。」


「で、もうひとつなんだけどさ。
 今度時間を貸してほしい。頼みたい事がある。」
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