そして俺は召喚士に

ふぃる

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70話 夕暮れ色③

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 移動の途中、レイド対象にされている場所の説明を改めて確認する。

 いざないの窓。それが今回のレイドで選ばれた場所だ。
 場所は古い廃病院。コストの関係か、取り壊されずにまだ形は残ってる。
 敷地内は立ち入り禁止。だけど正面にある窓の痕跡から、その姿を見る事ができる。
 そこにたたずむ人影は、手招きしてるようにも、出ようと窓に手をついているようにも見えるという。

 日はもう沈み暗くなり。
 よく見ると、街灯にさらに妙なところがある。
 この通り一直線だけを照らし、他は一切照らしていない。脇道にも街灯はあるが、どれも点灯していない。
 まるで奥へと招いているように。

「もう、レイドの現地に着いちまうな。」
 とスマホを見ながらショウヤがつぶやく。
 いつの間にか、街灯の途切れが見えてくる。
 その向こうに…誰かいる?

 スマホをカメラに切り替え、拡大して望遠鏡替わりにする。
 数人分の後ろ姿。銀髪のはハルルだろうか。
 その隣に水色髪の魔術師っぽい人、それに赤髪の──

「なんだ、これ?」
 ショウヤの声で、目線を近場に戻す。
 通りを横切るゼリー状の…いや、水か?
 それが隆起しながら氷の壁になる。
「うわっ、どういう事だよこれ!?」
 自分たちの背より高い壁。流石に驚く、が、ショウヤほどではない。
「戻るよ、急いで!」
 ショウヤの手を引き、来た道へと駆ける。
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