そして俺は召喚士に

ふぃる

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33話 踏み入る領域①

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「実地調査の同行、またお願いしてもいいでしょうか?」
 そうハルルが切り出したのは、バス待ちの時だった。
「また何か気になるものでも見つけたのか?」
「はい、つい先ほど。
 変わった魔力を感じて探ってみたのですが、現地はどうにも私有地のようで。けど変わった装飾もあって、何か特別な場所ではと。」
「そこの特徴とかは?」
「庭が広く、建物の様式も他のとは全く異なっていて、そこだけ違う世界のような……。
 あ、あと風変わりな赤い門が特徴的でした!」
「なるほど、神社か。」
 確か前にこの付近で見たはずだ。道を遡れば場所は覚えてる。
 けど……。
「付き添い、願えますか?」
「それはいいんだけど…ちょっとこればかりは説明に自信が無いな。」
 身近なようで、実際のところ神社に関する具体的な事って、案外知らない。

 参拝の…二礼二拍一礼だっけ、何でそういう風習なのか。手の清めのやり方とか、何かで見た気がするけどよく覚えてないし。
 雰囲気でなら話せるが、曖昧な知識で話す訳にもいかない。
「…ちょっとだけ『準備』したい。それでもいいか?」
「はい、急ぎの異変という訳ではないですし。」


 とは言ったも、ののどうしようか。
 急ぎ調べる? けど調べて分かる程度の情報だったら、わざわざ同行の形にする必要ある?
 事前に調べたとして、それでどこまで専門的な正しい情報を集められる?
 そもそも調べ方を知ってる時点で、ハルルにとって助力になる?

 などと色々思考が巡る中でふと思う。
 …あそこ狐像あったよな?
 だとしたら…無いだろうとは思うけど、一応当たってみるか。
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