82 / 231
82話 明るみ⑩
しおりを挟む
一通り聞き終え、ちょっと思考整理。
漫画の1話でも読み終えた後の読後感、それに似たような感覚。それくらいの非現実感。
でも信頼できすぎる情報源。それに……。
「ひとつ、聞いていいかな?」
「ひとつと言わずとも、納得できるまでいくらでも。」
「先月末のあれも、それに関係してるのか?」
「そうですね。異様な魔力の気配を感じ取り向かい、結果的に戦闘に発展した次第で。
…もしかして、巻き込まれてました?」
「いや、直前に氷の壁に止められたから、そんな大しては。」
「なら、大丈夫だったんですね。」
「いや、その外でも色々とな……。追い返しながら撤退したから、無事ではあったけども。」
「追い払いって…どうやって?」
…そうか。そこからハルルとは情報共有してなかったんだっけ。
「こっちも空いた2ヶ月で色々あったんだよ。
なんか妙な動きがあるのも知ってたし、魔術もちょっとは使えるようになったし。」
「魔術も…そうですか。」
そうだ。魔術を教える時間を取れない事、前にも気にしてたな。
「だから、ハルルには戦い方を教えてほしいんだ。」
「なぜ、戦い方を…?」
「魔術を使えるといっても、まだほんのちょっとだけなんだ。
だから、もし今後その、荒事に遭遇しても、逃げれる程度には対抗できるようになっておきたい。」
「つまり、自衛できる程度には力が欲しい、と。」
「あぁ、そうなるな。」
「…元を辿れば、私がこの装具を付け忘れ、連鎖的にユートさんがこちらの事を知ったのが原因。こちらの落ち度。
これからは人員に余裕もできますし、私が護衛として──」
「弱者側の事は分からないんだろうな、エリートには。」
無意識に出た言葉。けど、その先を続ける。
「俺としてはさ、既に戦いになる流れを見てる、これから事が増大していくであろうと知ってる。
けど、それに対してまともな防衛術を持ち合わせてない。
不安なんだよ、要するに。」
いくらハルルの自由が利くようになったといえど、常に張っていられるわけでもないだろう。
「だから、自衛くらいはできるようになりたい。
魔術を教えてくれるのの応用編としてさ。」
「そういう事なら、分かりました。承りましょう。」
「で、もうひとつなんだけどさ。
今度時間を貸してほしい。頼みたい事がある。」
漫画の1話でも読み終えた後の読後感、それに似たような感覚。それくらいの非現実感。
でも信頼できすぎる情報源。それに……。
「ひとつ、聞いていいかな?」
「ひとつと言わずとも、納得できるまでいくらでも。」
「先月末のあれも、それに関係してるのか?」
「そうですね。異様な魔力の気配を感じ取り向かい、結果的に戦闘に発展した次第で。
…もしかして、巻き込まれてました?」
「いや、直前に氷の壁に止められたから、そんな大しては。」
「なら、大丈夫だったんですね。」
「いや、その外でも色々とな……。追い返しながら撤退したから、無事ではあったけども。」
「追い払いって…どうやって?」
…そうか。そこからハルルとは情報共有してなかったんだっけ。
「こっちも空いた2ヶ月で色々あったんだよ。
なんか妙な動きがあるのも知ってたし、魔術もちょっとは使えるようになったし。」
「魔術も…そうですか。」
そうだ。魔術を教える時間を取れない事、前にも気にしてたな。
「だから、ハルルには戦い方を教えてほしいんだ。」
「なぜ、戦い方を…?」
「魔術を使えるといっても、まだほんのちょっとだけなんだ。
だから、もし今後その、荒事に遭遇しても、逃げれる程度には対抗できるようになっておきたい。」
「つまり、自衛できる程度には力が欲しい、と。」
「あぁ、そうなるな。」
「…元を辿れば、私がこの装具を付け忘れ、連鎖的にユートさんがこちらの事を知ったのが原因。こちらの落ち度。
これからは人員に余裕もできますし、私が護衛として──」
「弱者側の事は分からないんだろうな、エリートには。」
無意識に出た言葉。けど、その先を続ける。
「俺としてはさ、既に戦いになる流れを見てる、これから事が増大していくであろうと知ってる。
けど、それに対してまともな防衛術を持ち合わせてない。
不安なんだよ、要するに。」
いくらハルルの自由が利くようになったといえど、常に張っていられるわけでもないだろう。
「だから、自衛くらいはできるようになりたい。
魔術を教えてくれるのの応用編としてさ。」
「そういう事なら、分かりました。承りましょう。」
「で、もうひとつなんだけどさ。
今度時間を貸してほしい。頼みたい事がある。」
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
異世界転移したよ!
八田若忠
ファンタジー
日々鉄工所で働く中年男が地球の神様が企てた事故であっけなく死亡する。
主人公の死の真相は「軟弱者が嫌いだから」と神様が明かすが、地球の神様はパンチパーマで恐ろしい顔つきだったので、あっさりと了承する主人公。
「軟弱者」と罵られた原因である魔法を自由に行使する事が出来る世界にリストラされた主人公が、ここぞとばかりに魔法を使いまくるかと思えば、そこそこ平和でお人好しばかりが住むエンガルの町に流れ着いたばかりに、温泉を掘る程度でしか活躍出来ないばかりか、腕力に物を言わせる事に長けたドワーフの三姉妹が押しかけ女房になってしまったので、益々活躍の場が無くなりさあ大変。
基本三人の奥さんが荒事を片付けている間、後ろから主人公が応援する御近所大冒険物語。
この度アルファポリス様主催の第8回ファンタジー小説大賞にて特別賞を頂き、アルファポリス様から書籍化しました。

元勇者、魔王の娘を育てる~血の繋がらない父と娘が過ごす日々~
雪野湯
ファンタジー
勇者ジルドランは少年勇者に称号を奪われ、一介の戦士となり辺境へと飛ばされた。
新たな勤務地へ向かう途中、赤子を守り戦う女性と遭遇。
助けに入るのだが、女性は命を落としてしまう。
彼女の死の間際に、彼は赤子を託されて事情を知る。
『魔王は殺され、新たな魔王となった者が魔王の血筋を粛清している』と。
女性が守ろうとしていた赤子は魔王の血筋――魔王の娘。
この赤子に頼れるものはなく、守ってやれるのは元勇者のジルドランのみ。
だから彼は、赤子を守ると決めて娘として迎え入れた。
ジルドランは赤子を守るために、人間と魔族が共存する村があるという噂を頼ってそこへ向かう。
噂は本当であり両種族が共存する村はあったのだが――その村は村でありながら軍事力は一国家並みと異様。
その資金源も目的もわからない。
不審に思いつつも、頼る場所のない彼はこの村の一員となった。
その村で彼は子育てに苦労しながらも、それに楽しさを重ねて毎日を過ごす。
だが、ジルドランは人間。娘は魔族。
血が繋がっていないことは明白。
いずれ真実を娘に伝えなければならない、王族の血を引く魔王の娘であることを。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
アーティファクトコレクター -異世界と転生とお宝と-
一星
ファンタジー
至って普通のサラリーマン、松平善は車に跳ねられ死んでしまう。気が付くとそこはダンジョンの中。しかも体は子供になっている!? スキル? ステータス? なんだそれ。ゲームの様な仕組みがある異世界で生き返ったは良いが、こんな状況むごいよ神様。
ダンジョン攻略をしたり、ゴブリンたちを支配したり、戦争に参加したり、鳩を愛でたりする物語です。
基本ゆったり進行で話が進みます。
四章後半ごろから主人公無双が多くなり、その後は人間では最強になります。


元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる