そして俺は召喚士に

イル

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77話 明るみ⑤

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 その日の放課後、オカルト研究同好会の活動へ。

 いっそすっぽかしてしまおうかとは、一瞬だけ思った。
 けど、あいつは何処からかハルルの情報を仕入れていた。何らかのそういう手段があるのだろう。
 何者かに見られていた気配はしなかった。が、そんなものはあちらの方が上手うわてだろう。
 あいつの言いなりになるつもりはない。興味の方が勝り、そっちに従った事には後悔は無い。
 が、外出禁止と言われたのを破ったのがばれていれば、何らかの咎めはあるだろう。
 元々無茶苦茶な奴だ。何をされるか分かったもんじゃない。
 なら、いつ奇襲されるか分からない状態になるよりは、腹くくって行く方が、今後の平穏の為にもというもの。
 …という事で部屋の前まで来たが、ドアを開けるのがちょっと気が重い。


「おう、待っていたぞ。」
 先に来ていたソウクロウは、いつもと同じように既に卓に着き、開いていた本を脇に寄せ場所を作る。。
 特に変わらないこれまで通りの流れ。自分もこれまでと同じように、向かいの席に着く。
「さて今日だが──」
 ソウクロウの様子に特に変わりは無い。至っていつも通りだ。
 実はそんな情報網なんて持っていないのか? 単なる杞憂だったのか?
「──その前に確認しておくべき事があるな。」
「確認?」
 安心したのも束の間、続いた言葉に身構える。
「一昨日、警戒区域で張っていた者から、近辺に術士が居たと聞いた。
 …特徴からして一人はお前だな?」
 やっぱり何の事も無くとはいかなかったか。
「あぁ、そうだよ。多分な。」
「相応の戦果は掴んできただろうな?」
 そう言うソウクロウの様子は、責めるといよりは、むしろ……。
「禁止って言ってたのを破ったのに、なんだよその反応は。」
「やらせたい事がある時はあえて禁ずる。そういうものだろう?」
 …まじかこいつ。あのネタみたいな振りを、大真面目で使ってたのか…?
「向かう場所はもう決めてある。
 さぁ、その成果を見せてもらおうか!」
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